考察
アレックスがハイラルに決闘を挑んだ夜の話しです
土曜日ーーー午後9時
ーアレックスsideー
俺は過去、兄貴に負けている。何故かあまり覚えていないが、負けた、という事だけは覚えている。俺の考えだが、兄貴の能力だろう。セレナは能力【観察眼】により、能力測定として国に雇われており、俺や兄弟の能力を調べたのもセレナである。その時は兄貴は、無能力と記録されたが、それはきっと兄貴の能力であろう。俺の推理では兄貴の能力は【記憶操作】。俺が戦闘内容を覚えていないのも、セレナが無能力と記録したのも、全て兄貴の能力であろう。兄貴は属性のせいで小さい頃から目立ってしまっていて、そこに【記憶操作】なんて物が加わってさらに有名になるのが嫌だったのだろう。でなければ辻褄が合わない。
「しかし……もし本当に【記憶操作】なんて能力が有ったら、とんでもないな……。」
「俺の能力を推理してんのか?」
「なっ……!?」
なに!?ドアも窓も鍵が閉めていたのに、コイツ……どこから入って来たんだ!?
「よう、元気そうだな。」
「いつの間に……?」
「さあ?いつの間に居たんだろうな?」
兄貴が指に鍵を挟んでいる…。創造で鍵を創り、俺の部屋のドアを開けたのか……。
その行動すらわからなかったのは、たぶん能力。
「兄貴、お前の能力わかったぜ……。」
「ほう、言ってみろ。」
「お前の能力は……【記憶操作】だ!」
「へー…よくそこまで考えついたものだな。賞賛に値する。」
「じゃあ、やっぱり。」
「まあ、そうだ、俺がお前らにしたのは記憶操作だ。」
「やっぱりか……。とんでもない能力だな。」
「まあ、とんでもない能力といえばそうだな。」
「兄貴の能力もわかった。これで兄貴に勝てる!」
「ふん……そこまで言えるんだ……。いい作戦でも思いついんだろう?」
「当たり前だ!明日、俺は兄貴を超える!」
「そうかい……。楽しみにしてるぜ。」
カチ
ガチャ
バタン
「いける……。勝てる!これで俺は最強に近づける!!」
ーハイラルsideー
俺は記憶操作をしたとは言ったが、俺の能力が【記憶操作】とは一言も言ってないんだがな…。それに俺は確かに鍵は創ったけれど、それを使ってはいないし。あいつは俺が内側から開けたのに気づいていないし……。まあ良いや。明日が楽しみだなぁ……。どうやって遊んでやろう。その前に……。
「親父殿の部屋に行くか……。」
憂鬱だ。
アレックス【絶対破壊】
セレナ【観察眼】
レイン【魔力兵騎】
リオン【怨狐血真】【暴火凶寒】
ハイラル【】