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現役就活生の異世界転移記  作者: べのん
1/1

序章 異世界転移

初めて書くので暖かい目で見守ってもらえると助かります。

 朝6時に起き、いつも通りに飯を食い、いつも通りに企業の集まる会場に行き、必死に自分を売ってるのはいつから続けてるのだろう…?

 たった数ヵ月しかやっていないのに、怪我してないはずなのに体がいたいし、親の期待に応えられずに心もいたい…

 自分がバカで情けなく思うのに、変えれない自分がいて悲しくなる…逃げるようにラブコメの漫画や小説を読んで、その一瞬を笑って誤魔化している…


 俺は今日もスーツを身にまとい、頭によぎるこのマイナスな気持ちを少しでも消すためにいつも通りにネクタイを少しきつく締める。


 充電していた携帯を、コンセントから充電器ごと抜き取り鞄にしまいこみ、今日いく企業のパンフレットとハンカチ、ティッシュをいれ、


 「いってきます」


 誰一人いない部屋に、そんな言葉をいつも通りに響かせ、扉を開けた。


 外はいつも通りに緑が生い茂ってて、いつも通りに外に出て、鍵を締め、いつもと違う地面の感触に戸惑いながらも、後ろを振り替えると、見渡す限り一面に木が生い茂ってて、外の空気がいつもの空気と違い自然の中にいるときの独特な香りがした。





「……は?」


 そこでやっと気がついた。というか、認めたくなかった。寝ぼけていると思ったから。普通ならマンションの廊下に出るはずだから硬い地面の感触がするはずなのに、今の地面の感触は柔らかく、また、肌で感じる空気も匂いもいつもと違う。

 

 昨日、実はお酒を飲んで、まだ、そのときのアルコールが残っているのだと言い聞かせ、変な組み合わせのおつまみを食べた上にアルコール飲んだから、まだ夢見心地なんだろうと、かなりおかしなことを自分に言い聞かせ、後ろを振り返ると…



 確かに鍵のかけたはずの扉も、自分の家も、何もかもがなく、ただただ木々が生い茂っていた…





 「携帯が使えない…」


あれから数分、ありとあらゆることを使って現在地をかくにんしようとしたが、GPSで現在地を確認しようとしても、最後にマップを開いた場所の地図からいっこうに更新はしないし、データ通信も森の中にいるためか電波が届いてないようだ。


 「…昨日俺ほんとに飲んだのか…?」


 飲み会にいった帰りに迷子になって山で一夜を過ごしたなら、少しは今の状況は納得できる。


 しかし


 「…スーツを着てるし、アイロンかかってるよな…?」


 飲み会に行くなら普段着でいく、ましてや就活真っ最中のときにスーツ姿のままで飲み会や外での飲酒はあり得ない。

 そして、さっきの言い聞かせこと自体も、実を言えばかってな考えであり、正しい記憶だと、普通に食事をし、飲酒はせず、明日の説明会の企業を知られべてからすぐに床についたのだ。

 しかも、もし、飲み会にスーツでいって、そのまま森で寝たとしたら昨日アイロンがけしてズボンは寝たはずなのでしわくちゃなのに、土ひとつ付いていないし、目立ったシワもない。


 とりあえず、微かに覚えていた木の年輪の広がってる方が東西南北のどこかだということをたよりに進もうとしたが…

 辺りに切り株が見つからず、しょうがないので、鞄の中にあったハンカチをすぐ近くの木に結びつけ、筆記用具の中から取り出したハサミで木に傷をつけながら、なんとなくの方角に進んでいった。




 それからしばらくして、ようやく開けたところに出かけたところで


 「やぁぁぁぁぁっと見つけた!」


 と、久々の人の声が聞こえた。しかし、その声はまるでイヤホンをつけて聞いたかのような、自分の中に響くような形で声が聞こえた。


 「いやぁ、ほんとすみませんね!待たせてしまって!」


 右を見ても左を見ても声の発信源は見当たらないし、耳にワイヤレスのイヤホンをつけているわけでもない…

 一体どこから聞こえてるかと疑問に思っていると、


 「聞こえますか…?今あなたの頭に直接話しかけています…」


 という、どっかで聞いたことあるようなフレーズが頭の中に響いた。とうとう幻聴まで聞こえてきたから、やっとこさ安心して現状況が理解できた。


 「そうか、まだ寝てるのか…」


 そう思うと安心してきた。こんな年でこんな馬鹿げた夢を見ている自分に笑いながら、昔やってた夢から醒めるおまじないをやろうとして、


 「夢じゃないです!勝手に自己完結して寝ようとしないでくださーい!」


 と、先程の声が再び聞こえた。

 夢が夢から醒めるのを妨害されるのは初めてだった。しかも、妨害されなくても寝ることは出来そうになかった。スーツで寝たような感覚、顔を付けた地面の感触と匂い。


 夢にしては、吐きそうなほど現実味のあるこの夢はなんだ…?


