どこだよ、ここ。
「あいつ遅ぇな。何やってんだ?」
帰ってから20分程経過している。
寄り道して居たとしても遅過ぎる。
「GPSで見たらいいじゃない」
そうだった。
この母親のおかげでスマホで家族全員の位置が確認できるんだった。
「!? なんだあいつ!どこ歩いんてんだよ!」
「どれどれ?」
呑気な母親にスマホの画面を突きつける。
「!? ほんとだ!ここどこ!?」
「ったく……。ちょっち行ってくらぁ!」
そう叫ぶと俺は家を飛び出していた。
「どこだよ、ここ」
一応、どこなのかは分かる。
なんでこんなとこに凛がいるんだ、と言う意味だ。
俺の目の前には、小さなボロい一軒家が建っている。
表札には『浅田』と書いてある。
「うん、誰だ?」
一応、反応を返す。
「ったく……とりあえず家に戻ろう。突入の権利ないしな」
そう言うと、俺は踵を返……すつもりだった。
「よう、健二!何やってんだ、こんなとこで!」
振り返ると、そこには体格の良い警官が立って居た。
「あぁ、叔父さんか。叔父さんこそ何やってんだよ、こんなとこで」
「質問に答えねぇんだな」
率直に返される。
「……まぁいいや。俺はパトロールだよ。一応警官だし」
「警官に見えねぇ警官だけどな」
「失礼だなお前」
それが俺の持ち味だ!
「お前は何やってんだよ」
「ん?んあぁ……」
俺はここまでの経緯を話した。
「嘘だろ!?ここに凛が誘拐されてんのか!?」
「声がでけーよ!可能性の話だ!」
……俺もだ。
「とりあえず……ほらよ、GPSの画像」
「マジかよ……」
「マジだよ」
……うちの作者このマジだよ返しよく使うなぁ……。
「よし、じゃあこれで一回声かけよう!それでシラ切られたら令状取ってくる」
あ、そういえばこいつ警官だった。
ぴーんぽーん……。
なぜ平仮名表記なのかは聞かないでください。
変換がめんどくさかったなんて言えないので。
「なんですか?……おや?警官さん?」
中から、いかにもヲタクでーす、といった感じの小太りの男が出てきた。
「あぁ。令状は出て居ませんが、うちの姪がここにいる可能性がありまして……。すこし、捜索させて貰って宜しいでしょうか?」
「え!?嫌ですよ!いきなりなんですか!?掃除もしてないし……。そんな子知りませんよ!」
掃除してねぇってお前女子か。
危うく声に出すところだった。
「そ、そうですか……。では、なぜGPSにここにいると出ているのですか?」
俺は少し戸惑いながらも質問する。
「知りませんよ!て言うかなんで子供が質問して来るんですか!?」
まぁ、そりゃそーだろうなぁ。
そういう反応するだろーなぁ。
「そ、そうですね……。では、これで失礼します」
よし。令状取ってこよう。
俺と叔父は同時に決意した。