2、転生・出会い
再度、目を覚ます。
木造の小屋の中、そして小屋の中にあるベッドの上に俺はいた。体を起き上がらせると小綺麗な田舎の家の一室といった感じの印象を受けた。なにか懐かしい感じがした。
周りを見回していると、ドアが不意に開く。
「お、起きましたか!よかったです!ずっと寝てて、もう起きないかと思いました。」
そこには少女が立っていた。年齢は18歳くらいだろうか、背は低く、かわいらしい感じの娘だった。
「君が寝かせてくれたのか。」
「そうです!重かったですー」
喜怒哀楽が激しそうなその少女は、喋るたびに表情が変わり、面白かった。
「そうか、運んでくれたのか。俺はどこかに倒れていたのか。」
「そうなんですよ!おうちの前に倒れていまして!ビックリしました!とりあえずどうにか運んで、私のベッドに寝ていてもらいました!」
「そうか。悪いな。」
「いいんですよ!困っているとはお互い様ですからね!ところでーなんで家の前に倒れていたんですか?ここらへんはモンスターも多くて、あんまり人は通らないんですよ。」
「いや、実は一回死んで、この世界に生まれ変わったんだ。だからたまたま、生まれ変わった先が君の家の前だったんだろう。ちなみにモンスターってなんだ?」
「え?何を言って・・・え?」
「いや冗談とかじゃないんだが、あと名前も教えてくれると助かるな。」
「名前はリンなんですが、いや、すいません、ちょっと頭がついていかなくて・・・生き返る?あれ、聞き間違いかな・・・」
リンと名乗った少女は混乱してしまったらしい。すこし待って、落ち着いてから自己紹介も兼ねて今までの経緯を話すと泣き出してしまう。
「りゅうさーん。つらかったんですねー。いつまでもここにいてくれていいんですよー!」
「いや、大丈夫だ。ところで、さっきモンスターが多いとか言っていたが、リンは平気なのか。」
「ええ、こう見えても私、魔導士のレベル30なので。ここらへんのモンスターなら全然平気です。」
「魔導士?レベル30?」
「あ!すいません。えーっとですね、この世界ではりゅうさんのいた世界とは違って、生まれながらにして、レベルと職業があるんですよ。レベルは生まれたときは1で、あとはいろんなことを経験してあげていくんですが、もっぱらその方法はモンスターの討伐ですね。この世界は瘴気と魔気というものが存在していて、瘴気がモンスターを生み出し、魔気は私たち人間が職業に応じたスキルを使用する際に必要だとされています。ちなみにされているっていうのは、瘴気も魔気も目には見えないので、そうだろうっていう研究者たちの憶測です。」
「・・・そうか。なんとなくだが理解した。ちなみに俺の職業を確認する方法なんかはあるのか。」
「ありますよーと、いうか、基本は職業は自分自身でしか確認できないんです。ステータスオープンと頭で考えると、自分のステータス、つまり能力が確認できるんですよ。」
ガキの頃にやったゲームみたいだな。とりあえず俺は自分の職業を確認することにした。