初めてのダンジョン
「……では、皆分かったね? これから、君ら四人は洞窟へと入る。一番奥まで行ったらゴールね?」
「いいよ!」
「では、いきなしだが、魔法使いの人」
「なに?」
「トラップ判定!」
「えー!」「マジか?」
「それってシーフ(盗賊)の役目じゃないの?」
「だって、君ら、勇者、勇者、魔法使い、遊び人だろ? それにこれは魔法のトラップだ」
「うう、わかったわよ。山札から引くのよね?」
「そ! スペードの山札からもね」
「クローバーの5、スペードは3」
「自然のトラップ?」
「守護獣とか?」
「いや、スペードが3だから、大したものじゃない。そうだな、入り口が上から崩れてきた!」
「3で!!!!?」
「だーかーら! トラップ判定なんだから、3なんだよ。皆が入ってから落ちた。つまり、進めばいいわけ! ま、暗いから灯りの魔法なんかあったらいいかな?」
「じゃあ、【MP】から引くでいいの?」
「そうだね。シンプルにスペードの山札なしで、さっきの3でいいよ。MPマイナス3、明るくなった!」
「よし! 進もう!!」
「では、別れ道だ。右か左、どっち行く? スペードが奇数だったら右、左は偶数にする?」
「それでいこう」「うん」
「スペードは7だ。早速だけど、モンスター。ただ、不意打ちはなし、普通の戦闘ね。モンスターはスライムかな」
「じゃあ、俺の魔法でやっつけるさ! スライムの【HP】は?」
「10かな?」
「よーし、山札から、ダイヤの4、これは物理的な魔法ってことか? それじゃスライムには効かないだろ? 効かないと分かってて使うバカはいないだろ?」
「まあ、そうだね。じゃあこうしよう、魔法は宣告制、ハートは炎、ダイヤは氷、クローバーは風の魔法にしよう!」
「おっけー! じゃあスペードの! 6!」
「うん、やっつけたね。敵が一匹で良かったね。それじゃ進んで」
「って、進み具合は、進行の貴方次第でしょ!」
「あ、そうか! それでは骸骨が転がっていた。どうする?」
「無視」「見るだけ」「遊び人としては面白いものがないか、触ってみたい!」
「スペード引いて」
「え? なんかやな予感」
「11!」
「ふふふ、これはね? モンスターだよ! 遊び人HPからマイナス11!」
「ひええ」
「斬る! ハートの2、スペードは6! どうだ!」
「うーん、骸骨モンスターにハートってことは、効果良さそうだな。では、6の2倍! だが、まだ倒せない」
「次は私の番よ! 魔法! クローバーの5、風ね、スペード! 8!」
「風の刃、かまいたちかな? が、これは倒しただろうMP、マイナス8ね?」
「げ……」
「ところで、君たち、ヒーラーがいないじゃん」
「いや、勇者ができるさ」
「勇者はなんでもあり!」
「ま、いいけど」
「あ! 魔法使いって別に回復魔法使ってもいいのよね? 攻撃だけって、昔のゲームじゃないんだから!」
「なるほど、それはたしかに理にかなってるね。と、とことこ進み、また別れ道だ。今度は地上に出れそうな風が吹いている道と、水で埋まってるけど泳いでいけそうな道。どうする?」
「お宝は水の方だろうな」
「おいおい、遊び人は死んでるぞ?」
「え?」
「あれ? 言わなかったっけ?」
「言ってない!」
「骸骨の呪いさ、遊び人ごときには防げない。その名も道連れの呪い」
「じゃあ、オイラは何をすれば?」
「コンビニで飲み物買ってきて」「私はリンゴジュース!」「コーラ」「オヤツも!」
「うう、お前ら鬼畜だ! ちくしょー!!」ダダダ。(某RPGの階段の音)
「で、どうする?」
「罠か?」
「判定はできないよ。どれも君らは未知だから」
「二手に別れるか? 勇者なら一人でもいけるだろ? 魔法使いは待機でさ」
「進行はできるとだけ言っておく」
「待って! 私魔法使いよね? だったら水を操って通り易くできたりしない?」
「ほー」
「それはいいアイディアだね。MP結構使いそうだけど?」
「やるわ」
「じゃあスペードから、MPマイナス6」
「で? 水路に三人で進むのかい?」
「どうする?」
「んー、ちょっと先に見てくる、ってのは、リスクは分散した方がいいだろ?」
「決まった? 勇者一人で進み、その奥には扉があった! トラップじゃなくて筋力で開けれるか? 魔法で開けるか?」
「まず、筋力だな」
「スペード次第かな。引いて」
「4」
「ぶー、ダメでした」
「ところで、このやり取りは魔法使いともう一人の勇者には伝わっているのか?」
「ううん、無理、伝わってないよ」
「じゃあ一度引き返すよ。二人なら開けられるかも」
「そだね」
「ってことで、勇者二人なら開いただろう引かなくていいよ。ただの扉だから」
ギィ……
「扉の向こうには、なんと、村があった! 洞窟内にね」
「へ?」「どういうこと?」
「おっ! お客かい? と、声をかけられた」
「ここはなんですか? と応える」
「大魔法使い【トイレ】によってできた、歪曲空間さ」
「なにそれ?」
「まぁ、ゆっくりしていきな!
