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闘技場にいた客層は一階フロアとは違い、顔を仮面で隠した裕福そうな格好をした奴らだった。俺達が入った時には闘技場内で、戦いが行われていた。上で戦っていた奴らより数段上だろう。しかも闘いというよりは殺し合いだ。実況までされており、血が飛び散るたびに観客は歓喜していた。なるほどな、基地外どもか。正面に座っていた男は、実況に何か話したようで、実況の男がうなずきながらこちらを嫌な笑顔で見てきた。そして闘いが終わる。片方の男が死んだようだ。


「当選した皆様おめでとうございます!さて、会場の皆様、今の勝負で負けたお客様もおめでとうございます!なんと今日は最高の日です!過去にこの闘技場で四天王の座を手に入れた現店長と従業員が今日、なんと闘技場に一日限りではありますが戻ってきます!我らが残虐性全一!この男に解体された人間は数知れず、ジャック!」


歓声とともにあそこにいた男の一人がお立ち台に上がる。なるほどな。過去の猛者が店を任されてるのか。


「四天王の紅一点、超スピードで敵を切り刻む姿はまさに彫刻家のよう。クイーン!まさにダイアモンドの肉体、魔法すらも通さない肉体を持った男、キング!最後に、我らがカジノの店長!1500戦無敗の伝説の男、エース!」


会場は大盛り上がりだ。


「さて、なぜ四天王が復活するのか?そ・れ・は・・・四天王に逆らうおバカちゃんたちが現れたからだ!相手も知らない新参者が三人で四天王に挑むぞおらぁ!ベッドは金100万からだ!賭けが成立するかわからねぇけどな!ベッドタイム10分!」


闘技場の上部に巨大モニターが設置されており、そこにオッズが表示される。


「さて、雑魚ども、今更逃げらんねぇぞ。どうせ生きて帰れるかわからねぇんだから金全部自分たちに賭けろや。俺らに勝ったら更に大金持って出られるぞ。」


「そうさせてもらおう。手続きは頼む。」


「ハッ!バカが!」


10分経過する。

最終的なオッズは俺らが3億7800万、四天王が112億5000万。俺らが3億6000万使っているわけだから、俺らに賭かっているのは1800万が実際のところだ。


「締め切りだ!オッズは・・・四天王が1.03倍!新参者が29倍だ!当然の結果だが、少ないボーナスを全員持って帰ってくれよな!では第一戦だ!ルールは1対1、なんでもあり!ギブアップか死ねば負け!双方1~3戦までは一人ずつ出して戦う、もし生き残りが出ればエースに挑めるという寸法だ!一戦目は四天王からはジャック!さて、挑戦者は誰だ?」


「じゃあ俺が行k「我が出よう。リュウはキング、クイーンはトレイルでいいだろう。せっかくだし、三人の中じゃ一番実力があるだろう、キングをやってくれたほうがリュウの名も広がるだろう。」


