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ネット友情賛美論  作者: 城をまもりし溝
1/1

大切なものの審議

がんばるぞぉい。書くの大変だけど楽しいね

突然ですが、私は人に自分の「キモチ」を伝えるのが苦手です。昔からでした。言いたいことをすぐ隠してしまいます。

「叶美ちゃんは、〇〇でいいよね?」

などと、聞かれれば、そう思っていなくても

「それでいいよ。」

と、返してしまいます。きっと、誰だってそんなことあると思います。しかし、今はSNSの時代です。知らない人でも気軽に話せる時代です。私にとってはある意味都合のいい展開かも知れません。ネット上で簡単に「友情」を芽生えさせることだってできるのです。だから、今の時代良くないですか?でも、判明で「ホンモノ」を忘れてしまうようです。これからのお話はそんな友情に関するお話です。


1.オレンジ街

私は「羽山 琴音」、高校二年生。今の学校生活はそこそこ。もしかしたら、普通よりしたかもしれない。だけど、いいと思っている。理由は簡単だ。気の合う人と会話ができるからだ。もちろん、同じ学校だったらいいかも知れない。けれど違う。私の気の合う「友達」はどこか知らない所にいる。出会ったきっかけは簡単だった。

私はガンゲームが好きだ。狙った獲物を仕留めるときが好きだ。だから、よくガンゲームをやっている。ある日見つけたガンゲームが面白そうで、インストールして遊んでみた。その時のオンライン対戦ゲームでボイスチャットという、味方同士で会話するということができた。私は、面白半分でやってみると案外ハマった。味方同士連携しあって敵に勝つことがとても充実していたからだ。そのゲームをずっとやってたある日、とある人と味方になった。その人はとてもプレイが上手かった。そして、チャットでの連携の取り方が上手かった。私はすぐに憧れた。そして、その人のSNSアカウントに話しかけにいった。理由はプレイングのコツを教えてもらいたかったからだ。

「こんばんわ。はことです。先日は対戦でお世話になりました。ガン兄さんがとても強くてそのコツを聞かせてもらいに来ました。こんな新参がごめんなさい。でも、どうしても憧れてしまって。ちなみに好きな武器はオートライフルです。」

「メールありがとう。ガン兄です。はことさんも充分上手かったですよ!あと、僕もオートライフルが好きなんで僕達相性がいいかもしれませんね。この間の試合の時にも思いました。」

まさか、私にメールの返信を下さるなんて思わなかったし、褒められたことも嬉しかったし、そもそも、憧れの人に相性がいいかもしれませんね、なんて言われたらもう好きになってしまいそう。その後も連絡を取り合い、ゲームでボイスチャットをしながら固定、同じメンバーで試合に行くことをした。毎回、毎回、知らない人なのにドキドキしてしまった。

ちなみに学校には仲の良かった友達が居た。小学校の頃から仲が良かった。だが、最近話をしなくなってしまった。同じクラスなのに。

原因は私にあることは分かっていた。でも、どうしても他人のせいにしたがるのが人間なのかもしれない。夢に当たってしまっていた。

「琴葉ちゃん、一緒に帰らない?新しいお店ができたっ…」

「ごめん、今日早く家に帰らないといけないから。」

「あっ、そう…ごめんね…」

みたいな会話をしていた。一日に何回か話しかけてくれたけど、全部私がガン兄さんと話したいがために酷く当たってしまった。その時の夢の顔なんて見ずに。

今日もいつも通りゲームを開く。ガン兄さんと連絡をとる。もちろん、相手の顔など見れるわけがないのでその表情さえ分からずに話す。その姿は醜かった。大切なものを捨ててまで自分の娯楽にハマる私は醜かった。

ある日、ガン兄さんからこんな連絡が来た。

「はことさん、ガン兄です。この度別のゲームをするため引退します。今度はガンゲームではないので多分関わらないと思います。今までありがとうございました。これからもゲーム、頑張ってくださいね。」

