題字をここまで長くすると目次が地獄になるのではないかと思ってましたが、いい感じに地獄で私は満足しとります。私は今、幸せです!!
人間の教育上係を任せられた所で何をすれば良いのかなんてわかるわけもない、スノウ。
でも、かと言ってこのまま人間を放置していれば何時しか竜達のヘイトが溜まりに溜まり。最終的にそれが大爆発し竜と人間の大戦争が起きる。と言った結末が避けられなくなってしまう。
正直、竜である彼等にはどうでもいい話だ。むしろ、人間を滅ぼしたいと思っている竜も多くいる。ボルケノに気付かれない様に人間を虐殺してる竜も少なからずいる。
なんなら、そっちの方が多数はだったりする。
て言うか、だからあんな会議が行われたのだ。
現在は竜王であるボルケノが穏健派であるが故に仮初めの平穏を保ってはいるが。この均衡が一度崩れればどうなるか想像もしたくない。
「どうしたものですかねぇ……」
と、中身がオッサンの少女が呟いた。見目麗しい姿形とは裏腹に雪山の降り積もる雪の上に胡座をかきながら、後頭部をボリボリと掻いていた。
もうパンツもおっぴろげである。
パンチラどころか、パンモロである。
まあ、パンツを履いてるか履いてないかはこの際言及しないが。兎に角、見た目に反して態度は雄々しい。
一応、他人の目がある時は体裁を整えるが、人目が無い時のスノウは大体こんな感じだ。
「少なくとも、私の領域で悪さをしている竜はいない。となると、悪い竜をとっちめて人間達の尊敬の目を集めると言うのは難しい。かと言って、他の竜の領域に入ればいざこざは避けられない」
取り敢えず、そんな事を呟くとスノウは深い溜め息を吐いた。そして、どうしたものかと腕を組んで口をへの字に曲げた。
その仕草は可愛らしいが、相も変わらずパンツはおっぴろげである。
「こうなると、どうにかして人間に接触する他無いでしょうが。果たして、どうしたら上手く行くか」
思わず、スノウは首を傾げてしまう。
冷静に考えると、突然空から竜が降りて来たりしたら、上から下へと大騒ぎである。普通の思考だと、上手く行かない。上手く言ったとしても恐怖による圧政を敷いて。はい、御仕舞いである。
そこら辺を上手くする自信はスノウには微塵もない。
かと言って、都合良く悪漢に襲われている村とかが有るか? と、問われるとそれもない。
この山頂高くそびえるスノウ・フィールド・マウンテンに人里は勿論無く。山の麓にチラホラと部族が小さい里を作っている程度だ。
それも慎ましやかに生活をしており。自然と共に苦楽を共にし、自然と共存している。必要最低限の物を作り、必要最低限の物を使う生活。
それは人として非常に誇らしい事だ。
スノウは彼等の事を素直に尊敬もしていた。そして、下手に自分が手出しするべきではないとも感じていた。
「はぁ…… 全く、どうしたものか……」
全く持って話が進まないのである。
そして、スノウがこのままで良いか、と思った矢先。事件は起きた。
スノウは強い力の反応を彼方から感じた。
その方向にスノウは視線を向けた。
「あっちは確か。宗教都市がある方向。それに、この力は……」
スノウが無意識に千里眼を開く。自分にこんな力が有った事に驚きながらも、スノウは自らの視線の先にいる存在を目にして驚愕した。
全ての光を飲み込む様な黒色の鱗。著しく長い鱗に包まれた手足と尻尾に巨大な翼。そして、その皮膜は血を浴びたかの様な深紅に染め上がっている。
そして、その漆黒の身体を中でキラリと光る金色の竜の瞳がこちらを真っ直ぐと睨み付け。凄まじい速さでこちらに向かって来る。
「カドラク・ブラックモア・ブラッドドラゴン……」




