雨はきらいじゃない
雨
まだ薄暗い…
そして屋根にあたる雨粒…
バラバラバラバラと音をたてる雨粒。
パラパラなら小雨程度だろうけど、今朝の雨粒は…結構降っている音だ。
あーダリー…
学校行くのめんど…
ハァと、雨粒みたいに大きなため息を一息ついて、仕方なく布団から起き上がった。
起きてすぐ、母さんにおはようを言った。
今日送って行こうか?って言われるんじゃないかって希望を込めて。
しかし…
待っていた言葉とは、違うものが返ってきた。
そのご飯あっためて。
それだけだった。
あ、はい。
…
仕方なく支度して、カッパを羽織りヘルメット装着。
…
うぜーくらい次から次へと降り注ぐ雨。
くそー‼︎
ヤケクソで学校へ向かった。
ハァハァハァ
なんとか到着してカッパを脱ぐ。
ビシャビシャで気持ち悪いカッパを、他の人にかからないように、雨を振り払う。
でてけ‼︎でてけ‼︎おちろ落ちろ堕ちろ‼︎
厄祓いしたカッパは、自転車のカゴに適当に丸めて丸く収めた。
軽く呪いを解いたところで、昇降口へ向かった。
濡れた前髪を指ではらう。
クソが…
「おう、山瀬じゃん。今日チャリ?」
話しかけてきたクラスメイトの山口をみると、濡れてない…
「そうだよ。おまえ車?」
「はい正解ー」
「クソが」
「はは、てか今日雨凄くね?」
「それな。」
「なぁ、山瀬。降るなら雨じゃなくてなにがいい?」
「飴ちゃん」
「あー、俺は金」
「がめついかよ」
「まぁな」
クスクスと笑い声が聞こえた。
⁉︎
神山さん⁉︎
神山さんとは、学年一の清楚系美女。
その美女がオレたちをみて微笑んでいらっしゃる。
「二人って面白いね。」
「え、ああ、ありがとう」
「だろ、コイツの前髪もっと面白いぞ」
山口が調子にのって、オレの前髪をぐしゃぐしゃにしてオールにしやがった。
「やめろよ」
慌てて手グシして、前髪を戻した。
「ふふ、はい。これで拭いていいよ」
神山さんからハンカチを手渡された。
「え、いいよ。かわいいハンカチが汚れちゃう」
「いいの、二枚あるし。山瀬くん偉いね。自転車できたんでしょ?かっこいい。そういう頑張り屋さんわたし、好き。」
⁉︎
「あ、ありがとう」
神山さんっ‼︎
神やん‼︎
オレに雨じゃなくて、愛が降り注いだ瞬間だった。
おしまい♡




