八代目将軍吉宗の何気ない日常
将軍吉宗の朝は早い。
薄っすらと明るくなる七つ半(5:00)頃には目を覚ます。
「うむ、よく寝た」
そして軽くラジオ体操とストレッチをした後、日課のドラゴンフラッグを行う。
「ふんっ、ふんっ」
ドラゴンフラッグは腹筋や芯となる筋肉を鍛えるには非常に重要である。
背筋などを鍛えるための懸垂や壁に倒立した状態での腕立て伏せなども行う。
基本的には自重トレーニングのみだ。
その後江戸城の中を軽く走り込む。
「ふっ、ふっ、ふっ」
江戸城を一周したら軽く休憩だ。
「ふむ、いい汗をかいたな、では汗を洗い流すとするか」
六つ半(7:00)になれば井戸の水で汗を流し洗ったり、歯を磨いて口をすすいだりする。
「うむ、冷たい水が気持ち良いのう」
朝五つ(8:00)になればまずは膳で運んで来られる朝食を取る。
作られたものは御膳奉行が毒見をし、御相伴役の小姓が、また毒見をした後で、はじめて将軍が食べる。
「うむ、そこまでせんでも大丈夫な気はするのだがな」
今朝も鱚の天麩羅に玄米、納豆の味噌汁、おぼろ豆腐と青菜の漬物。
無駄に贅を尽くさずしかし、豆はきちんと食べるのが将軍としての勤めだ。
その後、身だしなみを整えるために月代と髭を剃り、髷を整える。
勿論やるのは女中たちである。
「さあ、上様しばらく動かないでくださいませ」
「うむ、わかっている」
この時吉宗は空気椅子を行うことで下半身を鍛えている。
無論ピクリとも動くことはない。
「はい、終わりました」
「うむ、ご苦労」
五つ半(9:00)になれば先祖代々の位牌に拝礼を行う。
「ご先祖の皆様方今日も江戸は平和でございますぞ」
朝四つ(10:00)になれば政務開始だ。
「おはよう老中」
そう言って諸肌脱いでポージングをする。
無論老中も同じくポージングを返す。
「さすが上様でございます。
真に見事な筋肉」
「うむ、老中もなかなかの筋肉だ」
そのような感じで老中と面談をしたり大名の謁見を行ったりする。
四つ半(11:00)になれば昼食を取り九つ半(13:00)には政務が終了となる。
そこから七つ半(17:00)までは肉体鍛錬や学問の時間である。
「うむ、では今日は背筋を鍛えるとしよう」
庭に設置したバーベルでデッドリフトを行う。
「うむ、背中にガツンと効いたな」
後は御庭番衆との素手での軽い百人組手だ。
「ではゆくぞ」
「はい、いつでもどうぞ」
「ほわちゃあ!」
次々に御庭番衆を打ち倒していく吉宗。
「うむ、今日も良い鍛錬になったわい」
庭には倒された御庭番衆が倒れ伏している。
無論皆に大怪我などはない。
七つ半(17:00)には軽く夕食を取り、暮れ六つ(18:00)にはゆったりと入浴を行う。
熱い風呂と水風呂での反復浴を行ってしっかり疲れを取るのがポイントだ。
夜五つ(20:00)になれば軽く読書を行ったり当番の小姓と話をしたり、軽く柔軟をおこなう。
そして四つ半(23:00)には寝る。
「うむ、今日も平和な一日であった」
今日もこうして定軍の何事もない一日が過ぎていくのであった。