ラドヴィクス皇国物語
サロが お師匠様のもとに旅立ってから、
朝日を30回数えた。
そろそろ あかつきの君の我慢も 限界を迎えようとしていた。
「ね、ちょっと!
聞いてんの?
今、すっごく大事な話し中なんだけどお(--#)」
女性警護隊長が 怒った声で 話しかけても、
外ーラドヴィクスの方向をにらんだまま 微動だにしない国王代理の向こう脛に
思いっきり けりを入れた。
ドンガラガッシャンスットンベコリンコぽろん。
(ドンガラガッシャン・・・椅子から転げ落ち
スットン・・・床で尻を打ち
ペコリンコ・・・ライラが心で謝った
ぽろん・・・痛さで思わずこぼれた涙)
「おまっ!!
思いきり けりやがったな!
ちったあ 加減をしやがれ、ったく。
俺を警護するのが仕事だろうに、
攻撃するなんて言語道断なんだよ」
「わたしが護るべきは、アーニィの関係者のみ。
ご友人のサロ殿ならまだしも、
あんたは管轄外だ」
イーーーーーっと にらみ合う二人の後ろから
間延びした 声が 割り込んできた。
ーちょっとちょっとお~
なに 見つめ合いしてんのお?
も、し、か、し、て、
ウキワ!!
「「ドゴン」」
りょうほほに ぐうが のめり込んだ。