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第三話
「す、すみません」
…あ。声、出た。
僕は、慌てた。
何故なら…身体があったから。
僕は、言い訳を述べた。
「キレイだな…と思って」
うん、嘘じゃない。
僕は、自分の身体を見た。
……手と、足だけ、ね。だって、青竜に失礼だろ?
うわっ!!僕の指、細!!手足長ぇ!
…僕って、身長が高い方なんだろうか。
青竜の頭が、僕の目線より下にある。
此が、自分の身体…。
うん、まぁまぁだ。
「よく、言われます」
青竜は、サラッと言う。
きっと、此奴にとって、<キレイ>と言う単語は、<空が青い>と言う事と同じ事なのだろう。
それくらい、当たり前の様に跳ね返されてしまった。
僕は、ムカッと来た。
何だよ、此奴。態度が良くないっ。
「言って置きますが、」
青竜が、また、口を開いた。
僕の心の中を、見透かされた様な気がして、ドキッとした。
そんな事、あるわけ無いのに。
其の目が、僕の心を錯覚させた。
「は、はい」
僕は、思わず返事をしてしまった。
瞳が、僕を誘っているようで。
青竜は、何事もなかった様に、言葉を紡いだ。
「私の名前は、“リュウ”です。以後、お見知りおきを…」
敬々(うやうや)しく礼をした。