 「またまた!貴方が『おまじない』をしたからここに呼んだんですよ!」


 「おまじないですか?」


 どこからか聞こえてくる声に一応敬語を使いながら聞き返した。


 「そうです!貴方の家の玄関に札があるのをちゃーんと見ました!貴方以外の方もかなりいましたが、抽選で貴方が選ばれました!おめでとうございます!」


 なんの話かよくわからなかった。玄関に札?そんなの貼ったっけ?と思いながらよくよく考えると、以前、甥っ子が泊まりにときにお札を見せびらかしてたのを思い出した。しかし、それはとても大事そうにしてたからそれをおいていくはずがない…


 「すみません、一応お聞きしますが、こんなお札でしたか?」


 自分の記憶をたよりに頭の中にある札を見えない相手に伝えようと、紙とペンを出そうとすると、


 「その()()()()()()()()()ですよ!」


 と言われて、さらに


 「それを玄関の見にくいとこに貼って、貴方は2年間気づきませんでしたよね?ですから、その『おまじない』は有効となり、貴方はこの世界に呼ばれました!」


 と言ってきた。

 なろうの異世界ラブコメや普通のラブコメ、小説や漫画の異世界物のラブコメや普通のラブコメを読みすぎて、ついにここまで現実的な妄想をするヤバイやつになってしまったとしか思えず、俺は考えるのをやめ、その場に倒れこんで寝ることにした。





「……ん」


 目覚めると、まだ夢の中にいた。


 「だから夢じゃないですって!ほら!」


 そんな声が、今度は後ろから聞こえたと思うとほぼ同時に、背中に衝撃を感じた。


 「いっつ!」


 「なにいたがってるんですか!か弱い女の子に蹴られたぐらいで」


 土を払いながら後ろを見ると、


 「こんにちは!黒井東吾さん!」


 見たことがないキャラのコスプレをした金髪の白人女性が立っていた。


 「待ってください!これは本職の服です!コスプレと一緒にしないでください!」


 「すみません、声に出てたんですね、気分を害して申し訳ありません。ここは何処なんですか?」


 「…なんで敬語を使うんですか?人を散々無視して寝たくせに?」


 この人の言ってる意味がすぐにはわからず、いまいちピンと来なかったが、


 「貴方が『おまじない』のことが理解できずに寝たから、わざわざ天使で降りてきたんです!」


 といってきて、ようやく何者かがわかった。


 「…心に語りかけてきた方ですか?」


 「その人です。」


 「いくつか質問してもよろしいですか?」


 「まず、人を無視したことに謝るとか出来ませんか?」

 

 「この度はまことに申し訳ありませんでした。」


 本当に語りかけれる人がいるとは知らなかった、というか、実在するとは…と興味を示しながら、深々と頭を下げ、謝罪した。


 「…まだ信じてないんですね…この状況。おまじないしたくせに、この飲み込みの悪さはなんですか?」


 「すみません。2年前と言われましても、思い当たる節がなく、この状況が未だに理解できていません。」


 「…ほんとに忘れたんですか?ほら、ここに貼ったんですよ?」


 といいながら彼女は俺の玄関の下駄箱を刺した。


 「どこで…っ!?」


 「何処ですか?」と今起きた現象を無視して聞きそうになってしまった。

 あまりにも突然で、かつ、自然に彼女がまるでそこに元々あったかのように刺したので反応に遅れたが、これは紛れもなく俺の玄関の下駄箱、いな、それだけではない。今たっているのは俺の家の玄関だ。

 だけど、本来玄関から続く廊下はなく、先程歩いてきた森が右に広がっていた。あわてて扉の鍵を開けえ、外を見ると、玄関扉からは先ほど見つけた開けた場所がすぐそこに見えた。


 「…?なに驚いてるんですか?いいですか?ここの裏にですね…」


 彼女は今起きてることがさも当然のことかのように話を続けた。


 やっと理解できたきた。いや、まだ理解できていない。この事を理解したということは、完全に自分がいかれたということを意味しているから。つまり


 