それだけだった

「わかりました。こちらこそありがとうございました。」

そう返信だけしといた。もう、ガン兄さんからは連絡は来なかった。その時やっと気がついた。自分の愚かさに。失ったものに。

その日のうちに夢に連絡をした。

「その、今までごめん。これからはまた、一緒に話してくれるかな?」

夢からはその日の夜に連絡が来た。

「そう。でも、もういいよ。無理やりじゃなくて。琴葉ちゃんの好きなゲームをしてればいいよ。こちらこそ邪魔してごめんね。」

そう帰ってきた。ガン兄さんとの時は視界が青には染まらなかった。だけど、どうしてだろう。視界が青に染まってしまう。海の底に沈んでいく。あぁ、私、泣いている。悲しいんだ。大切なものを失ったから。これからどうしよう。もう、後戻りできないのかな。

次の日学校に普通に行った。夢も普通に学校に来ていた。

「あのっ、夢っ…」

「夢ーっ!おはよっ!」

「あっ、おはよう!」

誰かわからない友達に私の声はかき消されてしまった。その時、心臓が痛くなった。痛い、痛い。苦しい。鎖で縛られたように。

「ハァ、ハァ…」

私はとりあえず落ち着かせた。鼓動を早める心臓を無視してホームルームを受ける体制になった。

その後も何度か夢と話そうとしたが、無理だった。まぁ、自分が悪いからしょうがないのかもしれない。だけど、諦めたくない。私は、自分のやったことに対して責任を負う。

まず、旧式のやり方だが、夢の下駄箱に

「放課後4:00に屋上に来てください。」

と、いう紙を入れて置いた。本当に来てくれるという保証はないが、取り敢えずやるしかなかった。

私は、影から夢を見ていた。すると、夢が下駄箱に来た。どうやら紙を手に取って見ているようだ。

「夢っち!帰ろっ!」

「待って。こんなものが入ってたよ。」

「そんなん無視すればいいでしょ?」

「でも、書いてくれた人が可哀想。だから、私行くね。先帰ってて。ごめんね。」

「わかった。今日塾あるし、先に帰るね!ばいばーいっ!」

「うん!じゃあね!…あぁ、今の時刻は3:50かぁ。ゆっくり行くか。」

誰からか分からないものに対しても夢の優しさはホンモノだった。私はいつもその優しさに甘え、助けて貰っていたんだ。そんなことを今更気づく私、愚かにも程があるよ。

そんなことの前に屋上に行かなきゃ。夢に伝えるために。

「ハァ…ハァ…ハァ」

階段ダッシュして屋上まで来た。物凄く疲れた。

カッ、カッ、カッ、

階段を登る音が聞こえる。もうすぐだ。言わなきゃ。でも、怖い。とても怖い。そして、心臓が痛い。物凄く痛い。そんな身体でも伝えなきゃ。

「この手紙書いた人居ますかー?来ましたよー。」

来た。

「あっ、その手紙書いたの私…です。」

第一歩を進んだ。隠れようと思えば出来たけど、よくぞ言った。

「…」

夢は無言だ

「今まですみませんでした。私のエゴで夢を傷つけたりして。その愚かさを知りました。それと同時にあなたの…夢の…大切さに気づきまひたっ。」

また、視界が青に染まる。屋上には夕が全てをオレンジに染めている。

「そう…それだけ…だったら、私帰るね。」

「えっ…」

正直どこかで許してもらえると思っていた私がいた。

「だって、私、琴葉ちゃんの言ってることを信じることができないの。いつも、インターネット上で話してたでしょ?インターネット上では思ってもないことをつらつらと言えるじゃん。だから、信じられないよ。今までだって散々…裏切られたんだよっ?」

