13、深層へ
俺達は今後の予定を話し合った。とりあえず中央へ行くという案も出たが、せっかくなので、ダンジョンを行けるところまで行って、それからでも遅くないという結論に至った。60階層から再開し、61階層へと進む。
61階層は密林のようなところになっており、バカでかい虫が多数存在した。
「いや、あたし虫とか本当に無理なんだけど・・・」
「私もです。ちょっと虫は本当にきついです。」
「お前ら・・・俺だって虫をわざわざ剣で切り刻んで変な液とか浴びたくねぇよ。リュウもそうだろ?素手で倒すとか気持ちわりぃだろ。」
「・・・まぁな。」
「だろ?魔法とか狙撃で倒していけばいいだろうが。」
「・・・しょうがないわね。ただ、もし倒せなかったらあんたたちで倒してよ?」
「わかったわかった。」
先に進む。カブトムシ?やクワガタ?を巨大化させた大群に火炎魔法を打って倒したり、ゴキブリ?の大群が現れ、かなりのスピードで追いかけて来たので逃げて次の階層へ向かったり、空を飛んで謎の液体を吐きかけてくるトンボを相手にしたり、巨大なクモの巣に捕まり、その粘着力からなかなか抜け出せず困っていたが、冷静に考えると攻撃魔法が効かないことに気付き、自分たちごと燃やして脱出したりと、なかなかに嫌がらせがひどい階層だった。
そして70階層へとたどり着く。
「・・・最悪だったわね。さっさとボスを倒して早く終わってほしいわ。」
「本当にな。」
かなりの体力・魔力を消費した階層だった。俺はそんなに動いていないのでまだ大丈夫だが、リンとトレイルには特に酷だっただろう。
「ボスはあんたたちに任せるわ。もう戻れるんだし、ちょっとくらい汚れたって問題ないでしょ。」
「・・・。」
俺とスティは黙って先へ進んだ。
階層には大きなアリ?がいた。そこら中に穴が開いており、そこから次々と湧き出してくる。
穴の中にアリの巣があるのだろうか。だとすれば、何体いるかもわからず、非常に危険だと思われる。
アリはでかくするとかなり強い生物だと聞いたことがある。自分の何十倍、何百倍もの大きさをもつ生物を数の力で狩るのだ。
同じくらいの大きさをもつ生物に勝ち目はあるのだろうか。
ただ、もしかしたらボスが個体であるとするならば女王アリなんじゃないだろうか。
「俺が穴へ入る。お前たちはここで何とか持ちこたえてくれ。」
「何?リュウには何か考えがあるのか?」
「あぁ、もしかしたら程度だがな。ただこのアリどもはおそらくかなりの数がいて、さらに強いだろう。危険だと思ったら引き返してくれ。」
「わかった。」
俺はアリどもを蹴散らして先に進む。一体一体がかなりの堅さを持っているのか俺の蹴りや拳一発じゃ倒しきれていないものも多かった。穴の中に入るが、かなり道が分かれていた。俺は下へと続くであろう道を進むしかなかった。
そして進むとこちらには向かってこず、後退したアリの姿が見えた。おそらくは子育てをするアリか・・・もしくは・・・。
俺はそのアリの進んだ方向へ向かった。
ある程度進むと扉が表れた。アリの巣に扉など聞いたことがないが、俺はその扉を開ける。