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寄見日和はまとめたい。

「……」


「……」


「……」


「……」



 先輩達を見る。



「……」


「……」


「……」



 私達を見る。


 同じ無口だけど、全然違って。

 大人びて見える先輩達の、その理由を。


 私なりにまとめてみたいと思う。





 第8話

   y寄見日和はまとめたい。y




 今日は依頼も無く穏やかな時間です。


 ……。

 折角なので、先輩達を観測してみたいと思います!





「……!?」

 待機部の部長は花梨詩葉ーハナナシコトハー先輩です。

 見た目は愛らしく……、可愛らしい感じですね……!


 花梨先輩はしっかりしていて、問題が起こってもちゃんと考えて答えを出せる人。

 頼りになる先輩です。


 趣味は読書なのでしょうか、待ち時間には本を読んでいる事が多いですね。





「……!!」

 副部長というのがあるのかは不明ですが、立場的にそんな雰囲気になっている人が居ます。

 それは大儀見結梨奈ーオオギミユリナー先輩です。


 スマホを見ている事が多く、少しミステリアスな印象でしょうか。

 クールな雰囲気でスラっとしていて、モデルみたいな方ですね。


 でも優しくて面倒見が良い事を私は知っています、花梨先輩も頼りにしていました。





「……?!」

 福海衣咲ーフクミイサキー先輩は頑張り屋なイメージがあります。

 部室に居る時は大体勉強をしています。


 三年生なので受験があるのでしょうが、日々努力している姿は素直に尊敬してしまいます。

 でもたまに、こっそりとゲーム機を取り出しているのを見掛けます。


 ……。

 一緒に遊んでみたいですね!




「……??」

 最後はルー先輩です。

 ルー先輩は全てが謎です、苗字なのか下の名前なのか、それすら分かりません。


 何故か先輩達もその事をはぐらかしてきます、……何故!?

 ”あだ名”の様なモノ? なのでしょうか。


 窓の外を見ながらボーっとしてるかと思えば、知恵の輪やルービックさんのパズルを手元を見もせずに解いている姿には驚きを覚えます。






 簡単に説明するとこんな感じの先輩達ですが、見ていて思うのが仲の良さです。



「……?」


「……!」


「……」


「……!?」



 御互いに会話も少ないのに意思疎通ができていたり。



「……」


「……」


「……」


「……!!!」



 無口だったのに急に一緒になって笑いあったり。

 傍目には不思議です、びっくりです、驚愕です。



 更に観測を続けます。




「……!」

「……!!」

 花梨先輩と大儀見先輩は一緒にファッション誌を読んだりしています。

 二人ともオシャレなので私も勉強させてもらいたいですね。



「……?」

「……??」

 ルー先輩は福海先輩に抱きついて勉強を覗いています。

 微笑ましいものですね、ずっと見て居たい!





 ここまで色々な場面を見てきた訳ですが。

 大人っぽく感じてしまう理由は、結局分からないですね……。


 何というか親しみが増しただけの気がします!





 考え方を変えて、一度待機部の活動をおさらいしてみようと思う。

 待機部は文字通り待機する部活です。


 活動は授業が終わってから一時間から二時間ほど待機する部活になります。

 何故待機するのか、その理由は二つあります。


 一つは部活が強制参加になっている学校の方針です。

 待機部で待機するという事で部活に参加している体になっていますね。



 ですが、主な活動は”もう一つの方”にありました。

 他の部活や生徒達が困った時の”助っ人”を行う事です。


 これまで私達も何度か手伝って来ました。

 最初はどうすれば良いか全く分かりませんでした。


 だけど、今は少しだけ分かった事もあります。

 待機部は便利な存在じゃないという事。


 一緒に過ごす学校の仲間達と共に、より良い日々を紡いでいく。

 そんな感じでは無いかと、思う様になりましたね。


 むぅ、これは中々に詩的ですね。


 更に更に観測します。







 あ、福海先輩に抱きついていたルー先輩がずり落ちていきます。


「……ニャァ!?」


 触れては駄目な場所に触れてしまったようです。

 ……福海先輩、可愛い……。





「……この時期に?」


 大儀見先輩が不意に呟きます。


 花梨先輩がマフラー特集に目を輝かせていました。

 ……この時期に?





