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物語から伝説へ  作者: 愚者の夢
四章
30/32

幕間3

 私の名前はリリアと言います。


 私は商人の父を持つ普通の子です。少し違うのはお爺様はこの国で最大の商人ギルドの代表をやっていることでしょうか? 私には余り関係ありませんが…… 


 しかし、そうも言ってられなくなりました。少し前から学校に貴族様の息子さん達が私を訪ねて来られて色々と困った事になっています。何で訪ねてくるかと言いますと交際の申し込みです。これも14歳になってお爺様に言われて貴族様のパーティーに参加してからです。多分、この国で大きな影響力を持つお爺様と、繋がりを持つ為にお家の方から言われて来ているんでしょうが……


 学校での色んな噂などで疲れていた私を気遣って、お父さんが仕入れを兼ねた旅行に連れて行ってくれました。初めて王都を出ると、色んなものが珍しくて楽しい旅行になりました。私の胸の中のモヤモヤが晴れてスッキリしました。


 この旅行でサークさんと運命的な出会いがあって、幸せな気持ちで王都に帰れると思ったのですが、戻る途中に忘れてしまいたい事が起きました。私達はサークさんが居なければ命が無かったでしょう。サークさんに感謝をいくらしても足りません。




 今日は妹の誕生日です。今日から12歳のお祝いの為に、夜にちょっとしたパーティーを開けるように、お昼前から市場に食材の買出しに行きます。私が市場に出掛けようと支度をしていると、アイシャが一緒行くと言ってきたので、二人で向かうことになりました。


 市場に向かうにつれて、人通りが増えてきました。親子連れやお友達同士などみんなが楽しそうに歩いている中、仲の良さそうな若い夫婦を見かけた時には私はあることを思い、アイシャに呼ばれるまでボーっとしてしまいました。アイシャにどうしたの?と聞かれて私は何でもないよと返事をしましたが、お兄ちゃんの名前呼んでいたよと言われ、自分の顔が熱くなり赤くなるのが分かりました。あの夫婦のように一緒にいられたらな~と思ってしまったのは、サークさんが最近会いに来てくれないからです。


 市場までくるとやはり王都の台所と言われるだけあり、沢山の食材と大勢の人で賑わっています。アイシャと逸れない為に私達は手を繋ぎ、色々とお店をみて回ります。そろそろご飯を食べようかと思い、どこのお店にしようかと考えていると突然、アイシャが私の手を引っ張って走り出します。


「急に走り出して危ないでしょう。」


「だって、お兄ちゃんが向こうにいたんだもん。」


 アイシャはサークさんを見かけて走り出したみたいです。お手柄です! 直ぐにお店に入るサークさんの後姿を見つけました。


「お姉ちゃん、お店に入ろ。」


 私が止める前にアイシャはお店に入っていきます。しょうがないですね。私は仕方なが無しに・・・・・・・お店に入ります。アイシャはサークさんの側に行き一緒にご飯を食べようと誘っています。私もサークさんの側まで行くと、お連れの方が居るのに気が付きました。


 お連れの方と一瞬目が合い、お互い好敵手ライバルだと認識しました。今まで見たことのないような綺麗な方です。大人の女性と言う感じで、落ち着いた雰囲気に知的な眼差し、背は私より少し高いぐらいですがスタイルで完全に負けています。しかし、私にはまだ未来があります。ここで落ち込んではいられません。でも、この女性はサークさんとどういった関係でしょうか? 気になりますが、ここでいきなり尋ねるのも不躾だと思い悩んでいると、アイシャがズバリ訊いてくれました。


「お兄ちゃん、このお姉ちゃん誰?」


「立ち話もなんだから、座って話そうか。」


 サークさんはみんな席に座るように言ってきましたが、ここで一回目の戦いです。私達はサークさん隣の席を狙い目線で牽制し合います。サークさんが何処に座り、どうやって自然と隣になるように座るのかと。


「みんな座らないの?」


 サークさんが座ろうと椅子に手を掛けた瞬間、私達の戦いが始ま…


「わたし、お兄ちゃんの隣がいい。」


 アイシャが極めて自然にサークさんの隣に座ってしまいました。私達は呆気にとられてしまいました。仕方がなしにそれぞれ席につきます。そして、サークさんが相手の方を紹介してくれました。


「こちらはレイラと言って色々とお世話になっているんだ。今日も仕事の事で相談していたんだ。」


 レイラさんを紹介すると私達も紹介してくれました。


「この二人はこの前話した時の姉妹で姉のリリアと妹のアイシャ。」


 サークさんの紹介を皮切りに私達はそれぞれの自己紹介をし、お昼ご飯を注文しました。料理が運ばれてくる間にサークさんに最近どうしているのか尋ねると、ギルドの依頼が忙しいみたいです。それでも少しは会いに来てくれたらと思ってしまい、私は自分が少し不機嫌になるのが分かります。それに気が付いたのか、アイシャが私を強調しながらサークさんに話しかけます。


「お兄ちゃん、最近遊びに来てくれないから寂しかったんだよ。特にお姉ちゃん・・・・・が…」


「ア・アイシャ! サークさん、そんな事ないですよ。アイシャが大袈裟に言っているだけです。」


 アイシャの不意な発言で私は慌ててしまいます。少し話題を変えるためにサークさんにお昼からの予定を尋ねます。


「サークさん、この後「サーク、もう少し付き合ってくれませんか?」ありますか?」


 私の言葉にレイラさんが少し大きな声で被せてきました。サークさんを誘おうとしたのを察し、阻止する為に台詞を被せてきたみたいです。


 そこから私達のサークさんを巡る牽制のしあいでした。

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