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物語から伝説へ  作者: 愚者の夢
四章
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四-壱話・・・・・久しぶり再会

久しぶりの投稿になり、すみません。

 王都に来てから一通りの用事は済ますことが出来たので、カルロ達に会いに行こうと思った。

 

 レイラから貰ったメモ紙に書かれている住所はお城に近い区画になり、お城の関係者の位の高い者が多いところだった。この辺りはお店などはなく、閑静な中に豪華なお屋敷が多い。目的の住所のところには、周りに比べると簡素だが、それでも十分大きなお屋敷があった。

 

 呼び鈴があったので押してみると、屋敷の中から初老の男性がやってきた。

 

「どのようなご用件で?」

 

「僕はサークと言います。突然尋ねて来て、すみません。このメモ紙の住所はこちらですか?」

 

 僕は持っていたメモ紙を男性に渡して確認を取った。男性は住所を見てこちらで間違いないですと答えた。

 

「こちらにレイラさんとカルロさんがいらっしゃると思うのですが、面会する事はできますか?」

 

「サーク殿ですな。私はこのお屋敷で執事をさせて頂いています、ロイドと申します。レイラ様はだた今外出しておりますが、カルロ様はいらっしゃいますので中にお入り下さい。」

 

 男性にお屋敷の中に案内された。応接室まで案内される途中で、メモ紙をなぜ持っているのかを尋ねられたので、レイラ本人から渡された事を伝えた。

 

「サーク殿、こちらの部屋で少々お待ち下さい。」

 

 そう言って、執事は部屋を後にした。それから暫くして、部屋の扉が勢いよく開かれた。

 

 バンッ!

 

「ヨッ! 久しぶりだな。」

 

 現れたカルロは片手を上げて、簡単に挨拶をしてきた。僕も簡単に挨拶をし直ぐに来なかった事を詫びた。

 

「やぁ! 久しぶりだね。すぐに挨拶に来なくて、ごめん。」

 

「王都にはいつから来ていたんだ?」

 

 カルロの質問に僕は家を出てから今までの事を掻い摘んで話した。時間を忘れて話していると執事のロイドさんが昼食の用意が出来たと呼びにきた。

 

「お! もうそんな時間か、サークも一緒に食べようぜ。」

 

「ありがとう。ご馳走になるよ。」

 

 カルロと一緒に食堂にいって食事をした。

 

「レイラは帰ってこないのかい?」

 

「ああ、今日は朝からお城に行っている。気になるか?」

 

「いや、挨拶だけでもと思って。忙しのなら仕方がない。」

 

「…サーク、レイラの前では今の台詞は言わないでくれ。」

 

 カルロは哀れんだ表情で僕に言ってきた。

 

 僕は何のことか分からなかったが取り合えず頷いた。そんな僕を見たカルロは、相変わらずかっと言って呆れた顔になった。

 

「そういえば、サークはなぜ冒険者になったんだ? 俺は城にくると思ったんだが?」

 

「何の伝手(つて)もない一般人の僕が、セシリアの近くで手伝うことはまず無理だろう。それなら高ランクの冒険者になって、お城からの依頼をこなし、信頼と実績を得て士官に採用される方が現実的に叶うかなと思ったんだ。それにこの一ヶ月の間、いろんな経験をしてきたが個人でどこまで出来るか、もう少し試したくなったんだ。」

 

「そうか、サークがきたら絶対に俺の隊に入れようと思っていたのに。それに俺の隊ならセシリアの近くで行動出来たのに惜しいな。」

 

「俺の隊? カルロはどの隊に入っているの?」

 

 カルロはセシリアの護衛で王家の森に来たぐらいだから、実力も信頼も高いだろう。それにセシリアの近くで行動できたと言うことは、城の中でも身分も高いのだろう。

 

「俺の所属か? 聞いて驚け。」

 

 カルロは自慢げに答えた。

 

「俺は近衛隊、三番隊の副隊長様だ!」

 

「へぇ~そうなんだ。」

 

 僕は想像した通り、いやそれ以上か。

 

「なんだ。反応が薄いな。少しは驚いてくれるかと思ったのに。」

 

 カルロはつまらなそうな顔をしていたが何かを思いついたようで僕に時間があるか聞いてきた。

 

「サーク、まだ時間は大丈夫か?」

 

「ああ、特に予定はないから大丈夫。」

 

