入植者の手記
XX月XX日、快晴
入植して3ヶ月がたつ。落ち着いてきたので日記をつける。ここの気候は激しい。当初の予定では、巨大なドーム型都市をつくって、人間はそこから原則出ないで生活できる予定だったそうだが、まず無理だったろう。そんな大がかりなことをあくまで実験でであるこの入植でするはずもない。人間が宇宙に本格的に移住するのはもっと未来の話になるだろう。もちろん、初の地球外惑星への入植を失敗させてはいけないというのはあるので、命はイレギュラーがない限り保証されるというのはあるのだろうけれど・・・。QOLを期待するのは無謀だ。
XX月XX日、曇り
またアステロイドベルトで燃料輸送機が事故ったそうだ。噂によれば地球の入植計画本部はこの話をなかったことにする方向に動き出しているらしい。まあ、そうなるだろうなと予想はしていた。実際、もとより、資源も枯渇している、経済も破綻しかけている地球に留まるよりは、帰れなくても新天地に飛び立ちたいと思ったから移住したのである。地球では、食料さえ少なくなっていたもので、1日の食いぶちを日給で稼いで、法外な値段の食料を買うような生活だった。ここには食料もあるし、第二次、第三次産業も発達して、町も華やかだし、むしろQOLすら地球にいたときより高いかもしれないと思うようになってきた。
XX月XX日 晴れ
俺の武器はこのヴォーパルソードだ。あまり金がなかったのでやたら古い造りのいわゆるビルディングというやつに住んでいる。ビルディングって・・・死語ワロス。まあこっちにもセメントぐらいあるし丈夫だしでこういうときには適してはいるか・・・。ローンは地球にいたときになんとか払い終えている。まあこっちにも店とかないわけじゃないし地球の企業の支部とか、こっちならではのハンティング社とかの大企業もあるけど、正直ハンターとして半ニートしてるやつが多いよな・・・。ギルドも一応義務だから入ってるけど集会も来ないやつが多い印象がある。俺はいくけど。でも甲殻とか、ギルド介すより商人に仕入れた方が収入いいけどね。小銭稼ぎは大事だよね。
XX月XX日、快晴
いくらか払って蟲の甲殻を自宅で剥ぎ取れる的な機械を手にいれた。でも、まあ自宅の半分を改造するとかの覚悟がないなら業者に頼んだ方がいいかな・・・。
XX月XX日、晴れ
ギルドの女の子と仲良くなった。
XX月XX日、晴れ
ギルドで女の子としゃべった。
XX月XX日、晴れ
上に同じ
XX月XX日、晴れ
上に同じ
XX月XX日、晴れ
上に同じ
XX月XX日、晴れ
今度一緒に食事にいく。日記に飽きてきた。
XX月XX日、晴れ
この間は楽しかった。
XX月XX日、晴れ
2回目の食事。付き合うことになった。
XX月XX日、晴れ
本当に可愛い。
XX月XX日、快晴
気味が悪いぐらい快晴だ。恒星風?とやらが吹くらしい。オーロラが見えるので、街はお祭りムードだ。もちろん彼女と屋台をめぐった。
XX月XX日、快晴、のちオーロラ
ああ、綺麗なオーロラだ。でもどうなってやがる。今日目を覚ましたら蟲が一匹もいない。
XX月XX日、晴れ
腹が減ってきた。街は世紀末だ。まだ辛うじて干しもの系があるが、まず食料をとっておく発想がなかった。くそ。
XX月XX日、晴れ
幻覚が見え始めた。彼女だけは。
XX月XX日、快晴
地球からの宇宙船が見える。ああ、もうダメだ。
XX月XX日
ここで日記は止まっている。