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あれから一週間が経った。

カジノの転移や補修も魔法を使った為、ほとんど準備ができた。

そして大々的にクチナシ以外の国や町村へ声明を出すことにする。

大雑把に言うとこんな感じだ。


1、マカイにカジノを作った。

2、マカイは各国との交易、友好関係を作っていきたい。賛同いただければ転移陣や護送の手配をする。

3、多くの方が楽しめるよう善処していく、それに伴い、働き手や出店をお願いしたい、売り上げの一部を税金として徴収し、協力いただけたところへ還元する。


といった内容だった。

トレイルが文章を作ったため、問題はないだろう。

まずはアキナイへ話を持っていく。大きな商人組合の長への約束を取り付け、トレイルとドラグで話をしに行く。こういった大きな話は頭同士の話し合いに限る。俺も何度組長に救ってもらったことか・・・。嫌なことをおもいだしちまったな。


ドラグとトレイルは1日で戻ってきた。片道はドラグが初めて行く地ということもあり、多少時間がかかったが、帰りは転移で一瞬だからだ。


「どうだった。」


「二つ返事で了承したわ。向こうもいままでは、自分達の領土なのにカジノ自体での実入りがほとんど無かったことに不満を持っていたみたい。しかも裏闘技場なんて多額の現金が動いていたことも知らず存ぜずだったみたい、少なくとも長はね。まぁ組合の幹部連中の中には知っていた人間がいることはこっちでつかんでいるわけだけど。」


「長には伝えなかったのか?」


「伝えてもよかったんだけど、敵を増やしてもねぇ。どういう対処を取るかもわからないし。」


「長には聞かれただろう?どういう状況だったとか、誰がいたとか。」


「それがねー聞かれなかったのよ。普通に考えれば商人の長がそこまで頭が回らなかったとは思えないけど。」


「・・・そうか。」


確実に頭が切れるだろう人物がそこまで頭が回らなかったとは思えない。おそらく処分が面倒くさいとかそんな理由だろう。あそこにいたのは少なくとも金がある人物だ。性格は別として商人としての腕があることは間違いないのだろうから。


「とりあえず先立って商人数人と荷物を明日までに準備してくれるようだ。」


「そうか。イクサバのほうはどうするんだ?」


「今日は休んで明日にでも行くわ。まぁあっちは問題ないだろうけどね。もともと自由が売りの国だし。」


「そうか、お前らのボスのところも行くのか?」


「寄るには寄るけど、まずは王ね。協会もメインの勢力ではあるけど、統治は王族がやっているのよ。冒険者は脳筋が多いからね。」


「そうか。王政を布いているってのは問題はないのか?」


「うん。クチナシとは違って民主主義的な面が多いから、税金をとるけど少額だし、王族の身の回り関係とその他は町の修繕関係に使われている。予算から決算、内訳まで出しているから信頼は厚いのよ。」


「そりゃあすばらしいな。」


「そうね。地方の管理は協会の各支部がやってるし、基本的に不正はしないくらいのお金はもらってるしね、稼ごうと思えば休みの日に魔物狩ってれば稼げるし。」


「魔物狩ってなんで金になるんだ?」


「魔物の素材って色々使えるのよ。ダンジョンに潜ったときもいろいろとあたしが回収してたでしょ。」


「色々って?」


「各部位は装備とか食料にもなるし、体の中にある魔石は、エネルギーとして使われているわ。」


「灯りとかか?」


「そうそう。そういうことよ。カジノのスロットとか全て魔石のエネルギーで動いているわ。ただ、魔石にも品質があるから、一概には何でも売れるとはいえないんだけどね。特に高く売れるのは品質の高い永久型の魔石ね。魔力を注ぎ込めば何度でも使えるものよ。強力な魔物から取れやすいわね。」


「随分と都合がよくできているな。」


「?どういうこと?」


「いや、なんでもない。」


魔力は元の世界での電気に値するのだろうが、なかなかに都合がよくできている気がするな。まぁ世界の摂理なんていうのはそんなもんか。


「さて、我は少し疲れた。今日は休むとしよう。」


「そうね。」


そして夜は更けていくのだった。

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