「よし! これから俺について来てくれ。爺、馬車を用意してくれ!」

 

 カルロは突然立ち上がり、馬車の手配をした。

 

「いきなり、どこに行くんだ?」

 

 僕はカルロに尋ねたが答えは黙ってついて来れば分かると言うだけだった。用意された馬車に乗り込んでから、二十分程揺られると目的の場所に着いたみたいだ。

 

 馬車を降りた先にはお城の門があった。

 

「カルロ、お城に連れて来て何をするつもりなんだ。」

 

「いいから、俺について来い。」

 

 カルロは門の前に立っている守衛に手を挙げて挨拶をすると中に入って行った。僕もカルロに続いて中に入ろうとすると守衛に止められてしまった。

 

「城の中には関係者以外は立入禁止です。お引き取り下さい。」

 

 止められた僕を見たカルロは、守衛の所に戻ってきて僕が入れるように言ってくれた。

 

「ああ、すまん。俺の連れだ。身元は俺が保証するから入れてくれ。」

 

「カルロ氏がそう言われるなら分かりました。今度からは必ず手続きおこなってからにして下さい。」

 

 守衛は仕方がなしに僕をお城の中へ通してくれた。このやり取りでもカルロの身分と信頼の高さがわかる。お城の中は広々としており、白を基調とした内装で一見派手さはないが細部に職人の技が冴え渡る。僕はカルロに連れられて一緒に歩いていくと、カルロはすれ違うメイド達に声を掛けられる。

 

「カルロ様、今日はお休みではなかったですか?」

 

「カルロ様、そちらの方はどなたですか?」

 

 メイドの二人がカルロに質問をしてきた。

 

「ああ、そうだ。友人に城を案内しようと思ってきたんだ。」

 

「そうですか、それなら私達がご案内をしましょうか? その代わり、今度お食事に連れて行って下さい。」

 

 カルロは少し考える素振りをしながら答えた。

 

「折角の提案だが今日は俺が案内するよ。ありがとう。」

 

 カルロの答えにメイド達がシュンっと落ち込んだ顔になると、すぐにカルロはメイド達を今度の休日に食事に誘っていた。メイド達はカルロの誘いを聞いて落ち込んだ顔が一瞬で笑顔に変わり、2人は声を揃えて

 

「「はい! お願いします。」」

 

 メイド達は頬をほんのり赤く染めて、頭を下げて答えてきた。カルロはメイドに手を振りながら別れた。

 

「どうだ、俺も女の子に人気があるだろう。」

 

 僕に向かって話し掛けてきたが、そうだねと言って頷くしかなかった。

 

 …暫く歩くと、カルロは急に立ち止まり、クルっと回れ右をして来た道を引き返そうとしたが、前から来た貴婦人に呼び止められた。

 

「カルロ殿、止まりなさい!」

 

 呼び止められたカルロは暑さとは無縁な汗が額から滲み出ており、貴婦人の方へぎこちなく振り向いて挨拶をした。

 

「…これはこれは、ランスィート様。御挨拶が遅れまして申し訳ございません。」

 

「そんな事はいいです。それよりわたくしのことはいつも名前か、それともお義母かあ様と呼ぶように言っているでしょう?」

 

 ランスィート様はカルロに近づいて来て、指をしながらカルロに注意してきた。

 

「いや、しかしランスィート様に対してお名前でお呼びするのは余りにも御無礼だと思いますし、あのお話はまだ正式にお受け致していませんから…」

 

わたくしが良いと言っているのです。何か不都合がありますか?」

 

 歯切れの悪い答えをするカルロにランスィート様は両腕を組んで不満を顕にした。

 

「あ~ぁ、昔の素直で可愛かったカルロちゃんはどこに行ったのでしょう?昔はわたくしの言った事に素直に応じてくれて、凄く可愛かったですのに…」

 

 カルロは話を慌てて遮った。

 

「あー! わかりました。エルリース様、これで良いでしょう! 友人の前で恥ずかしいですから、昔の話は止めて下さい。」

 

「そうそう、素直なカルロちゃんは可愛くって好きよ。で、そちらの友人さんを紹介してもらえないかしら?」

 

 僕の事に話が移ったので、ここは先に自己紹介しておこう。

 

「僕は王家の森から来ました、サークと言います。ランスィート様、紹介が遅れましてすみません。」

 

 深々と頭を下げて一礼をした。

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