表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/67

47話 GⅠ 宝塚記念 その2


 3回 阪神競馬 8日目 11レース 雨 不良

 3歳以上オープン GⅠ 宝塚記念 芝2200メートル



『阪神競馬、第11競走は春のGⅠ戦線を締めくくる総決算。グランプリである、第…回宝塚記念、グレードワン。サラブレッド系3歳以上、芝2200メートルでの競走となります。

 梅雨の雨が降りしきる阪神競馬場の芝コースは不良と、あいにくの馬場コンディションではありますが、今年の宝塚記念は出走馬15頭中GⅠ馬の参戦が7頭と例年に比べても豪華な顔ぶれが揃いました。

 そして今年は8年振りに3歳馬の出走がありました。その3歳牝馬であるミストラルプリンセスが古馬相手にどういった競馬を見せてくれるのか? これまた非常に楽しみな一戦であります。

 出走各馬が誘導馬に先導されて本馬場へと入場して参りました』



「522万…… 522万……」



 田中さんの呟く金額もレースをこなす度に段々と数字が大きくなってきたなぁ。

 まあそれだけ、ワイが大レースに出走し続けているということやね。


 守銭奴タナカはワイに感謝したまへ。 ……今回はバナナでええで。



「522万って…… 田中さん今回はさすがに一着は厳しいと思いますよ?」


「過去の宝塚記念では3歳馬は勝ててないのだから、私もヒメの一着が厳しいことだとは理解しているわよ」


「ひ~ん」



 なんや、田中さんもちゃんと現状は認識していたのね。

 妄想が肥大しすぎて、銭ゲバ田中の頭の中には一着以外の想像はなかったのかと思ってたわ。



「でも願望といいますか、希望は一着の522万なんですよね?」


「そこは人気薄の牧村の名と腕に期待するのよ」



 今年に入ってからのミユキは、人気薄の馬を2着や3着に持ってくることが今まで以上に多くなっているから、穴党御用達の騎手に成長しているとかいう話みたいだからな。

 当然だけど、人気がない馬で賞金を咥えて来れるのだから、人気薄の馬を出走させる馬主や調教師からも重宝がられている存在ということやね。


 ミユキの単勝と複勝の回収率は、それぞれ150%と125%を超えているとか聞いたしな。

 この数字の中には、ワイもオークスでの一着でちゃんとミユキに貢献しているんやで。


 そして、このミユキの単複の回収率って、なにげに凄い数字なんやで?

 もっとも、人気薄の馬に騎乗しているから叩き出せる数字とも言えるのだけれども。



「まあ今日のヒメは8番人気だから、確かに田中さんが言うとおり人気薄ではありますけど……」


「ヒメ、ここで不甲斐ない負け方をすれば、秋に凱旋門賞に挑戦するプランも白紙撤回されちゃうかも知れないから、最低でも三着以内は確保してちょうだい!」


「ひん?」



 なんやって? 田中さんの口から凱旋門賞とか聞こえたような気がするんやけど、気のせいだよね? ワイの空耳やったんかな?

 まあ、凱旋門うんぬんはさておき、ワイもGⅠ三勝馬として不甲斐ないレースは見せられないよなぁ。



「ヒメも美雪ちゃんも頼んだからね!」


「古馬相手にどこまでやれるのかは分かりませんけど、穴をあけるつもりで頑張ります」


「ぶるぅ!」



 古馬の一線級を相手に現状のワイがどこまで通用するのかは未知数ではあるけど、いっちょ気合を入れて頑張ることにしますか!

 ……具体的には、最低でも三着入線を目指して。



『……8年振りに春のグランプリに3歳馬が出走します! 前走の府中で見せた末脚をここ仁川でも見せつけることができるでしょうか?

 UAEダービーとオークスというGⅠを変則的に連勝した、ひときわ小さな馬体の樫の女王が威風堂々と阪神競馬場に初めて姿を見せます!

 6番ミストラルプリンセス! 358キロ、前走から馬体重の増減はありません。

 鞍上は宝塚記念初騎乗の牧村美雪、51キロ』




 てって、てぇてて~♪



 まさか馬に生まれ変わって、競馬場のターフ内からザ・チャンピオンを聴くことになるとは、人間だった前世では思いもしなかったわ。

 でも、ワイのテンションはチャンピオンのおかげで爆上がりでっせ!



