右肩上がりのストーリー
現在私は、とある文学賞に向けて小説を執筆しているところです。
webと違い手書きでの作成なので、ミスをしないよう緊張しながらの作業です。
修正液を使えるのは三ヶ所までといいますが、やはりNOミスで完成させたいところ……一字も間違わないよう一文字、一文字確かめて原稿を埋めていきます。
記憶にある漢字をも筆を執る前に辞書で調べ、用心しながら進めていきます。
漢字のミスがないように気を付けていますが、あることが一つ目立つわけです。
文字の癖が強く、全体的に右肩上がりの文章が並ぶのです。
全ての文字が右肩上がりに並んでおり、まるで文字のデモ行進のようです。
『落選反対!』
『入賞率上げろ!』
とでも文字たちが叫んで原稿を前進しているかと思うくらいの右肩上がりです。
幼い頃から文字に癖がありましたが、未だに改善出来ないという事は、もう不可能という事なんでしょうね。
改善出来ないのならば、丁寧さに磨きをかけて執筆していくしかないんでしょう……。
それとやはり入賞するには、完成度の高い作品に仕上げないと何も始まりません。
何作も落選している私の作品ですが、このまま夢叶わず一生を終えたくはありません。
右肩上がりの文字でも、審査員の方々を唸らせる小説を書いて向こう側の世界を目指す……ただ、それだけです。