妖狐の妹と人間の兄
どうも、佐藤健二です。
普通の高校2年生です。
……俺の妹が妖狐でさえなければ。
「うあーあ。最悪。やっぱテスト嫌だわー。」
今日、テストが返ってきた。
まぁ、当然というか予想通りというか。
実技教科どころか5教科でさえノー勉の俺は5教科合計250点の中で50点未満という荒業をやってのけた訳である。
……留年かな。
……家に帰るなり。
「お兄ちゃんお帰りー!!テストどうだった!?」
思い出させるな。そしてうるさい。
俺は顔をしかめる。
「ああー。その反応は!やっぱ悪かったんでしょ!どうなの!?」
妖狐であって純粋な人間じゃないせいなのか?どうもこいつは頭の成長が遅すぎる気がする。
「うっせーな凛。お前も似たようなもんだろ?」
「えへへん!私は違うよ!みてこれ!私もテスト返ってきたけど!数学49点だよ!5+2を8って書いちゃっただけだよ!」
偉そうに解答用紙を見せてくる。
なんで5+2を間違えながら49点も取れる。
その他はことごとく5点未満だったようだが。
「中1で5+2を間違えてどーする。ていうかなんで数学だけそんないいんだよ。」
「え?今回はぁー!数学『だけは』頑張ったんだ!頑張れば取れるって分かったから、次回から全部頑張るのだ!」
……じゃあ俺も頑張ればできるのかな。
いや、無理だ。勉強など、俺の大敵。そう、マリオから見たクッパのような物なんだ!
自己完結していると。
「ふっふふーん♪今回合計お兄ちゃんに勝った自信あるよ!どう?」
……言うまでも無い。
「ん?俺の負けだよ?俺合計32点だからな。そっち数学だけで49点だろ?」
「うん!やったー!高2に勝ったー!合計54点なのに勝ったー!」
ムカつく。
俺はクッパに立ち向かう事を決めた。