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地獄より舞い戻った男・オメガシドッチの逆襲

 「ふむ、暇だしちょっとめ組に行ってくるわ」


 唐突にそう言い出して江戸城から出ようとする吉宗。

しかし、爺こと加納五郎左衛門忠久がそれを諌める。


「なりませぬぞ上様。

 だいたい上様ともあろう方が軽々しく……」


 と説教をしている間に出ていく吉宗。


「あれ?上様?上様ー?!」


 むろん暇だしというのは方便であり、本当は南町奉行・大岡忠相により報告された、吉宗が将軍就任時に追放した新井白石の屋敷に何やら人が集まっているらしいという報告を受けていた吉宗は事実関係を確認しようとしていた。

そういうのは将軍がやることじゃないといってはいけない。


 そしてその頃御庭番は新井白石の屋敷に出入りする怪しい男を突き止めていた。


 ・・・


「くくく、吉宗め、私を追放したことを公開させてやるぞ」


 そう言って笑う新井白石。


「ハイ、アナタハバクフノシドウシャトシテタダシイコトヲシマシタ。

 ワルイノハトクガワショウグンタチデース」


 それは青い瞳で金髪の髪を月代に剃り、和服に帯刀といういささか妙な姿をした外国人であった。


「ふふ、そのほうの力があれば吉宗など赤子同然じゃな」


 盃から酒を飲みそううそぶく新井白石。

そこへ障子を突き破って正義と書かれた鉄扇が新井白石の手元に落ちる。


「新井白石、その方の行動、許すわけにはいかぬな」


 ぬっと現れる男。

男の正体に気が付かぬ新井白石。


「何者じゃ貴様!」


「アナタナニモンデース!」


 バサリともろ肌を脱ぐ新之助こと吉宗。


「愚か者!その方余の筋肉を見忘れたか!!」


 そういってぐぐと筋肉を膨張させる吉宗。

驚く新井白石。


「貴様は吉宗!なぜここに!」


 一方外人は笑っていた、


「HAHAHA、アナタノコトハ

 ミタコトモキイタコトモアリマセーン」


 その答えに驚く吉宗。


「むむ、その方何奴!」


 外人は答える。 


「ワタシハジョヴァンニ・バッティスタ・シドッティ。

 キカイノカラダヲテニイレタヨミガエッタ

 オメガシドッチデース。

 キリシタンハウスニトジコメラレテイタトコロヲ

 スクワレタノデース。」


 それに驚く吉宗。


「なんと、あのバテレンがまだ生きて江戸にいたとは

 ともかく新井白石、その方は天に代わって成敗する」


 そしてほくそ笑む新井白石。


「くく、戯言をほざくか吉宗、八代将軍も今宵限り。

 飛んで火に入る夏の虫とはこの事よのぉ。

 者共出会え、出会えおろう」


 ざざっと侍が、吉宗を取り囲む。


「こ奴、上様の名を騙る不届き者。

 斬れ! 斬り捨てい!」


 そう指図された侍が一斉に太刀を抜いて吉宗に向って構える。


「どこまでも腐り切った奴め」


 吉宗はぬっと長さ七尺ほどの鉄棒を取り出した。

 デーデーデデデデデデデデデーンデーンデーンという効果音とともに侍たちが斬りかかる。


「ぬぅん」


「ぐわぁ」


 吉宗のがふるった鉄棒が侍を壁まで吹き飛ばしめり込めせた。


「ぬうりゃ!」


「ぐげぇ」


 吉宗のふるった鉄棒が侍を地面にめり込ませる。

そして鉄の棒はオメガシドッチに振り下ろされる。


「おおおお!」


「カミノカゴノアルワタシニハソノヨウナ

 コウゲキハキキマセーン」


 吉宗が振るった鉄の棒の直撃を受けても

オメガシドッチはびくともしなかった。


「ならば、御庭番衆、豪腕砲を投げよ!」


「はっ!」


 御庭番より吉宗に投げられる豪腕砲アームストロングキャノン

吉宗はそれを片手で受け取ると右腕に装着した。


「装着完了!照準合わせ!発射!」


 どおんと打ち出される金属の弾でさしものオメガシドッチも爆発する。


「ヌワー」


 そして巨大化するオメガシドッチ。


「キシャー」


 しかし吉宗は慌てない。


「ふむ、こんな事もあろうかと神君大権現の

 残されたものが今役に立つ時が来た!。

 来い、エドショーグン!」


 吉宗がそう叫ぶと江戸城の本丸、二の丸、三の丸が火を吹いて空中に飛び上がり、合体して巨大な人形からくりになった。

そして、江戸中に避難警報が発令され江戸の町民は地下へ逃げる。


「これこそが日の本を滅ぼさんとする

 バテレンの使徒をたおすための最終兵器。

 江戸魔神えどましんエドショーグンよ!

 とう!」


 吉宗は跳躍してエドショーグンに乗り込んだ。


「キシャー」


「ぬうん」


 巨大化オメガシドッチとエドショーグンがお互いに殴り合い蹴り合い投げあう。

ちなみに新井白石はいつの間にか巨大化したオメガシドッチに踏み潰されていた。


 ピコンピコンと胸のランプが点灯する。

エドショーグンの中で自転車を漕いで電力を供給している人間の体力の限界が近づいていた。


「行くぞ、究極江戸城キーック」


 究極江戸城キックとは真上に飛びあがったあと空を蹴って相手に全体重を載せた飛び蹴りを放つエドショーグンの必殺技である。

エドショーグンの究極江戸城キックが巨大化オメガシドッチに突き刺さり、巨大化オメガシドッチは爆発炎上した。


「グアー」


 エドショーグンの中で自転車を漕いで電力を供給している人間が最後の力を振り絞って元の場所に戻し、吉宗は跳躍して江戸ショーグンから飛び降りた。


「これにて一見略着」


 江戸の街の家は多くが踏み潰されていたが、火事で家がなくなることが日常茶飯事の江戸っ子には大した問題でもなかった。


 そこへ響き渡る爺の叫び。


「上様、仕事が溜まっておりますぞ!」


 続かない。

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