ラドヴィクス皇国物語
「ええっ!!お師匠様が 床について 危ない状態!!」
ラドヴィクスからきた使いの者は、深刻な表情でつげると
すぐ 顔を 伏せてしまった。
どうして!!あんなに無敵だった お師匠様が・・・・
自分の生きた年の 半分も生きてない年下の恋人と
ラブラブ修行の旅に 出かけたのに、
まさか、ふられて やけになって、・・・
「サロ、落ち着け。
立ったまま 妄想の世界に 旅たつんじゃない」
半開きの目で 遠くを見つめ 固まってしまったおもいびとを、
気味悪がることなく あかつきの君は たんたんと 言い放つ。
「このような時に限って あの方は いないんだからな・・・
なにが守護者だ、ったく」
サロの守護精霊フィラリエラは 同窓男子会とかで 精霊界に 里帰り中なのである。
「帰る!」
「どこに?」
「あの山に」
「あの山?」
「お師匠様のいる山」
「俺も行く」
「ダメ!!」
「なぜだ?」
「おのこ立ち入り禁止区域だから」
いみのわからない会話が続き 分かったことは
サロの育ての親は、腕の立つ熟女戦士であったこと。
そして なぜか 女子しか入れない山奥に 住んでいるらしかった。
「じゃあ、どうすればいい?」
「女装」
「・・・・・・・.」
結局 置いてきぼりになったグランヴィスカは とてもとても 後悔することになる。