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矛盾の狂気  作者: クロ
3/12

理由

 その頃、ミリア達はと言うと…


 「ふわっ……。」


 「まだ出来ないの?」


 大きなソファーに座って欠伸をしながら言った三女ミリア。


 「そんなに難しいかな~?」


 大きなソファーにふんぞり返っている三男レイン。


 「うぐぅ……。」


 腕を前に出し手のひらに魔力を集めている四男リオン。


 「魔力をそのまま放出させて、それを球体にする。簡単とは言えないけど難しいとも言えないよね。」


 「能力にばかり頼ってるからいつまで経っても魔法と魔術が使えないんだよ。」


 「レインも人の事言えないと思うけど。」


 「僕の能力は魔力を出鱈目に練っても発動しないけどね。」


 「はぁ……。」


 「取り込み中すまない。」


 「「!?」」ガタッ


 「うわっ!……あ……はあ。」


 「お前らに話しがある。」


 「んもうお兄ちゃん絶対分かって入って来たでしょ。」


 最初に話し掛けて来たのはミリア。黒髪に年相応の肉体。能力は無能力。属性は創造、空間。兄弟の中でも強い分類。武器を主力としている。創造のおかげで戦闘中でも武器を創ってそれを使っている。剣でも斧でも槍でもハンマーでも金棒でも弓でも銃でも使える。空間は移動や武器の貯蔵によく使っている。やろうと思えば空間そのものを歪曲したりも出来る。


 「いてて……全く、ちゃんとドアから入って来てよ。てゆーかどうやって入って来たのさ。」


 椅子から転げ落ちていたレイン。ミリアと双子でよく似ている。違いがあるとすれば、ミリアは金眼で、レインが赤眼。属性は自然属性全部という、今現存している人間の中で100人もいない希少な属性持ち。能力は【魔力兵騎】。魔力の塊を騎士の形を象りそれを目標に向かわせる。しかも騎士には魔法陣を刻むことができる。さらに空気中の魔力を吸収し、何度も魔法を使用できる。自動操作と遠隔操作もできるという能力。どう考えても強い。しかしこれでもアレックスには勝てない。レインの弱点は魔力の枯渇。アレックスとの戦いでは始まった直後に周りの魔力を破壊され、風の『肉体強化』を施したアレックスに触れられてしまい、自分の魔力も破壊されてレインの負けとなった。


 「驚かせたかっただけだ。あとどうやって入って来たかというのは秘密だ。」


 「はー……はー……。」


 この仰向けになり息切れしている奴が一番下の弟リオン。コイツは能力が強い代わりに魔法が壊滅的に下手だ。属性は水、雷。能力は【怨狐血真】と【暴火凶寒】。2つの能力を持つのは結構珍しい。千人に一人が2つの能力を持つ。【怨狐血真】は狐を召喚し、相手が最も恐れる生物に狐が化ける。化けた狐はオリジナルよりは弱いが、化けた物の7割の力を発揮する。相手の意識がなくなれば能力は解かれる。狐は殺されても、消滅させられても魔力を使えばまた蘇生させることができる。【暴火凶寒】は二つの力がある。一つ目は指定した場所を発火させ、その火を追尾させる。込める魔力に依存して威力、速度、追尾時間が変わる。水では消えず、追尾を撒くしかない。二つ目は自分の周りの温度を下げる。こちらも込める魔力によって温度、範囲、時間が変わる。上限は-百度。【怨狐血真】と【暴火凶寒】の弱点は、能力発動までには十秒時間が掛かる。その間にリオンの意識を刈る事。それか破壊すること。正直俺は前者をお勧めする。リオンは完全に能力依存なので、接近戦や魔法の撃ち合いには勝てない。開始直後の能力発動までに畳み掛ければ勝てるかもしれない。だが初手でしくじると【暴火凶寒】を使われ、ジリ貧になり負ける。まあ例の如くアレックスには勝てない。あいつは能力も魔法も肉弾戦も強いからな。


 「もう……辞めて良いよね……。」


 「今日は辞めて良いけど明日もやれよ。継続は力なり。」


 「そーそー!お兄ちゃん良いこと言う!」


 「全く持ってその通りだよ。兄ちゃんの言う通り何事にも積み重ねが大事だ。僕や兄貴だって鍛錬と努力でここまで強くなったんだから。」


 レインが言った兄貴とはアレックスの事だ。


 「うーん、そっか…そうだよな!頑張らなきゃな!」


 「そーそー!その意気!」


 「そういえば兄ちゃん。話しって何?」


 「その事なんだが……お前らはこの国に居て居心地はどうだ?」


 「あまり良くないかな~?視線がキツいし。」


 と、ミリア。


 「ミリアと同意見。」


 と、レイン。


 「うーん、まあ家から外には出たくないって言うのが本音かな。」


 と、リオン。


 やはり居心地悪いか。まあ分かっていたが。


 「そこでだ、次の年までにこの家、この国を出て旅をしないか?」


 「「「……………………。」」」


 まあ流石に嫌か……。どんなに居心地が悪いとはいえこの国にずっと居たんだ。しかも14、15歳じゃあ行く気には……。


 「旅!?何それ!超楽しそうじゃん!」


 「他国か……どんな奴がいるんだろ……ワクワクしてきた!!」


 「行こう!すぐ行こう!」


 「……ふっ、てっきり否定されるのかと思ったぜ。」


 「そんなわけないじゃん!他の国行けるんだよ!?」


 「そうそう!僕らがそんな面白そうなイベント捨てるわけないよ!」


 「いつ行くの?」


 「次の年に国を出る予定だ。あと2ヶ月もある。」


 「よし!そうと決まれば支度しよー!」


 「おう!」


 「誰が家に残るの?」


 「恐らくアレックスとセレナが残ると思う。この件に対しては否定的だったしな。」


 「そっか……あ、置き手紙書く?」


 「いや、俺が直接親父に言って来るから問題ない。」


 「わかった。じゃあ支度して来るね!」


 そう言って部屋から出て行くミリア。


 「僕も準備をしようかな、っと。」


 少しはしゃいでいる様子ので部屋から出て行くレイン。


 「俺も行くか…。」


 若干疲れている様子のリオン。



 ガチャ


 これで決まりかな。俺とレイナとミリアとレインとリオン。


 ガチャ


 「兄貴。」


 「おおアレックス、どうした?俺達を止めに来たか?」


 「止めはしないさ。どうせお前らの事だ。止めようとしても止まらないだろう。俺が良いに来たのは、怪我をするな、死ぬな。それだけだ。後の事は俺と姉貴に任せろ!」


 「アレックス……。」


 俺は家族に恵まれているな……。


 「その代わり、俺と戦え、兄貴!場所は庭全体。時刻は七時だ!」


 「ほお、あの時のリベンジか……。」


 「あの時とはもう違う!俺はお前に勝つぞ、兄貴!」


 「良いだろう、俺もお前と戦いたかったんだ…。見せてやるよ、力の差を!」

【怨狐血真】は温故知新から

【暴火凶寒】は阿鼻叫喚から

読みは同じです。



どうでも良いけど

ハイラルが銀眼、レイナが碧、アレックスが赤、セレナが黄、ミリアが金、レインが赤、リオンが赤




本当にどうでも良いけど

この世界は近親婚可能で、一夫多妻です。

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