酒でもおごろうか?」
「いえ、全員未成年なので」
「そう硬いこというなよ! ほらっ。と勧められたが、飲む?」
「飲まない!」
「じゃあ、酔っ払いに絡まれたとしよう。 敵は三人、HP5」
「これはスペードだけ、つまり体術でいいかい?」
「いいよ」
「私は魔法使うわ。そうね、三人とも眠らせるようなもの」
「MPマイナス3でいいよ。スペードだけ引いて」
「9! 無駄な運使ったわ」
「では野次馬諸共眠らせることに成功。店主以外はね。お代、山札から引いて」
「えっ? 私が??」
「そりゃそうでしょ。客を眠らせたんだよ? 店の損失は?」
「ところで、持ち金は?」
「それは気にしないでいいよ。眠らせたんだよ? 催眠魔法くらい使えるはずさ」
「スペードの2」
「店主、怒りだす! 包丁片手に魔法使いへ!」
「ダイヤの6、スペードの12!」
「勇者の行いだね。まさしくシールドアタックだ。店主気絶」
「ねぇ、とっとと進みましょう!?」
「実はここかなり広い。どこへ行けばいいのかわかりません!」
「アレで行こう! 左に曲がり続ければどんなダンジョンだって【いつかは】出られるやつ」
「ああ、そうだね。くねくねしてたら分からなくなる。まあ、なんとか扉に着いた」
「で?」
「この先は宝物庫っぽい」
「開けよう!」
「死人に口なし! 黙ってて!」
「魔法使うわ」
「MP残り幾つ?」
「14よ」
「辞めておいた方がいいな。戦闘になったらまともな魔法使えないぞ?」
「勇者二人で力づく!」
「スペード引いて!」
「2」
「じゃあ無理。他に行くんだね」
「左つてに進む!」
「扉の無い大穴だ。出口だね。村の。ここからは簡単だよ」
「村があったぐらいだもんな」
「と、思わせて、ボス! 大魔法使いトイレの登場! この空間からの脱出は許さない的なので!」
「魔法使いなら、剣で!」
「待って、トイレが先だよ。トイレは空間、風の魔法を使う、スペードは10! んー、勇者二人を見て、シールド代わりに空間の盾、破壊不可能なモノを作り出した」
「ふふふ、勇者だって、魔法使えるからね! 魔法! ハートの8、スペードは7! どうしようかな? トイレのシールドには効かない?」
「効かないね」
「では、熱波! 空間を超える熱いやつ!」
「いいけど、そんなんじゃダメージないよ?」
「いいの! 不快指数上げれれば」
「俺も魔法! ハートだ。3。よし、熱波に加勢!」
「スペードは?」
「引かなくてよくね? この空間の盾を無くすのが目的で、不快指数高めてるだけだから、仮にキングがでても、また空間作られたら意味ないし」
「ってことは私次第ね! 先に聞いておくけど、風魔法は無意味?」
「無意味ってことはないよ」
「わかったわ。それ! ダイヤの9、スペードは7……。わかった! 熱波の空間に一気にお湯を入れるのよ!」
「そりゃ堪らず空間を変えるだろうね。どう変えるかは分からないけど。可能性としては空間の拡大。蒸し焼きにならないように、パーティーも巻き込みつつの、バリア形態を解除」
「すかさず、斬る!」
「待った! トイレが先! クローバーの1、スペードは10。うーん、その拡大した風圧で三人にダメージ5くらいかな?」
「今度こそ斬る! ハートの3でスペードは4。強化した剣ってことで!」
「いいよ、トイレにダメージ7」
「勇者ニ、魔法使います! クローバーの5、スペードは2。これは?」
「トイレは風に強いから属性じゃなくて、普通のクローバー、自然や生き物などで! 召喚かな? なんだろ?」
