表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/83

「最後のクラス替え」


それから、何か月かが過ぎ、

中学生最後のクラス替えの発表があった。

 幸運にも、

 吉野とサクラナは同じD組であった。

 池田は違ったが、

 弘子も一緒である。

 その時の喜びは

第一志望の高校に合格した時の比ではなかった。

 

 『彼女と仲良くなれるかもしれない』

 

吉野は希望に夢をふくらませた。

 だが、

 吉野とサクラナは一学期の間は話す機会さえなかった。

 席が離れ、班も違ったからである。

 その間、

 吉野の耳にはサクラナの悪評だけしか入らなかった。

 

 『口が悪い』

 『我が強い』

 『美人を鼻にかけている』

 『短気』


 そんな評判ばかりである。

 もちろん、

その美しさについて異論を唱えるものはいなかったが、

 彼女を嫌うものはいても彼女を好きな者がいる

と言った噂はまるでなかった。

 それほど、彼女は嫌われていた。

 それでも、

 彼女が仲間外れにされることはなかった。

 むしろ、

 彼女のまわりを

いつも弘子をはじめとした何人かの女子がとりまいていた。

 そこに彼女の不思議な魅力があった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