5、道程
俺たちは2人で小屋を出た。いつでも帰ってこられるよう中はそのままにしていくことにした。
つまり所持品はといえば、少しの金額だけだ。
「まずは協会に登録してお金を稼がないといけませんね。」
「そうか。まぁ金は必要だし仕方ないか。金の価値がわからんが。」
「慣れていくしかないですよ!基本的なことだけいっておくと、お金は銅貨、銀貨、金貨となっています。ただ、貨幣でのやりとりもできますが、これから作りに行くパスにはいろいろな機能がつけられていまして、その中の一つが持っているもの同士でお金のやり取りができます。銅貨は100、銀貨は1000、金貨は10000という数字になっていて、協会のほうで入金や出金ができるんです。ほとんどの冒険者はすべて入れちゃってるみたいですけどね。貨幣を使う場面はそんなには多くないですから。」
「そうか。とりあえず作ってからだな。」
「そうですね!一番近い町はランドという町です。歩いて3時間くらいですが、のんびりモンスターでも倒しながら行きましょう!」
モンスターか・・・
「あ、不安ですか?不安ですか!?」
なんで嬉しそうなんだこいつは・・・
「不安でもしょうがないですよ!私に任せてください!ここらへんのモンスターは把握してますから!」
なんかムカつくな。
「さぁ行きましょう!どんどん行きましょう!」
・・・・・・
・・・
「・・・なんで全部一撃で倒しちゃうんですか!」
「なんでって言われても、殴ったら倒れるんだからしょうがないだろう。」
「それにしても手馴れすぎてます!出現してから倒すまでが早すぎます!私、魔法発動すらできてませんよ!」
そりゃ前の世界ではいつ誰が襲い掛かってきてもおかしくなかったからな。危機察知に関してはないと生きていけなかった。
「とにかく!私が次は倒しますから、見ててください!ちょっとくらいいいところ見せてもいいじゃないですか!」
「あ、あぁ・・・」
すごい剣幕のリンに俺はうなずくしかなかった。
・・・・・・
・・・
「キャー!助けてください!魔法が効かないモンスターなんて知りません!」
・・・俺はモンスターを殴り倒す。
「あ、ありがとうございました。まさか魔法が効かないモンスターがいるとは・・・知ってはいたんですが、ちょっと離れたところにいるとは思いませんでした。」
俺はリンを見る。
「い、いや、普通に魔法使わなくても倒せたんですがちょっと魔法を見せるといった手前びっくりしてしまいましてですね、はい。」
・・・
「そんな目で見ないでください!ちょっと調子のったのは謝ります!これからもよろしくお願いします!」
「いや、いいんだが、魔法じゃないと倒せない奴も出てくるかもしれないし、適材適所でいいんじゃないか。俺たちは仲間なんだし。」
「仲間・・・。」
「さっさといこう。暗くなる前にな。」
「あ、はい。」
リンは急にしゅんとしていた。そのままランドを目指す。