7、冒険者協会
冒険者協会の中はコンビニのようなカウンターが3つと大きな掲示板が2つ、裏手に広場があるらしかった。リンはカウンターにいる女に声をかける。
「すいません。冒険者登録したいんです。」
「はじめての方ですね。金2000をお願いします。」
・・・
「はい、2000確認しました。ではこの認証システムに手を置いてください!」
認証システムとやらに手を置く。電気が流れた感覚があった。
「ありがとうがとうございます。リン様レベル30とリュウ様レベル11ですね。履歴はありませんでしたので、問題なく登録できました。ステータスは・・・ぇえ!ちょっとお待ちください。支部長を呼んできますので・・・」
「?なんであんなに慌てているんだ?履歴ってなんだ?」
「履歴は犯罪履歴のことですよ。重度の犯罪を起こしたものは手形を取られ、資格剥奪の上、協会に登録できないようになっているんです。軽微なものなら数か月~数年の間、資格停止となるだけらしいです。たぶん、慌てているのは、初めての登録なのに実力がありすぎるからだと思いますよ。特にリュウさんが。」
「そうなのか。そういえば、リンは冒険者になったことがあるわけではないのに色々と詳しいよな。」
「前に話をした、13騎士の1人に色々外に連れて行ってもらって、教えていただいたんです。」
「そうか・・・」
話が途切れてしまった。ちょうどよく男がやってくる。
「どうもお二人さん初めまして。ここの支部長をやっているスティという者だ。聞いた話だととてつもないステータスだってことだが、ちょっと確認させてもらってもいいかい?」
見た目は優男といった感じだが、明らかに実力者だ。隙がないように思える。まぁやられはしないだろうが、無傷とはいかないであろうという印象だった。さらに、こいつが出てきたことで室内にいた他の冒険者がざわつき始めたことから、只者ではないことがうかがえた。
「んーここじゃあれなんで、ちょっと応接室までご足労願えますかね。」
「わかりました。」
リンがすぐに返事をして、応接室へ案内された。
「で、申し訳ないが、2・3質問したいことがある。いいかな?」
「はい。」
「君も高レベルで全魔導士Ⅲとは、恐れ入ったよ。すぐにでも所属してもらって、銀か金級くらいの資格はあげたいところなんだが、問題は彼だ。」
俺のほうを見る。
「ある程度の歳だが、レベルは低い。ステータスは白金級かそれ以上で、任侠という聞いたこともない職業。レベルは低いくせに明らかに場慣れしていて、隙がない。君は何者だ?」
「俺は、てんs「この人!記憶喪失みたいで!自分の名前くらいしか覚えてないみたいなんですよ!なんで今いろいろ教えているところで・・・ただお金もそんなにないのでとりあえず協会でお世話になって、お金稼がないとと思いまして!」
「・・・悪いが、俺に嘘やごまかしは通用しない。俺はお前らを利用しようとして聞いてるんじゃない。話さないならうちでは面倒を見ない。他に行け。冒険者は信用がないとやっていけない。」
「リン、こいつは大丈夫だ。敵じゃないだろうし、実力もかなりあるだろう。俺がやられるとは思わないが、お前が一瞬で殺されるくらいの力は持っている。」
「リュウさん・・・」
「俺と彼女のこと聞いてくれ、それで、俺らを置いておけないと思うなら追い出してくれて構わない。」
俺は今までのことをこいつに話していった。