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ラドヴィクス皇国物語
ボチャーン、ばしゃばしゃばしゃ、ゴホゴホ。
「これのどこが 楽々移動なんだ!
ずぶ濡れな上に、足もつきゃしなかったぞ!!」
ーまあん、水もしたたる イーオノコ♡
ほれなおしちゃうわん♡
ドヒューン、ボッチャーン。
「戻ってくるな!守護を解除しやがれ、この◎☆♬♤♡◐○◎♤◯♡♧♬♩△▲★」
聞いたら 吹っ飛びそうな 罵詈雑言をまきちらしながら、ラドヴィクスは 山道をずんずん 登り続けた。
守護精霊の 言葉をまにうけ 従った 己のアホっぷりにも 腹が立ち、登る足取りは だんだん加速してゆく。
だがそれも、やがて 止まる。
そう、目の前に 小屋がー
「待っていたよ、あかつきの君くん。
いや、
くそぼーず!
よくも 可愛い可愛いかわうぃーーーーー私のサーファを
返品してくれたね」
「・・・・・アースファイド殿」
兄ちゃんが 戸口の前に 仁王立ちで にやーと 微笑んでいた。
ただし
その目は 決して 笑ってはいなかった。




