表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボツ原稿。ボツ原稿って言っても書いてる時は本気だから消すのは消すで惜しみ無いよね。もう最高だよ、そんな感じ。読めたもんじゃないけど、題字だけでも見て鼻で笑ってやってください。  作者: パンツ男爵F
男の娘に転生。転生特典の治癒の奇跡で聖女と呼ばれて勝手に王子と婚約されるけど、男だとバレたら偽物だと婚約破棄。国を追放されたけど実は本物の聖女って、これもうわかんねぇな
1/137

純白のワンピースってかなりハードル高いと思うんですがどうなんですかね?男受けは良いと思いはするけど汚れは目だちそうだし、人を選びそう。そんなのが似合う美人聖女に生まれ変わりたいですよね。

 森の中を一人の少女(男)が歩いている。


 その少女(男)は酷く疲弊しており、歩く足も何処と無くおぼつかない。少女(男)はおもむろに立ち止まると、木々の切れ間から見える太陽に視線を向け、大きな溜め息を吐いてみせた。


 木々の切れ間からは溢れ日が差し込み、少女(男)を照らす。少女(男)の栗色の長く艶のある長く綺麗な髪の毛が、溢れ日に照らされ美しく輝いた。

 不意に、爽やかなそよ風が吹き、少女(男)の頬を撫でた。その瞬間、少女(男)の顔が露になった。


 大きな宝石の様な瞳は茶色いガーネットの様な輝きを放ち。透き通るような美しい肌は、ほのかに色気のある赤みを帯びている。

 小さく、上品で大人しげな唇が微かに動き、言葉を発した。


「なんて、濃密な1日だったんだ……」


 彼女(男)の名前はシャルロット・グレイス。しがない村娘(男)として、今日まで生を謳歌していた。しかし、実は彼女にはとんでもない秘密が隠されているのだ。


 実は男なのだ。


 他人の目から見れば、彼女(男)はどこからどうみても女性である。なんなら、とても美しい女性。年の頃から美少女と呼ばれる部類に位置する。


 しかし、彼女(男)は実は男なのだ。

 そして、彼女(男)の秘密はこれだけでは終わらないのだ。


 実は転生者なのだ。


 だが、ここで皆に問いたい。貴方が二歳。あるいは三歳以前の記憶を覚えているだろうか。きっと、大半の人が覚えていないだろう。

 赤子の脳とは小さく、大変に記憶力も無い。


 良くカラスは五歳児程度の知能が有る、と言われている。つまり、彼女(男)は転生の後にカラス以下の知能を一旦経たことになる。

 これが何を言いたいかと言うと、答えは簡単。


 転生前の知識は殆ど失ってしまっているのだ。


 それは、見事な程さっぱりと滅却しているのだ。転生前は確か男で、ここではない世界のどこかで何かの病気で死んだんだよな、程度しか覚えていないのだ。


 つまり、何の役にも立たないのである。


 しかし、彼女(男)は転生の際に、有る能力を授かっていたのだ。それこそ、治癒の奇跡である。

 これは行き歳生ける者を慈しむことにより、その生物の生命力を回復させたり、傷を癒したり、病を治したりする能力なのである。

 

 つまり、「痛いの痛いの飛んでけ~」したら、本当に飛んで行くと言う代物だ。ぶっちゃけ、素晴らしい能力だ。

 この能力が発見された際には村人が総出で「奇跡の子(男)!! 奇跡の子(男)!!」と彼女(男)を胴上げした程だ。

 しかし、彼女(男)の存在は、その貴重さ故に村人総出で秘匿されてもいたのだ。


 そんな、心なしか形見の狭い日々を過ごしていたある日、悲劇は起きちゃったのだ。


 その日、シャルロットは馬のいななきと共に目を覚ました。何かと思いシャルロットが外に出てみた所、村の少しばかり下を通る道で、ある馬車が何者かに襲撃されたらしく大きな損害を受けていたのだ。

 幸い襲撃者は返り討ちにしたらしく、怪我人はいたが死者は出なかったらしい。しかし、馬車を引いていた馬が再起不能な負傷を受けていたのだ。


 馬車を引く馬が再起不能になってしまったことにより、彼等は足を止めざる負えなくなってしまった。

 そこは襲撃されるような人達だ、足止めされると言うことは襲撃者側にそれだけ襲撃のチャンスを与えることになる。出来るだけ足止めされるのは避けたい、と村で馬を借りることは出来ないかと言う話しになった。

 しかし、村は村で馬は大事な労働力。そして、村事態もそこまで裕福ではない。その上、貨幣の価値よりも物々交換が主な片田舎。

 幾ら金を積まれたようと、金は使うところが無いので首を縦に振ることも出来ずに、どうしたものかとなっていた。


 そこで、シャルロットは面倒臭いなと思い。奇跡の“痛いの痛いの飛んでけ”で馬をブチ治してしまったのだ。

 

 それを見た、馬車の持ち主達はシャルロットの事を「聖女(男)だ!!」「聖女(男)!!」と騒ぎ立て胴上げしたのだ。

 これが厄介なことに、その馬車の御一行はなんと、さる王国の王子様だそうで。更に厄介な事は、その王子様がシャルロット(男)に一目惚れしてしまったらしいのだ。

 何を血迷ったのか、結婚しようまで言ってしまう始末。まさに、出会って数秒で結婚である。


 ここからはNURO光よりも早く事は進み、シャルロットは王子様に手を引っ張られ馬車に連れ込まれ、そのままに王国へとレッツらゴーしてしまったのだ。

 シャルロットも、自分は男だと伝えて何とか返して貰おうと試みたが、王子様は話を聞かない事、聞かない事。シャルロットの身の上話を聞きたいことばかり聞いて、肝心な部分は聞かずに、そのまま、あっという間に城まで着いてしまったのだ。


 ここまで来るとシャルロットは生きた心地がしなかった。正に生地獄とはこの事かと感じていた。

 ここまで来て「いや~ 私、男なんすわ~ ハハ」なんて言える訳もなく、どうしたものか、どうしたものかと、なっていた。


 肝心な王子様は全く話を聞かないし。


 ただし、ここからの展開もNURO光より早かった。

 それも、王様に会うや否やシャルロットは「私は男です!!」と大見え切って言ってしまったのだ。

 生来、嘘をついたり、物事を誤魔化したりするのがあんまり好きではないシャルロットは、それが良い行動か悪い行動かわかりはしないがハッキリ言ってしまったのだ。

 それなら先に言えよ、となるが。王子様には口酸っぱくなる程、言ったのだが、聞く耳を持ってくれなかったのだ。


 そうなったらもう大変。王子様は顔真っ赤である。


 余りにも恥ずかしかったのか、「もう、顔も見たくないわ」の一言と共に国外追放を言い渡されてしまったのだ。ついでに唾も吐き掛けられたのだ。

 その所業に「そこまでやるか!?」とシャルロットは思ったが、「まあ、御偉いさんだから、言うことは聞かないといけないしな」と渋々国外へと歩き歩き出し、現在に至るのだ。


 そして、驚くべき事にNURO光よりも早く婚約をされ、NURO光よりも早く婚約破棄され、国外追放された、彼女(男)、シャルロットこそがこの物語の主人公なのだ。


 後に(男)が「ボロん!!」と、取れ、正真正銘の聖女と呼ばれることになるのだが、どういった経緯でそうなるのかは、もう少し先の話。

 因みに、あらかじめ言うならば外科的手術による物ではない。

 

 画して、シャルロットの「これもうわかんねぇな」って、感じの大冒険が意味もわからない形で幕開けしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