第六十二話
どうもマジックにはまった朝廷です。
それでは第六十二話スタートです!
「ここか……」
俺はギルドで紹介された店の前にたどり着いた。
かなり分かりづらいところにあって迷ったが途中で道を聞きながらやって来た。
店の外観はかなり古い感じがするが知る人ぞ知るって感じがして少しワクワクしてくる。
「すみませーん。誰か居ませんか?」
中に入ると色々な防具やら武器やらが転がってる。
声をかけてからしばらくすると髭を生やしたおじさんと言える位の年代の男性がやって来た。
「何でしょう?」
「すみません。装備のメンテナンスと強化をしてもらいたいんですけど。」
そう言うと渋った顔をしてその男の人は
「すみません。それは出来ないので帰ってください。」
おっとどういうことだ?
「えーっとそれはどういう……」
「と言うか早く帰ってください。迷惑になってることを考えた方が良いんじゃないか?プレイヤーだからってなにしても良いって訳じゃないんだ。」
これは色々と勘違いされてるな。
「えーっと説明すると。」
「なに騒いどるんじゃ馬鹿弟子」
俺が説明をしようとすると店の奥の方から白い髭を生やしたお爺さんが出てきた。
「師匠!この人が帰ってくれなくて……」
「いや、だから色々勘違いしてると思う……」
「馬鹿たれ馬鹿弟子。まずは客の話を聞かんかい。」
そう言うとそのお爺さんは男の人の頭の上に拳骨をおとす。
かなり良い音がして弟子さんは頭を押さえて痛がっている。
「いてぇ。何するんすか師匠!」
「すみません、お客さん。この馬鹿弟子が変な対応をとってしまって。」
そう言いながら弟子の人の頭を押さえて下げさせる。
「いえいえとにかく話が出来て良かった。俺はアレンと言います。今日はギルド長の紹介で防具のメンテナンスと強化をお願いしたくて。」
そう言いながら俺は最初に渡す予定だったギルド長からの紹介状をお爺さんに手渡した。
それを読んでいたお爺さんの顔は驚きの顔になり、最後に納得したような顔をしていた。
「なるほど。アイツからの紹介だなんて一体誰かと思ったら上客じゃねーか。よろしくお願いしますねアレンの旦那。」
そう言いながらお爺さんは話しかけてきた。
最初に話しかけてきた男の人は固まっている。
「えぇよろしくお願いいたします。それで防具としてはこれを。」
と今まで着ていた物を脱いで渡す。
俺はすぐに別に買っていたラフな服に着替える。
その装備を見ながらお爺さんは真剣な目で質問してきた。
「この防具はいつからメンテナンスしてないですか?」
「正確には覚えてないですけどかなり昔だったと思います。」
「最近かなり無茶してましたね。」
「まぁかなりの無茶をしてしまって良くここまでもってくれたと思ってます。」
その質問が終わるとお爺さんは悲しそうな顔をして。
「すみません。この装備を直す事は儂には出来ません。」
「……それはどうしてですか?」
「最近の無茶でかなり劣化が激しくなってます。ここまでになると一回溶かしたりばらしたりして新しく作り直すってことになりますけどそれだと今ある素材じゃ足りなくて……」
「あぁそれなら大丈夫です。」
俺はそのまま今渡せる全ての素材を渡した。
俺の鱗とか爪とかもそのなかに混じっている。
自分から素材を採取するとはこれいかに……
お爺さんはその素材をしばらくの間じっと見つめていたがいきなり顔を上げたかと思うと喜色満面の笑みでこう告げてきた。
「これなら絶対に完璧に作り上げる事が出来ます!6いや4時間待っててください超特急で作り上げてくるので!」
そう言うとお爺さんは俺の装備やら素材やらを抱えて奥の方にこもってしまった。
この店の中には俺と固まったままの男の人が。
しかしその男の人はしばらくすると動き始めて質問をしてきた。
「えーっとアレンさん。」
「はい。そうですけど。」
「【炎帝】と呼ばれる黒ランクの人ですよね。」
「まぁはい。」
そこまで言うと男性の顔が一気に青ざめていった。
そして大きな声で一言
「すいませんでしたぁぁぁぁ!」
と謝ってきた。
その後一瞬だけ出てきたお爺さんにまた頭に拳骨を落とされて痛がっていた……
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