第五話
…は?今、なん言った?
僕は、信じられなかった。
当たり前だ。今まで、自分が男だと思っていたから、ね。
驚きを通り越して、呆然としていた。
「だから、貴方、女なんですって。自覚して下さいよ。………デカ女」
此奴は、然り気無く、悪口を織り交ぜてくる様だ。
……ムカつく
僕は、殺意を込めて、睨んだ。
「すいません」
此奴は、普通に言った。
つまり、謝る気持ちゼロに見える、と言うことだ。
…頭、下げてねぇし。謝り方、軽ぃな、おい。
僕が、苦情を心の中で呟くと、
「だから、すいませんってば」
面倒臭そうに、髪をかきあげた。
…本当に、謝ってるんだろうか、此奴。
僕は、疑わしくなってきた。
「………貴方、今、男がとっても“そそられる”格好だって、気づいてます??
…真面に直視出来ないですよ、ったく」
何故か、逆ギレされた。
まぁ、其の気持ち、分かるけど。
だって…僕の格好が凄いから。
此奴が、チロチロチロチロ、視線を外していたのも、分かると思う。
首を曲げて、胸元を見た。
…大胆に開きすぎだ、おい。
分かる人は、分かって頂けたと思う。
敢えて、説明抜きにするが。
…しかも、意外とデケェ。
………それにしても、自分の身体が女だってのも、ねぇ。
些か、不安だ。
「ほら、この上着を着て下さい。その方が、私も落ち着いて話が出来ますしね」
この話、授業中にノートに走り書きした内容です。
書き直してますよ、もちろん。
…先生にバレなくって、良かった。
感想、お待ちしております。