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「限られた選択肢と吉野の決断」
吉野は、
弘子から貰ったサクラナの住所が書かれた紙片を見つめた。
そして、
現在のサクラナの状況がどうであろうが、
その後、
吉野がどういう行動に出るべきであるかとは関係なく、
吉野に残された選択肢はたった二つしかないことに気づいた。
それは、
ここでその紙片を破り捨てて、
サクラナのことを一生忘れるか、
それとも、
最初に決めたようにサクラナに会いに行くか、
いずれかの選択肢しかないことに。
そして、吉野は決断した。
次の日曜日にサクラナに会いに行くことに。