 「…どっかにテレポート?もしくは異世界に来たってこと…?」




「つまり、ほんとに身に覚えがないと」


 「はい。」


 あれから、数分間、目の前にいる彼女に、札を誰が持ってきたか、本当に札を貼ったことを覚えてないことなど、彼女が答えてほしいと言われたことを全て答えてた。


 「んーそれは困りましたね…このおまじないは、やった家に住んでる方で異世界に行きたいと思っている方が飛ばされるんですよ…で、貴方も一応異世界物の文献を読んで、たまに行きたいと感じていたと…」


 「すみません。」


 「いえいえ、謝らなくても結構です。もとは、貼った人がこの家にすんでないことが問題ですので。」


 取り上げ、信じては貰えないだろうが、この事を伝えるために帰してもらって、甥に伝えにいこうと心に決めた。


 「あ、すみません。それは出来ません。」


 「心読めてるんですか?それと、帰れないとは?」


 「このおまじないは異世界に召喚されるおまじないで、この世界の何処かで異世界召喚する儀式を行ったために、貴方はここに来ました。つまり、呼んだのは私ではないので帰すことは出来ません。」


 訳がわからない。ならなぜ、召喚師も誰もいない森にいる?しかも、彼女は会ったときに「やっと見つけた」と言った。つまり、どっかに間違って飛ばされたということ?


 「あっと…それは…」


 と、彼女がもじもじしながら歯切れ悪く発言した。


 「私が管理してる世界なんですけど…初辞任でぇ…今日の黒井さんの召喚が初めての異世界からの召喚だったのでぇ…危なそうなので張り切って魔方陣に関与したらぁ…魔方陣爆発しちゃってぇ…で、貴方はなにもないここに召喚されたんですよ…」




 なるほど、これが駄女神か…


 「駄女神ってなんですか!感謝してほしいぐらいですよ!魔方陣爆発したから本来死ぬはずだけど、私が頑張ってあらゆる概念に関与しまくって貴方を無傷でここに送り届けたんですよ!?」


 「ちょっと待て!俺死ぬところだったの!?あんたなにしてくれてんの!?」


 「あんたってなんですか!女神!つまり神ですよ!神様なんですよ!ありがたく奉るのが普通なのに、その言葉はなんですか!」


 「いや!関与しなかったら爆発せずに、召喚成功または失敗で、どちらにしても俺の命の危険は無かったんじゃないですか!?」


 「いやいや!失敗したら、そのおまじないした人間は不幸しか訪れなくなって一週間もたたずに死ぬんですよ!?だから貴方の星ではこんなおまじない流行ってないんですよ!?」


 「あいつ俺殺す気だったのか!?」


 あいつに買ってあげたゲーム機叩き割ってやる!ぜってぇ許さん!


 というより、心配することは…


 「帰れないってことは、親にお金を返すことが…」


 そう。問題はそこだ。高いお金で高校と大学に入り、無事高校は卒業し、大学も卒業研究も終わり、あとは勤め先を決めるだけだった。

 家計も苦しく両親共働きで、俺に仕送りまでしてくれる両親に、今後は一切苦労せずにのんびりと余生を過ごせるための仕送りが出来る人間になろうとそう決めてたのに…


 そう思い、悔しさのあまり唇を切れんばかりに噛んでいると


 「そこは大丈夫です」


 と、彼女が声をかけた。


 「大丈夫とは?」


 「貴方が元の星に返ると、召喚されたあの時間に戻されますので、大丈夫です!」


 「それ大丈夫じゃないやん。」


 「は?」


 「大丈夫じゃないじゃん!もう俺今日の企業のこと覚えてねぇよ!覚える時間もないし、どうすればいいの!?はっ!ここでパンフレットよんで予習しまくったら、完璧で行ける…?」


 「やっぱ大丈夫そうじゃないですか。」


 「ていうかふと思ったの。」


 というか、普通異世界召喚で読んでて気になってたが。


 「おれ、違う星?に来てるんだよね。なんで呼吸は出来るし、言葉は通じるし、生きる環境としては適切な環境だし…」




 「それは、私が貴方という「概念」に関与したからです。」




 ごめん。私、バカだから、もう非科学的なことを言ってるこの人が理解できない

ラブコメを第三者視点で読むの好きな人、いないかな…いたら嬉しいな…

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