「ドラゴン!」
「無理!」
「赤ちゃんのドラゴン!」
「いいけど、役に立つ?」
「かぶりつく! 毎ターントイレに1ダメージ!」
「まあいいか。じゃあそろそろトイレは本気を出すよ?」
「私まだなんだけど?」
「勇者のスピードについて来れるはずがないので却下。さて、ここにオリジナルスペード、14から20がある。これを今までのスペードと合わせてきる。さぁどうなるかね?」
「げっ!」
「スペードは8だ。さっきあったよね。かまいたちだ。誰にしよう? ハートだったら勇者1、ダイヤは勇者2、クローバーなら魔法使い。なのと、大魔法使いが魔法使いと同じダメージなわけがなく、ハートの5、5足す8!」
「なんの! まだHPはある!」
「なぁ、俺らもそのスペードの山札でいいの?」
「だめよーダメダメ! トイレ専用!」
「ねぇ! そろそろいいかしら?」
「どうぞ」
「ダイヤの13!!!!! やば! 氷魔法の極致! スペードは8。あれ?」
「まあ、ダメージ判定はあくまで基準だから、キング引いて他の8と同じわけない! よし、トイレに13かける8……」
「っておい! トイレのHP!」
「ん? 言ってなかったっけ?」
「言ってない!!」
「1000だよ」
「チート過ぎるだろ!」「ムリが過ぎる!」
「なにを、一人の剣豪と三人の弓使いだと、三人いればそのうち倒せるさ。剣豪が誰を狙うか次第だね。で、トイレは魔法使い狙い! ハートの5、スペードの12! 風と炎、熱波っていうか、かめはめ◯みたいな魔法……」
「ちょっと待った! 赤ちゃんドラゴンのいたずら発動! ってしてもいい?」
「まあ、いいよ」
「クローバーの9、スペードの3。あくまでいたずらだから、風のいたずら、そのトイレの魔法を反らすような感じで?」
「うん、いいね! 魔法使いはダメージを受けたが3で切り抜けた!」
「ふう、ありがとうドラゴンくん」
「女の子です」
「えっ!」
「どうでもいいでしょ! 勇者二人の攻撃どうぞ」
「ダイヤの7、スペードは……。1……」
「……」
「では、ダイヤの4、クローバー10!」
「てことは、勇者二人による剣撃だね。一人目はダメージを与えられなかったが、そのおかげで隙ができた! 11の斬撃、ただトイレが強いと言ってもあくまで人間だから剣で斬られれば死ぬこともある。ラック(幸運値)判定、二人スペード引いて! 合わせて奇数ならかけ算、偶数なら足し算を11にやるダイヤを計算し直す」
「とりゃ! 4!」
「頼む! 5!」
「かけ算だね。7かける4、21のダメージ。但しすぐさまトイレは空間を固定し、止血する。なので、1回お休み」
「よし! 俺は魔法! 残りMP4しかないからダメージは期待できない、ならば、勇者ニに強化魔法、攻撃、つまり、スペードを2回引ける!」
「認めよう」
「じゃ、ハートの8、スペードは4、と9!」
「これもかけ算でいいよ」
「36!」
「魔法使いの魔法! 私はMP使いたくないから、杖でたたく」
「たたく?」
「いいよ。但しスペードだけね」
「6!」
「まあ、だいぶトイレも弱ったし戦意が薄れている。ここらへんで撤退かな?」
「やったー!」
「おめでとうゴールだ。少し奥に秘伝の書【空間魔法入門】があった! 魔法使いはレベルアップ!」
と、ここでこのTRPGのリプレイらしきものは終わるのですが、お気づきになられたでしょうか?
会話している風に見えますが、これはどこかの誰かの夢。一人での言。怖い話なのです。もうすぐ秋ですね。ふふふ。




