凛誘拐事件完結
空いちゃいました、4ヶ月。
(居ないと思いますが)待っててくれた人、申し訳ございません。
──ついさっきの、凛と僕と健二の会話──
「りぺあ!!なんで4ヶ月も空けてんの!?狐火食らわすよ!?」
「ごめんなさい許して下さい」
「読者に言え!!」
「いや、誰もこの作品待ってない気が」
「「なるほどー……ってなるかボケ!!」
──……本編──
浅田は、どこかの叔父によって、しっかり確保されていた。
「ザマwww」
「凛っ!!」
家に帰ると、途端に母さんが凛に飛びついた。
「ちょ、お母さん、重い!」
「見事に地雷踏んづけたなお前」
43歳主婦に向かって「重い」と堂々と言えるのは、このバカくらいのものだろう。
だが母さんは気づいていないのか、どうでもいいのか、
「帰って来てくれてよかった!!あら?ちょっと汚れてるじゃ無い。お風呂沸かしてくるけど?」
「あ、お願い」
凛のその言葉を受け、母さんは風呂を沸かすべく、奥へと入っていった。
「にしても、なんで捕まったりしたんだ?」
風呂から上がり、ドライヤーで髪を乾かしている凛に尋ねる。というか、ケモ耳に熱風が当たりまくってる気がするが、大丈夫だろうか。耳をしまって髪乾かせよ、とアドバイスしてやりたい。
「んーとね、スーパーから帰ってる途中、か細い猫の声が聞こえたんだよ、でも探しても何もいなくて、路地裏に入り込んでって──」
「まとめてくれ、分かりづらい」
「まぁ要は、猫を探してたら捕まってたー、って感じだよ」
「捕まるにしてももう少しマシな捕まり方をしろ」
にしても、だ。
「犯人はなんでお前狙ったんだろーな、犯人は」
「うーん、私殴られて気絶しちゃったんだけど、家に入る時起きて、少し中、見えた気がするなぁ」
「へ?」
中?特に何も無かった気が……。うーん。やっぱり特に何も……。
「何があったんだ?」
「なんか、アニメのグッズ。なんて言えばいいかな、ケモっ娘?そんな感じのやつがあったなー」
凛はドライヤーを置くと、タオルを手に取り、髪を拭きはじめる。
「うーん、じゃあ狐のお前が捕まるのは仕方ない気がすんだけど、だとしたらなんでお前が狐って知ってたんだ……?」
考えれば考えるほど、分からなくなる。
「いやー、でも無事に帰ってこれたし、いいんじゃ無い?」
当の本人は、お気楽だ。お前な、と言い返そうとしたが、やめた。
本人がいいなら、いいか。
「やっぱご飯うまーい!」
夕飯を食べ始めた凛が叫ぶ。
「さすがに気楽すぎねぇか?」
「何か言った?」
俺の呟きに、凛は目ざとく反応する。
「い、いや、何も」
「ふーん」
凛はニヤニヤしながら白米にパクつく。
「な、なんだよ」
「ふふーん、お兄ちゃん、私が誘拐されたって知ったとき、相当焦ったんだって?」
「だから、なんだよ」
「べっつにー」
「だぁああああ!!なんなんだよぉーー!!」
夜の佐藤家に、俺の絶叫と、家族の笑い声が響いた。
最近異世界紀行を書きまくっているせいで、凛って打とうとして、一瞬、輝と打ってしまったのは内緒です。