3/11
ラドヴィクス皇国物語
それが サロの義理の兄 アースファイド=ラドヴィクスとの 出会いだった。
道端に 置き去りに去れていた(置き忘れられていた)愛娘を 連れ帰り、
“サイフェリアローズ”と名付け 妹として 大切に育ててくれた恩人。
しかし、
世間から隔離し、山奥に隠居していた 剣の指南役のもとで 育てられた結果
少し残念な 性格に 成長してしまった。
アースファイド本人としては、
かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいチョーかわいい妹に
虫を つけたくなかっただけなのだが。
守護精霊として 側にいながら さりげに言いよる男たちを 排除してきたが、
“あかつきの君”だけは いまだ 排除しきれていない。
兄ちゃんにだまって 連れ出してきた上に、出戻りさせられたことを
ものすごーくものすごーく 怒っていたから
このまま無事に 終わるはずないとは 思っていた。
そして その予感は 的中する。
思ってもみない 形で。