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「我ガ名ハ、リヒターチャリオット。黒ノ師団ニ所属スル機械兵士ダ、貴様等ハ何者ダ、何故ココニイル」
そう音声を発した機械兵士がこちらにハルバードの切っ先を向けてみせた。そして、それに答えるようにエグザルドさんが一歩前に出た。
「何故? ここは私達の居住地。故にこの場所にいる理由はいらない。ならば、貴様は何者だ、何故ここにいる、何が狙いだ? そして、何故、我々からの管理者権限を拒絶している。誰に改造された? 答えよ!?」
一触即発の雰囲気が辺りに充満する。
しかし、その瞬間は突如訪れた。はじめに動いたのはリヒターチャリオットの方だった。彼がハルバードを高く振り上げエグザルドさん、目掛けて振り下ろし。
「あ、危ないッ!!」
思わず叫び声が漏れる。
振り下ろされたハルバードはエスガルドさんのヘルメットの様な頭部に直撃し火花を散らした。しかし、そのエスガルドさんのボディには傷一つ付いていなかった。
振り下ろされたハルバードはエスガルドさんの肩で止まり。振り下ろされた朱鷺の勢いも完全に殺されていた。
「バ、バカナ!!」
「貴様と私のスペックを考えたら当たり前の現象だ」
そう言うと、エグザルドさんがハルバードを掴み、その瞬間に青白い稲光を発生させた。
とてつもなく大きな雷の音が響き渡る。
そして、それと同時にリヒターチャリオットが黒い煙を挙げ膝から床に崩れ落ちてしまった。
「成る程。彼等の記録を読み取りました。彼等は黒の師団。世界的なテロ組織とでと言うところですね。それに、やはり狙いは地下のメインサーバーの破壊。もしくはサーバーを手中に納めること。やはり、見過ごせません」
瞬殺かよ。
余りの出来事に言葉を失ってしまう。
しかし、そんなわたしを他所にベルさんがエグザルドさんに向けて質問を投げ掛けていた。
「何故、メインサーバーがここにあるとわかったんですか?」
「申し訳ありません。それは記録に残っていませんでした。ですが、大本の記録から消されている所を見ると恐らく故意に記録を消していると思われます」
凄まじい強さじゃないか……
エグザルドさん一人で全員倒せるんじゃないか?
「やはり、ここの存在を知っている者がいる。もしかして、私の造り出した原初の生物が……」
なにやらベルさんがブツブツと呟いている。
「御主人様、考えるのは後です。今は早くメインサーバーへと向かいましょう」
「え、ええ、そうね!」
二人がそう言うと、視線を私達の方へと向けた。
「大変申し訳ありません。皆様方、どうか私達に力をお貸しください」
「オネガイシマス!」
今まで使っていた日本語をこちらの言葉に切り替え、彼女達がこちらに向かって頭を下げて来た。
私はどうするか決まっている。
それに黒の師団が関わっているなら、白の師団である、私達が放っておく訳がない。私は振り向いて皆の顔を見る。
その表情を見ればわかる。
皆も私と同じ考えの様だ。