「そうね。せっかくだし大将がやってくれたほうがいいわ。」


「そうか。」


「エースもリュウがやるといい。なに、あの程度の実力なら全員一撃だろう。」


「さて決まったようだ!リングにあがれえええええい!」


うるさいなあいつ。


「他の奴らは横に座ってろ!すぐに死ねるぜ!」


俺とトレイルはリング入場口の隣に用意されたイスに座る。


「第一戦!開始!」


ゴングが鳴らされる。


ジャックは巨大なナイフを持っていた。一気にドラグに飛び掛かる。なるほど、なかなか速いな。

だが、ドラグの姿は消え、一瞬でジャックの背後に立つ。


「ジャックとやら、ギブアップする気はないか?」


「・・・。」


ジャックは黙ったまま振り返り攻撃を続ける。もちろんドラグに当たるわけもない。観客がざわつき始める。


「さて、意思がないのであれば、意識を奪わせてもらおう。」


ドラグがジャックに対し、とてつもない殺気を放つ。一瞬にして、ジャックは意識を失ったようだ。ドラグ、強すぎるな。観客は何が起きたのかわからない風だ。


「おい、早く負けをコールしろ。」


「・・・言っただろう?負けはギブアップか死ぬかだ!」


「じゃあ消させてもらう。」


ドラグが手をかざし、ジャックが浮かび上がる。そして、消え去った。


「これでいいか?」


「・・・第一戦目勝利は新参者。」


会場からブーイングが発生する。まぁやられるとは思っていなかっただろうからな。


「続いて二戦目。クイーンと新参者。開始。」


明らかに実況のテンションが落ちている。相手のほうを窺うとキングは動揺しているようで、エースと何か話している。エースも冷や汗を流しているようだった。やっと実力がわかったのだろう。相手を見て実力がわからないなど、完全な二流だ。ゴングが鳴らされる。


「さて、ドラグ、あいつら、どう思う?ドラグは別として、驚異を感じなかったのだが、俺もトレイルも勝てるか?」


「余裕だろう。トレイルもすぐに片がつくだろう。」


ドラグの言った通りだった。トレイルが一発見えるように攻撃するとクイーンは避けたものの、クイーンもやばいと感じたのか・・・。


「ギ、ギブアップ・・・。」


観客席からとてつもないブーイングが鳴り響く。それもそうだろう。大金をかけている人間が多くいるだろうからな。エースがどこかに連絡を取るようで、席を外したようだ。


「会場の皆さま!申し訳ございません!一旦休憩時間とさせていただきます!再開は30分後を予定しております!」


どうやら時間をとるようだ。どこに連絡しているのか気になるな。


「トレイル、あいつらどこに連絡とっているのかわかるか?」


「噂だけどね、ここらのカジノを仕切っているのは13騎士の一人、11席のカネナリってやつだって聞いたことがある。」


「そりゃあ都合がいいな。助けを乞うために呼んだのか。」


「どうかしらね。」


「どちらにしても我らにとっては都合がいいだろう。100億も手に入りそうだしな。」


「そうだな。」


待つこと30分。


「お、お待たせしました!次の試合はキング対新参者!開始!」


俺とキングは対峙する。


「あ、あんたらみたいな人間がいたとはな。見誤った。どこか天狗になっていたようだ。」


「そうか。お前もギブアップか?」


「いや、強い奴とやってみたいという欲求もあるんだ。やらせてもらうよ。一撃でやられようともな。」


「そうか。」


「だが、あんたらがいくら強いといっても、13騎士にはかなわない。悪いことは言わないから、逃げたほうがいい。オーナーのエースはここらをまとめている13騎士を呼んだ。」


「ちょうどいい。俺らは13騎士・・・クチナシをつぶすために世界を周っている。つぶさせてもらおう。」


「お前ら・・・まじか。」


「まじだ。さて、やるか。」


「俺もあんたらみたいに命知らずの時代があったな。牙を研いでいれば戦えたのだろうか。」


「どうだろうな。」


手で相手にかかってくるよう合図をする。

キングは拳を突き出してくる。なるほど、普通ならかなり強いのだろう。威力と速度のあるパンチが俺に繰り出される。俺は体で受け止める。身動ぎ一つしなかった。


「・・・くそ。こんなに実力差が・・・。」


俺はお返しに相手に拳を突き出し、一撃で沈める。


「あて、次はエース、お前が出てくるのか?」


「キングまで瞬殺・・・。い、いや、待ってくれ。ちょっと体の調子が悪くてだな。」


「ふざけんなー!俺らの金つぶしやがって!やらせかこの野郎!」

「せめててめぇがぐちゃぐちゃにされろや!高いショーだってことで納得してやるよ!」


観客が騒ぎ出した。


「あとちょっと待ってくれ!俺達の上、13騎士がここにやってくる!13騎士がくればこいつら殺して賭けは無かったことに出来る!」


13騎士がくるというワードで会場が静まり返り、一気に歓声に変わる。


「さて、都合がいいね君は。チャンピオンだった男がビビッて上に助けを求めるなんてね。」


エースの後ろに少女とでかい男が現れる。

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