登校初日3
担任「え〜このクラスの担任を任されました荒木 宗一です...よろしく」
生徒達「...」
どすの利いた声で荒木先生が言ったが生徒達は誰一人として返事をしない。
玲(うわ〜誰も返事返さないよ普通なら「よろしくお願いします」とか返すべきだろうけど皆んなビビって固まっちゃってるよ。てか広大こういう時コミュ力出せよ!朝無駄に喋ってたくせになんで肝心な時に声出ないんだよ!お前は喋りすぎるとインターバルでもあるのかよ!)
玲が後ろの席の広大を見ると背筋をピンと伸ばし、顔もこわばっていて、おまけに頭から水をかぶったように汗をかいている。
玲(おいおいお前ビビりすぎだろ!そろそろ気失いそうだろ!)
玲は広大がダメだとわかり再び前を向く、すると心なしか荒木先生の顔が少し不機嫌になっているように思えた。
玲(あ〜このままじゃなんか嫌なことが起こる気がする)
そう思った次の瞬間教室の扉が開き金髪の生徒が入ってきた。
金髪「すみません今日登校日だったの忘れてました」
誰も声を出せなかった緊迫した空気を壊したのは思いもしない奴だった。そして金髪は、荒木先生の見た目にビビりもせずいきなり馴れ馴れしく話しかけた。
金髪「先生‼︎なんすかその格好めっちゃカッケーじゃ無いですか!」
玲(おいおい金髪それはマズイだろただでさえお前遅刻してんだぞ!なのにそんな申し訳なさのかけらもなく話しかけんなよ!登校初日で消えることになるぞ)
しかしそんな玲の心配とはぎゃくに荒木先生は意外と嬉しそうな顔をしている。
荒木先生「そうかそうか忘れてたならしょうが無いな、とりあえず空いている席に座りなさい」
荒木先生は、自分の見た目をほめられたことが余程嬉しかったのか全く起こることなく金髪の生徒を丁度空いていた玲の隣の席に座らせた。
玲(あれ?見た目だけで中身は普通の先生じゃん。てか荒木先生メッチャちょろいなw)
その後、各自自己紹介をさせられ、学校の説明を聞き、プリントなどの配布物を受け取りその日の授業は終わった。