「ヒメ、なんかチャンピオンに合わせて踊ってない?」


「ひん!」



 元関西人であるワイは、ザ・チャンピオンを生で聴くと勝手に身体が動き出してリズムを取ってしまうんや!

 これはきっと、魂に刻まれた業または宿痾なのかもしれんね。



「ひ~ん」



 先輩方、いつも誘導ご苦労さまでーす。



「ぶるるるぅ(おまえ踊らないでさっさとあっち行けよなぁ)」


「ひひん(馬場が悪いから気を付けて走るんだぞ)」


「ヒメ踊ってないで、ちゃっちゃと4コーナーの方に行くわよ」


「ひひ~ん」



 ういーす。


 しゃーないから、軽く返し馬をしながら4コーナーに向かうとしますか。




【宝塚記念】3回阪神 8日 その5【グランプリ】



671 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

ミスプリ踊ってないか?


672 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

チャンピオンのメロディに合わせてリズムを取っているように見えるw


673 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

ミスプリっていちいち芸が細かいお馬さんやねwww


674 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

まあミスプリが踊りだしたくなる気持ちはわかるけどなw


675 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

踊りながらダクしている馬って初めて見たわw


676 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

ピッアッフェからパサージュってミスプリ乗馬上手いなwww


677 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

ザ・チャンピオンはノリの良い名曲やからね


678 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

>>673

オーナーがオーナーだし馬もアレげなんだろうなあ・・・


679 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

これは馬事公苑のスタッフがミスプリに目を付けてしまったな


680 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

>>676

ピアッフェとパッサージュが正解やで


681 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

馬事公苑って乗馬のエリートですやんw


682 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

ミスプリは引退後も乗馬で安心ということやね


683 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

ミスプリは牝馬なんだから引退後は普通に繁殖だっつーの


684 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

仮にミスプリが牡馬だったとしてもGⅠを3勝もしていれば種牡馬になれるだろ


685 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

牡馬だったらオークスには出走できないけどな


686 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

UAEダービーの勲章だけでは種牡馬としては厳しそうだな


687 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

日本だと芝の実績がないと種牡馬として人気でないからなぁ


688 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

アメリカのダートGⅠ馬を除いてが抜けているぞ


689 名前:名無しさん@競馬実況板[sage]

なんで現役の競走馬が簡単にピアッフェできるんだよ…





「それにしても、ヒメっていつ乗馬用の歩き方を覚えたのかしら? 謎だわ……」


「ぶるぅ?」



 それはワイにも謎ですわ。もしかしたら、元からこの身体に具わっていたチートな能力の一つなんじゃね?

 ワイって女神さま謹製の馬体のはずだからな。




 ぱーんぱかぱーん♪ ちゃらちゃーちゃちゃらー♪



 一年に一度しか聴くことができない、宝塚記念オリジナルのファンファーレは感慨深いモノがあるよね。



「さて、私の可愛い可愛いおヒメさま」


「ひん?」



 私の可愛いおヒメさまってなんやねん。ぞぞ毛がしたやんけ。

 ミユキはなんぞ変なモノでも食べたんと違うか?



「今日は馬場も悪いから、脚元に気を付けて気楽に一周回ってこよっか?」


「ひん!」



 人気もないことだし、ミユキもプレッシャーを感じてなさそうなのは幸いやね。

 ほな、大人しくゲートに入ることにしますか。




『……最後に14番のハリマワルキューレがゲートに収まります。係員が離れまして……

 あなたの夢そして私の夢が走る宝塚記念。いまスタートを切りました!

 ポンっと飛び出したのは6番のミストラルプリンセス、好スタートです!』



 ありゃ?


ダク、ピアッフェ、パッサージュ 馬の歩様の名称。詳しくはググるんだw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 重馬場で前に出とけってのはセオリーよね。 にしても器用な馬だなw
[一言] 馬場も悪いらしいしここは先頭に出た勢いでいいとこ選んで走らせてもらうのもあり?
[良い点] スタート苦手な追い込み馬が、ぽーん!と絶好のスタートで飛び出した図はウケる
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