4/13
第四話
「僕」は、次第に、誰なのか、分かっていきます。
其れまで、ご辛抱下さい。
「私の名前は“リュウ”です。以後、お見知りおきを…」
敬々(うやうや)しく礼をした。
…な、何だ此奴!いきなり、僕に礼を…
深く考える前に、吹き出した。
驚き過ぎたのも、理由の一つだ。
「…何で、笑うんですか?其所で」
「あ、いや……。プククククク……」
僕は、笑いが止まらない。
イメージと、名前が、合いスギだ……
「いくら、イメージと名前が一緒だからって……」
リュウは、むくれている。
小さな子供の様で、吹き出しかけたが、ギリギリで踏み留まる。
…はい?
一寸、待てよ。まさか…
「(心の中、)読めんの?」
「はい」
リュウは、いつもの様にシレッと答える。
「其れと、貴方、女ですからね。」
さらりと、変な事まで言った。
…は?今、なんて言った?