4、世界情勢
「現在、この世界は、四つの国に分かれています。商業が中心で娯楽施設も多いアキナイ、冒険者協会本部があり世界を自由なものとしたいイクサバ、魔族が中心となり多くの種族が生活しているマカイ、孤立した国クチナシとなっています。クチナシだけは行かないでください。王と貴族が悪政を働いており、基本的に一度入ってしまうと国の外に出ることはできないのです。中は栄えていないわけではないらしいですが、それぞれの町村には管理している貴族がおり、町民・村人は奴隷のように扱われていて、王や貴族は日夜豪遊しているそうです。そしてそうさせているのが、王に仕える13騎士です。かなりの実力者揃いで、問題を起こす人間がいれば粛清という名目で処罰されます。」
「ずいぶんと詳しいんだな。」
「実は・・・私は13騎士の1人の部下だったのです。ですが、その方はしょうがなく仕えている方で、粛清とか、そういったことには否定的でした。ある日、ひどい出来事があって、それが理由で、私は死んだことになって国外へ逃亡できたのです。」
リンのこぶしは強く握られていた。
「そうか・・・ちなみここはどの国なんだ?」
「イクサバの中のゲッコウ大森林というところです。もし世界を見て周るということでした、この国で冒険者登録をしたほうがいいです。冒険者協会はクチナシ以外の国にはあるんですが、冒険者協会では、身分証の代わりとなるパスが発行されるのです。そのパスはいちいち口にしなくても名前と職業とレベルが自動的に表示される古代文明の道具です。登録料はかかりますが、私が逃げてくるときに持ってきたものが多少あるので、それでぜひ登録してください。」
「リンも登録しているのか?」
「私は死んだことになっているので・・・どうしようもないんです。このままここで余生を過ごそうと思います。」
「・・・俺には過去になにがあったかわからないし、教えてほしいとも言わない。ただ、このまま出て行っても俺一人じゃ迷いそうだな。リンがよければ一緒に来てくれないか。」
「・・・13騎士だけは外に出られるんです。13騎士に見つかったらどうなるかわかりません。」
「俺が守ってやる。ここで孤独に死んでくよりましだろう。まぁ俺が強いのかどうかはわからんが、少なくとも前の世界ではクズ共にやられるほど弱くはなかったしな。」
「いや、13騎士は本当に強いんです。リュウさんがいくら能力が高くてすごいスキルを持っているとしても、無事な保証はありません。私のせいで死なせたくありません。」
「いいんだよ。ここで孤独に死ぬよりは最後に楽しんで死んだほうがいいだろう。俺は孤独でいるより、複数で楽しむことをある人から教わってな。まぁもしやられるときは一緒に死のう。」
「い、一緒に死のうって、プロポーズですか・・・?」
「バカ、お前みたいなガキにいきなり求婚するかよ。とにかく一緒に行こう。落ち着いたら別行動でもいいし、嫌になったら戻ってもいいから。」
「わ・・・わかりました。ちょっとだけ付き合ってあげます。」
リンは笑いながら言った。