凛、見ぃーつけた
ピーンポーン……。
……。
ピーンポーン……。
……。
ピンポンピンポンピーンポーン……。
俺は浅田って奴の家のチャイムを連打する。
「何ですかうるさいっ!!」
ようやく出てきた。
俺はニヤつきながら『それ』を浅田に突きつける。
「……」
さすがの浅田……いや、俺の推察では『犯人』だが。
犯人も押し黙る。
俺が突きつけた『それ』とは。
「令状取りました。それでは、家宅捜査させていただきます」
俺の代わりに叔父が言う。
「……わかりました……」
俺は家に上り込む。
「な、なんで君まで入るんだ!?」
「入って不都合でもあんのか……?」
俺には昔から人に圧をかける力だけはある。
その力で浅田を黙らせる。
「……」
叔父と俺は無言で捜索する。
「……そういう事ね……」
そう呟き、俺は顔をニヤつかせる。
「な、なんだ!?」
「分かったのか!?」
浅田と叔父が同時に反応する。
「こういう事だ……よぉっ!!」
俺は叫びながら本棚を倒す。
するとそこには。
扉があった。
「なんで隠すのかな……。犯人さん」
「……」
浅田は黙っている。
だが、そのうち笑い出した。
「ククク……アッハハ!そうだよ、俺がやった!だがな!お前は妹を助ける事は出来ねぇぞ!」
「自白ありがとうございます」
完全に的はずれなコメントを返す。
「おい、健二……。そこは『なんでだ!』とか言ってやれよ……」
叔父にまで言われる。
「えー。こいつ自白したじゃん。お礼言わなきゃ」
「うっせー!俺をバカにすんのも大概にしろ!」
そう叫び、浅田は突進してきた。
浅田は小太りだ。
そんなのに突っ込まれたら潰される自信がある。
そのため、本棚の奥の部屋に逃げ込んだ。
「……やっぱり」
そこには、
口に猿轡をされ、手足を縛られた凛がいた。
俺は猿轡を外してやる。
「はぁ……はぁ……や、やっぱりってどういう事?」
「ここ本棚で隠れてたからお前がいるんじゃねーかと思って」
「なんで分かったの?」
「ん」
俺はスマホを見せる。
「GPSか……。初めて役にたったね」
「……もういい。帰るぞ」
「うん!」
なぜか凛は、笑顔で涙を流していた。