そう言った夢は大号泣し始めた。あぁ、私、知らないうちに誰かを自分のエゴで傷つけて、裏切ってたんだ。もう、無理なのかな…

「あっ…あっ…」

意外な展開で言葉が詰まる。

「だからっ、もぉっ、帰ってっ、いいっ?」

止まらない涙を抑えながら夢は言った。

「いっ…いいよ…ごめん…」

ただ、それしか言えなかった。

夢がいなくなった屋上。まだ、オレンジで染まっている。そっと、フラフラしながらフェンスの近くに行った。街もみな、オレンジ色だった。そのはずが、また、視界が青に染まる。ずっとずっと深い海に沈む。私はその場に崩れた。

「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」

私はただ、ごめんなさいを念仏のように唱えた。

私はもう、明日を生きる気力がなくなった。辞めたくなった。私はそっとフェンスを越した。視界が落ち着いてきて、もう1回街を見下ろした。真っ赤な太陽が私を照らす。

明日を1歩踏み出そうとした。その時、オレンジ色の街が言ったような気がした。

「お前の帰る場所はそこじゃない。我らの街へ帰ってこい」

そんな感じがした。なぜなら、みんなが家に帰る時も街はオレンジ色に染まっていない?きっと染まっているはず。それは、街が帰ってこいと言っているのかもしれないと。

「ありがとう。」

何も言わない街に言った。

私はその後家に帰った。その時も

「おかえり。」

と、言ってくれた気がした。

「ただいま。」

そう言って家に入った。街は藍に染まっていた。

「あぁ、琴葉っ。夢ちゃんから手紙を預かったよ?琴葉ちゃんのお母さん、これっ、琴葉ちゃんに渡してくださいっ、って言ってたよ。いつも礼儀正しいねぇ。夢ちゃん。あんたも大切にしなさいよ。」

いつも反抗してしまうことも、今日は出来なかった。

そして、すぐに自室へ入った。

私は怯えながらもその手紙をみた。

「琴葉ちゃんへ

今日はあんな酷いことを言ってごめん。もう、私の事も信じられなくなっちゃったよね。今までの想いがつい。だから、また明日。今日と同じように来てくれるかな?

夢より」

私はその手紙を読んで救われた。心臓が軽くなった気がする。明日、私もちゃんと伝えなきゃ。

翌日、いつも通り学校に行って授業を受けて、放課後になった。

やはり、胸のドキドキが収まらない。そんな状態で屋上に行った。夢は先に来て待っていた。

「昨日はごめんね。許してくれなくてもいいよ。」

「ねぇ。」

「ん?」

「どうして夢が謝っているの?原因を作ったのは私なのに。私が悪かったのに。ごめんなさい…ごめんなさい…」

また、視界が青に染まる。ごめんなさいという言葉が頭の中で反響する。

「そんなの簡単だよ。友達なのに傷…つけたからだよ…」

「ううっ。その原因も私なのに。私が全部悪いのにっ。」

「自分を責めないで。琴葉ちゃんは琴葉ちゃんのらしいのが1番で、ゲームをするのも自由、ネット上で話すのも自由。それなのに私がっ…私がっ…」

夢も涙をポトポトと落とす。

「ごめんなさい!!!」

私と夢の声が被る。

「なんだ、私たち、相性がいいんじゃないのかな?」

と、涙を拭いながら夢が先に言う。

「そうだね。」

と、咄嗟に言う。私は、夢のそんな態度にどれほど救われてきただろうか?

「なら、仲直りだねっ!私たちは私たちらしく行くべきだから!」

「うんっ!!」

こうして私たちは無事仲直りができた。失ったものを取り戻せた。

「帰ろっか」

「うん!帰ろう!」

私たちは「おかえり」というオレンジ色の街に帰った。

私は今、みんなに言いたい。私の場合はネット上で話すことで友達を失いそうになった。いま、みんなはネット上の友達にしか目がいってない?本当に大切なのは身近な友達だよ?忘れないでね。


今回の話はネット上で話すことにより友達を失いそうになる話でした。皆さんも誰かを傷つけてはいませんか?

この話では仲直り出来ましたが、実際、難しいものではないでしょうか?皆さんも身近なものほど大切なものもあるので、気をつけてください。


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