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【エッセイ】ロジック・モンスター vs カトリック教会

【エッセイ】 ロジック・モンスター vs カトリック教会

~ 6歳児の神学論争と、水色のトイレ ~


世間では「物心つく」というと、自分や周りが分かり始めることだそうです。

ですが、0歳の記憶がある私にとって、その定義は当てはまりません。


私にとっての「物心」とは、「脳内に『論理的思考ロジック』というOSが完全インストールされ、稼働を開始した瞬間」のことです。


あれは、私が6歳の頃。

初聖体(パンを食べる儀式)の準備のため、カトリック教会のミサに参加した時のことでした。


第1フェーズ:ミサでの「違和感(エラー検知)」


神父様が祭壇で説教をしています。

私はその内容を理解した瞬間、脳内で最初のエラーログを吐き出しました。


『警告:論理的整合性の欠如を検知』


1. 地理的不均衡:

「神は愛であり、全人類を救う」と言いながら、舞台はイスラエル周辺のみ。

→ 結論:不公平である。 日本などの極東地域への伝達ラグ(遅延)が考慮されていない。愛の定義(平等性)と矛盾する。


2. 視覚的恐怖:

目の前にある磔刑像。血を流し、苦悶する男の像。

→ 結論:恐怖である。 「神=善」なら、なぜ「拷問死体」をシンボルにする? 目的は威嚇か?


疑問は尽きません。

でも、大丈夫。ここには「教会学校」がある!

あそこにいる神父様なら、このバグ(疑問)の修正パッチ(正解)を持っているはずだ!


わくわく!(アーニャFace!)

私は期待に胸を膨らませ、教会学校へと向かいました。


第2フェーズ:教会学校での「会戦」


私はキラキラした目で、神父様に質問(攻撃)を開始しました。


ロジック・モンスターの攻撃!

「神様は平等なのに、なんで昔のイスラエル人ばっかり優遇したの? ずるくない?日本人はかわいそう!」


神父様の攻撃(防御)!

「神は平等に愛しておられますよ(ニッコリ)。時が満ちて、伝えられたのです」


【脳内検証】

……回答になっていない。「時が満ちる」までの損失は誰が補填するの?


→ エラー! ビー!


気を取り直して、次!

ロジック・モンスターの攻撃!


「なんでイエス様の痛そうな像を飾るの? 壁にも大きな絵があるし! 怖いです。愛なら、痛いのはダメでしょ?」


神父様の攻撃(防御)!

「それは、イエス様が私たちのために血を流された尊さを、常に思い出して忘れないためですよ」


【脳内検証】

……忘れないため?

私は一度見た景色は忘れない。0歳の記憶もある。

えっ、みんなは毎日このグロテスクな像を見ないと、恩義を忘れちゃうくらいメモリ性能が悪いの?

それに、「愛」なのに「痛み」を推奨するロジックが不明。


→ エラー! ビー! ビー!


私「……(お腹痛い)」


論理矛盾のストレスが、ダイレクトに腸へ来ました。

私は「トイレ」へ緊急避難。


冷たくて、少し水色がかった個室。そこだけが、私のオーバーヒートした脳を冷やしてくれるシェルターでした。


第3フェーズ:書物による「追撃」と「敗走」


家に帰っても、私の戦いは終わりません。

「こども向け聖書」を読み込み、疑問点をリストアップ。次回の教会学校で、さらに詳細な質問をぶつけました。


【ロジック・モンスターの疑問リスト】

「ヘビがそそのかした目的は? ヘビへのメリット提示がない」

「食べるなと言うなら、なぜ手の届く場所に置く? 安全管理の不備では?」

「神=愛なのに、一回の嘘で追放&労働&出産の苦しみ? ペナルティが重すぎる」

「そもそも、なんで私がアダムたちの罪を背負うの? 連帯責任の根拠は?」

「イエス様は痛いのが好きなの? なんで痛い=愛なの?」


神父様の回答(定型文)

「それは悪魔の誘惑で……」「自由意志の試練で……」「原罪といって……」


【脳内検証】

ビー! ビー! ビー! ビー!


システムダウン! 論理破綻により処理不能!


神父様の言葉は、私の疑問バグを解決するどころか、新たなエラーを増やすだけでした。

私は再び、あの水色のトイレへ逃げ込みました。


教会学校の記憶は、ほぼ「トイレにこもっていた記憶」です。


最終フェーズ:大学での「最終決戦(Y神父戦)」

疑問を抱えたまま成長した私は、カトリック大学へ入学。


そこで出会った神学の権威、Y神父に、20年分の疑問を凝縮した「95か条の論題」ならぬ「ロジック・モンスターの最終質問状」を叩きつけました。


ロジック・モンスターの最大火力攻撃!

「神が全能なら、なぜ肉体を作った? 天使だけでよくないですか?」

「地獄の管理コストが無駄です。バグは即デリートすべきでは?」

「生物として肉欲は自然です。なぜ否定するんですか?」

「殉教と自殺の境界線は? 敵地に乗り込んで殺されるのは、生存本能の欠如では?」


私は早口でまくし立てました。

さあ、論理で返して!


Y神父の攻撃(回避)!

「もっと聖書を読みなさい。文脈が読めていません」

「神のため、ではありません。殉教は自殺とは違います」

「君の解釈は誤謬だらけだ」

……ああ、そうか。

彼もまた、「回答」を持っていなかったのです。

私のロジックを受け入れてしまえば、彼が積み上げてきた神学が崩壊してしまう。だから、「君が間違っている」と拒絶するしかなかった。


結論:そして私は「外」へ

こうして、私の「教会攻略」は終了しました。

トイレに逃げ込む日々はもう終わりです。

彼らの神様は、矛盾だらけの「ルールブック」の中にしかいません。

でも、私の神様は、この「なぜ?」と問い続ける思考の先、シンプルで美しい真理の中にいるはずです。

私は教会を出ました。

これからは、誰の言葉も借りず、自分の頭(マニュアル操作)だけで、神様と対話していくことにします。


(おわり)


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