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地球滅亡の危機!彗星激突の恐怖

 さてある晩のこと江戸城で天文方役人・内田幸之助と一緒に夜空を観察していた吉宗は、覗き込んだ望遠鏡に赤く怪しい炎をまとった巨大な星のようなものが写ったのを見た。

吉宗はその動きが気になり、一時も目を離さず観察を続けるよう幸之助に命じた。


「もしや彗星が江戸へ直撃するかもしれん」


「はは、では観察を続けることに致します」


 しかし、江戸の幕臣たちはそれを考えすぎと笑う。

爺こと山田朝右衛門も勿論信じなかった。


「ほうき星が江戸へ落ちてくるですと?

 まさかそんなことが起こることはありますまい」


 しかし吉宗は真剣であった。


「しかし、そのまさかが起こらんとも限らん。

 最悪この星がなくなるかもしれんぞ」


 それを笑い飛ばす爺。


「またまた、上様はおかしなことを考えられますな」


 しかし吉宗は真剣であった。


「それに大きな被害が出なくても

 この機に乗じて悪事を働く奴らが出てくるかもしれぬ」


 あまりにもおかしなことを言う吉宗に熱でもあるのかと額に手を当ててみる爺。


「それこそ杞憂というものですぞ上様。

 そんなことより溜まった政務を早くかたづけてくだされ」


 吉宗の前には山となった書類が有った、しかし、書類を脇に追いやり真剣な表情で言う吉宗。


「ふむ、高名な天文学者である西川如見にしかわじょけん

 を長崎より呼び寄せるとしよう」


 こうして吉宗は長崎に超速飛脚を使いを出すことにした。


「へえ、任せてくだせえ」


 超速飛脚は東海道筋などを日夜走り続け、関門海峡を泳ぎきり5日で長崎についた。

そして超速駕籠屋の手で長崎から西川如見は江戸にはせ参じるも、道中を暴漢に襲われる。


「ふふふ、お前さんを江戸にいかせるわけには行かないな」


 しかし、たまたま通りがかった浪人の徳田新之助がそれを遮る。


「お前たち、一体何をやっている!」


 暴漢は徳田新之助を叩きのめそうとしたが返り討ちにあい九割殺しとなってしまった。


「も、もういっそ殺してください」


 冷たく言い放つ徳田新之助。


「だめだ」


 徳田新之助に助けられた西川如見は無事に江戸に着くことになった。

しかし長崎から呼び寄せたにも関わらず、上様にはお前のような身分の低い者とは会えないと門前払いされる。


「これは困りましたな」


 家臣に言われ追い返される西川如見は、徳田新之助の紹介でめ組の屋敷の屋上にて六分儀と望遠鏡でほうき星の正確な落下地点を割り出した。


「落ちる場所は日野宿の外れ大和田村。

 時限は今夜丑の下刻(午前3時ごろ)、

 被害は八里四方(約30キロメートルに)わたって森林が炎上し、

 二百五十里(約1,000キロメートル)離れた家も倒壊し

 爆発によりキノコ雲ができ塵が吹き上がって

 空を覆い辺り一面は暗くなりそれにより世界は凍てついて

 稲が育たなくなりましょう」


 その言葉にうむと頷く吉宗。


「うむ、それは誠に一大事」


 さらには、ほうき星はどんどん大きくなり、彗星が近づいてることが町民にもばれ、江戸は大混乱に陥った。

大八車に家財を乗せて逃げ出そうとする町民。


 そんな中で吉宗は落ち着いていた。


「来い、エドショーグン!」


 吉宗がそう叫ぶと江戸城の本丸、二の丸、三の丸が火を吹いて空中に飛び上がり、合体して巨大な人形からくりになった。

そして、江戸中に避難警報が発令され江戸の町民は地下へ逃げる。

ばっと跳躍して吉宗はエドショーグンへ乗り込む


「変形ウミエドジョー!」


 エドショーグンは本丸・二の丸・三の丸の合体する順番によって、格闘戦主体のリクエドジョー、剣戟戦闘主体のソラエドジョー、砲撃戦主体のウミエドジョーに変形が可能であった。

三の丸が一番上のウミエドジョーに変形すると吉宗は叫ぶ。


「ゆけい、江戸城味噌エドジョウミサイル!」


 海江戸城の背中からミサイルが発射されほうき星にぶつかったが勢いは止まらない。


「やはり効かぬか、ならば変形ソラエドジョー!」


 二の丸が一番上のウミエドジョーに変形すると背中の大花火ロケットエンジンが噴煙を上げて空に飛び立つ、ソラエドジョーは腰の剣の抜き放った。


「この斬岩剣に切れぬものはこんにゃく以外はない。

 行くぞ残・岩・ザーン!」


 ほうき星を真っ二つにして半分にしたがまだほうき星はくだけなかった。

真っ二つになったほうき星の半分を蹴り飛ばすとキランと夜空に輝く星になった。


「止めだ!、変形リクエドジョー!」


 本丸が一番上のリクエドジョーに変形すると、吉宗は叫んだ。


「御庭番衆よ怒離流腕ドリールアームを射出せよ」


「はっ」


 御庭番より発射されたドリルのついた腕に腕を付け替えるエドショーグン。

そしてエドショーグンはドリルをほうき星に突き立てた。


「余の怒離流はすべてを穿つ怒離流よ、うおぉぉぉぉ!」


 ドリル腕がほうき星ををゴリゴリと削って行き、やがてほうき星は粉々になって摩擦熱で燃え尽きた。

一方、その頃悪徳集団・世直し天狗党がこのすきに江戸城を乗っ取ろうとしたが、そこには何もなかった。


そして、戻ってきたリクエドジョーに踏み潰され世直し天狗党は壊滅した。

めでたしめでたし。

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