「仮病と軽食」
それから、
30分ほどすると、
4人はスケートをやめ吉野の所へやってきた。
「ああ、腹へった。
どこかに食いに行こう。
吉野、おまえはどうする?」
と
康夫が言った。
「みんな、
もうスケートやめるのか?」
4人はいっせいにうなづいた。
「じゃあ、おれも一緒に食いに行く」
「吉野くん、もう大丈夫なの?」
との弘子の質問に対し、
「まだ少し頭が痛いけど何か食べれば治っちゃうよ」
と笑顔を作って答えた。
吉野たちはスケート場から
少し離れたところにあるファーストフード店に行き、
ハンバーガーなどを食べた。
ここでも、
吉野はサクラナと一言も口をきかなかった。
吉野たちが軽い食事を終え、
店を出ると、
康夫が吉野たちに向かって、
「これからどうする?」
と尋ねてきた。
すると、
弘子が、
「ゲーセンにでも行かない?」
と提案した。
康夫と健児は、
「そうしよう」
と答えたが、
吉野はなんとなく気分がのらなかったので、
「俺は調子悪いから帰る」
と言った。
これを聞いたサクラナは少し考えていたが、
「あたしも帰る」
と答え、
5人はここで解散することになり、
吉野とサクラナは○○駅の方に、
弘子・康夫・健児は××の方に歩き出した。