「……」


「……」


「……」



 楽しそう笑みを浮かべる先輩方を見て羨ましいなって思う。

 私達もあんな風な関係になりたい。


 あの日の事を思い出す。


『……寄見さんも、友達になって欲しいです』


 郡さんに友達になって下さいって言われて、……嬉しかった。


『……また笑い合いたかったんだよ』


 奥手さんが私をまだ友達だと思ってくれて、……嬉しかった。




 あれからまだ半月しか経っていないのに色々な事があって。


 そしてこれからも色々な事があるはずで。

 でも、考えてみたら私はまだ何もしていない。


 郡さんと奥手さんが御互いを名前で呼ぶようになって気付く。

 踏み出そうと決意したのは自分なのだから、私も踏み出そうと。



「……」


「……」


「……」



 二人の顔を見る。

 同じ一年生、同じ部活、同じ教室、並びの席順。


 まるで奇跡の様に生まれた、私達の関係。

 でも半分は奇跡じゃない。


 私達の意思と、先輩達や何処かで私達を慮ってくれた人達。

 その、おかげだから。


 大切に思う。

 大切に想う。

 一歩を踏み出す前に、ちゃんと想う事を思う。



「……あ、あの」



 私の声に二人がこちらを向く。

 少しずつでも皆の事を知っていこう。



「……風華さん、切さん」


「……!??」


「……??!」



 呼びなれない呼び方に戸惑いながらも、思いを込めて囁く。



「……趣味、とかある、の……?」


「……」


「……」


「……た、待機部で時間を潰す時とかに、何かあればっと思って」



 少し早口になってしまった、ちょっと恥ずかしい……。



「……」


「……」



 二人は考えた後で答えてくれる。



「……編み物、とかでしょうか」


「……す、凄い」



 女子力が高そうな趣味が飛んできて驚く。

 風華さんは編み物ができるらしい。



「……べ、別に大した事じゃ」



 恥ずかしそうに照れる風華さんは、可愛らしかった。



「……セ、セツは……」



 切さんは何ができるのだろう。



「……絵を描いたり……」


「……す、凄い」



 女子力が高そうな趣味が飛んできて驚く。

 切さんは絵が描けるらしい。



「……全然、上手くないですから」



 恥ずかしそうに照れる切さんも、可愛らしかった。



「……」


「……」


「……」



 二人がこちらを見つめている。



「……は!? 次は私の番……?」


「……(コクコク)」


「……(コクコク)」



 友達が居なかった私には、そういう流れを読むのは難しかった。

 自分から振った話題なのに、答えを用意していない。

 少し考えて思い付いたのは。



「……犬の、散歩……?」


「……くすっ」


「……ふふっ」



 わ、笑われてしまったー。

 確かに部室で時間を潰すような趣味じゃないですよね……。



「……」


「……」


「……」



 会話が終わる。

 けど、嫌な感じはしない。

 黙って居ても傍で居られる、そういう関係もあると聞いた。


 あ、そうか……。

 先輩達が大人っぽく見えたのはきっと。


 自然体で御互いを分かり合っているからなのかも。

 上辺だけの取り繕ったコミュニケートじゃなくて。


 何歩も互いに踏み出した故の信頼関係。


 ……負けたくないな。

 きっと言葉選びを間違っているけれど、負けたくないと思った。


 私達も、先輩達に負けないぐらい分かり合いたい。


 再び二人に向き直る。


 会話が終わったとしても大丈夫。

 今は傍に居られるから。


 時間はまだまだあるから!



「……あの」


「……」


「……」



 長いような短いような、この限られた時間の中で。

 もう一歩もう一歩と踏み出してみよう。



「……甘いものは、好き?」


「……!!?」


「……??!」



 会話が下手すぎる私の問いに。

 驚いた二人は、少し考えた後。



「……うん!」



 声を揃えて、愛らしい笑みを浮かべたのだった。




 レティセンスコミュニケート

  第8話

   y寄見日和はまとめたい。y


 ― 完 ―

。本日の向き合いポイント

現状を見つめ直した日和。

先輩や友達の事を知ろうと前進中!


。次回予告

奥手切は○○たい!




いつもありがとうございます。

今月も無事完成しました。


月一連載にしたのは正解だったようです、クオリティとモチベーションが良い感じに作用しております。


その上、新連載を執筆する余裕も生まれてきました。

ありがたい事です、この調子で頑張っていきますね。

次作はとても素晴らしい作品になりそうなので御楽しみに♪



自己満足に過ぎないこの作品を読んでいただいている読者の皆様。

本当にありがとうございます、また来月御願い致します。

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