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「親父!違法賭博に手をだすとはどういうことだ!堅気に迷惑かけないのが俺らだったろうが!」


「龍よ。綺麗言だけじゃヤクザはやっていけんのじゃ。」


「親父。俺らはヤクザじゃねぇ、任侠だろうが。そう思って親父についてきたんだ。堅気に手を出すような真似はチンピラと変わらんだろうが!」


「しょうがないんだ。組員30人を食わせていくのに、善意のみかじめ料と土建業だけじゃ足りん。家族がいる奴もいる。俺と龍だけならいいが、もうなんとかなるとかいう状況じゃねぇんだよ。」


「このくそ親父が!てめぇなんて親でもなんでもねぇ!切らせてもらう!」


そう言って盃をぶち壊した。


「・・・悪かったな、龍。今までありがとうよ。」


「・・・もう二度と顔はみせねぇよ。」


俺は事務所を後にした。任侠を極めるから付いてこいを言ったあの日の親父はもういないのかと思うとなんともいたたまれない気持ちになる。


・・・と、背中に衝撃が走り、急激に熱くなった。腹に穴が開いてそこからとめどなく血が流れる。後ろを振り向くと組の若い衆が拳銃を持って立っていた。


なぜ・・・なぜ俺が打たれなきゃならねえ。俺は何もせずに出て行ったろう。


薄れゆく景色の中で、最後に俺が見たものは半笑いで立っているそいつの顔だった。


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