7/11
ラドヴィクス皇国物語
「お師匠様、お酒買ってきましたですよー♡」
「オウ、悪いな愛弟子よ!
ついでに つまみも頼む。
アカイノシシの 丸焼きでもかまわんぞ!!」
「またまた~冗談ゆるゆる~♡
フィーは精霊だから、
食べでも不味いに決まってるじゃないですか~」
ーおまえラの会話って、昔っから 笑えねえよな…
呆れ顔の守護精霊のまえで、師匠と弟子の ちぐはぐな会話が繰り返される。
それは、
彼女が小さい時から 変わらぬ日常の風景だった。
ただ
ずっと続いていくと思っていたのに 突然終わってしまった懐かしき日々。
でも こうしてまた たわいもない会話が出来ることが 何よりもうれしく感じてしまうのは
なぜなのだろ?
お師匠様は ぎっくり腰で 動けないでいたのを、
妹を呼び戻す口実に使った 腹黒兄貴の策略に まんまとはまった
サイフェリアローズなのであった。