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あらたに5人となった俺達は目的の町へ進むことにした。道中、フードを被ったままの魔王に怪しいと伝えると、人に変化した。その容姿は・・・まぁそれについては置いておこう。そして目的の町に着いた俺達だったが、スティやトレイルの元仲間のもとへ向かうが、その人物はボスに呼ばれて中央へ行ったとのことだった。
かくして俺達は目的地を中央にし、まっすぐと中央を目指すのだった。道中、1つの町(村?)で問題が発生したのだが、それについてはそのうちに。そして、中央へ到着した。
「やっとついたな。」
「あぁ、我は久々にこんなに移動したぞ。我の転移を使えば一瞬だったのに。」
「俺達の目的は仲間集めも含んでいるんだから、それじゃ意味ないんだよ。」
スティがフランクに話しているからなのか、魔王も最近は話し方が柔らかくなっていた。いいこと?だ。
「とりあえず協会にいきましょう。ボスとあいつがいるでしょ。たぶん。」
冒険者協会本部に向かった。やはりスティとトレイルは有名なのか、受付が急ぎ、とりつぎをしてくれた。俺達は応接間に案内され待つ。
5分ほど経って、二人の男が入室する。
「スティ、トレイル、久しぶりやな。」
「貴様ら、なんでここに来た!町の管理はどうしたんじゃ!」
じぃさんがすごい剣幕で怒鳴り込んできたのと対照に、飄々とした態度で、関西弁を使う男の二人だった。
「ボス、まずは訳を聞いてくれ。」
「そうよ。聞いてくれれば納得できるわ。」
「ガキめらが!貴様らの言い分など聞きとうないわ!」
「まぁまぁ、落ち着きやボス、聞いてからでも遅くないやろ。」
「貴様までこいつらを・・・儂はもうしらん!全員腐った根性叩き直してやるわ!」
爺さんの体から熱気が浮かび上がる。高威力の魔法だと感じた。
「ちょっと待て、貴様、ラオだな。」
「あぁ・・・?だれじゃ貴様?」
「ドラグラドだ。久しぶりだな。」
「あぁ?ドラグラド?ドラグラドがここにいるわけないじゃろ。今頃マカイで・・・ぁあ?」
魔王が姿を戻す。
「ドラグラド!?なんでここに!?」
「だからまずは話を聞け。」
「・・・」
じいさんは落ち着いたのか、熱気が一気に引いていった。
「じつはかくかくしかじかでな。」
・・・
「・・・そこの男が転生者で、そいつの能力で町が安全で、ドラグラドはそいつと共に人と魔族の和解を目指し、ついでにそこの少女はクチナシからの逃亡者というわけだな。」
「私の扱いがひどいです・・・」
「簡単にいうとそういうことだ。目的はクチナシの崩壊だがな。」
「なるほどな。儂は半分引退しておるし、旅についていくことは出来んが、こいつは連れていくがいい。」
「なんで勝手に決めんのや。」
「行かなくてもいいが?」
「行くっちゅうねん。勝手に決められんのが嫌だったんや。」
「めんどくさいのう。」
「あんたのほうがめんどいわ。」
と、いうことで、自己紹介をした。やはり知り合いということでなかなかの実力者であった。
ネーム:バンブルグ
ジョブ:総合格闘士 Ⅲ
レベル:52
ステータス
パワー:88 A
ガード:70 B
スピード:91 S
マジック:25 G
パッシブスキル
身体強化+
鷹の目
危険察知+
軟体
スキル
総合格闘
「また腕を上げたんだな。」
「俺はお前らと違って、ある程度うごけるからな。レベルもあげられるっちゅうもんや。」
スティの言う通り、なかなかの実力者なのであろう。そして、隙がない。戦闘経験豊富なのであると思われた。
「そういや、話しをしてたんだが、ボスのステータスって見せてもらったことないよな。リュウのステータスが100超えてるのがあって、SSらしいんだが、ボスも超えてるのか?」
「当り前じゃ。そこのドラグラドはわからんが、おそらく勝てるやつはおらん。」
「まじか、そりゃボスに遊ばれるわけだ。」
「だが、ステータスなんて基準でしかない。我が思うに生きてくるのはスキルだ。最強の魔法使いがいたとしても、リュウのように魔法無効があれば、やられるだけだし、逆に魔法無効を持っていても、ラオのように絶対貫通があると、無効スキルなど、役にも立たない。」
「儂のスキルをばらすなよ。」
「まぁいい。我のステータスくらでよければ、確認しておけ。」
ネーム:ドラグラド・フレード
ジョブ:絶対者
レベル:
ステータス
パワー:
ガード:
スピード:
マジック:
パッシブスキル
干渉不可
スキル
事象操作
空間操作
「あーこりゃ無理だな。味方でよかった。」
「ほんまや、てか本気になれば世界消せるやん。」
「もうクチナシ消してもらえばいいんじゃないの?」
「やろうと思えばやれるが、全員消しては、奴隷にされてるやつらも消えるがいいのか?」
「だめです!全員ではあの方も消えてしまいます。」
「とりあえず、ある程度、人増やしてから行けばいいだろ、ドラグの目的もあるしな。」
俺はそう提案し、先に進むことに決めた。
そして、その中で、効率を考えて3人3人で二手に分かれて行動することにした。俺、トレイル、ドラグの3人?でアキナイのほうへ向かい、スティ、リン、バンブルグの3人でまだ声をかけてない奴らも元へ向かうことにする。リンが不満を漏らすが、俺とドラグが一緒じゃないとダメということもあり、戦力差を考えてこの組み分けになった。
そして俺たちはアキナイへと向かうことになった。