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「ピンク色の封筒の中身」

 

吉野は気を取り直すと、

 鞄から封筒を取りだし素早く席をはなれ教室を出た。

 吉野は自分がいる校舎から

少し離れた体育館のトイレに向かった。

 もちろんトイレで人知れず

封筒の中身を見たかったからである。

 吉野は目的地に着くと中から鍵を掛け、

 ふーと息をつき、

そっと封筒の裏に貼られた苺を象った

小さなシールを剥がした。

 そして、

 封筒を開け三つ折にされた便箋と

数枚の写真が入っているのを確認すると、

便箋だけを取り出した。

 封筒と同じピンク地の便箋には

金色の枠が印刷されていて、

その枠の中の上の方に、

小さく細い文字で、

 たった三行



 昨日はごめんなさい。

 良かったら、同封の写真、友達に渡してください。

 いらなかったら捨ててください。



と書かれていた。

 吉野はしばらく便箋を見ていたが、

突然、笑い出した。三行の文章の下には絵が描かれていた。

 十種類以上の色鉛筆が使われていて、

丹念に描かれた絵が。

 髪を三つ編みにした女の子がフランス人形が纏うような

はでなドレスを着ている絵である。

 その女の子は正面を向きまるで

あやまっているかのように首を下に少し屈め、

胸の前で両手を合わせている。

 そして、

 何故かその女の子はウインクでもするかのように

片目をつぶっているのである。

 吉野は何故かその絵がとてもおかしかった。

 そのため、トイレの中で、

声を立てて笑ってしまった。

 すると、ドアを叩く音がし、

ほぼ同時に、

 「おーい。吉野。なにがおかしいんだ」

と声がした。


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