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プロローグ(初恋の人は今?)

 スクエア・ガーデンでは、

 吉野武彦、河合由美両名の結婚披露宴が行われていた。

 二百名を越える人間の祝福をうけ、

両名は幸せの絶頂にいるはずであった。

 しかし、吉野は少しも幸せを感じていなかった。

 彼は由美を愛していなかったからである。

 彼にとって由美は只の結婚相手にすぎなかった。

 吉野は結婚と恋愛とをまったく別のもの

と考えていた。

 愛がなくとも結婚は出来る、

 もちろん結婚をしなくても恋愛はできる、

 吉野はそう考えていた。

 彼にとって、

 結婚は一つのステータスを得るための手段にすぎなかった。

 彼は東京都庁に勤めて4年になり今年で26である。

 そろそろ既婚という一つのステータスを得ても良い年頃になる。

 そんな時に由美との見合話がもちあがった。

 話しを聞いてみると、

 彼女は今年で22になり次女で短大出身のOLで

学歴も家柄も彼と釣り合っている。

 見合写真を見るかぎり、なかなかの美形であった。

 条件面では、

 彼女は長男である吉野の結婚相手としては

申し分がないように思えた。

 そこで、見合いをしてみると、

 由美は写真以上に器量が良く、

明るくて世間ずれしたところもない。

 それでいて、しんは強そうであり、

彼の両親も気にいった。

 

 『彼女ならきっと家庭的な良妻になるに違いない。』


 吉野はそう思った。

 

 そこで、

 吉野は見合が終わると

 

 『これからも交際を続けたい。』旨申し入れた。


 由美の方も交際を希望した。

 そして、

 二人はその後三度のデートを経て結婚する運びとなった。


 そんな吉野であったが、

 いざ結婚披露宴の席にたってみると、

空しかった。

 実は、彼の心の中には、ある一人の女性がいた。

 

 彼女の名は樫サクラナ、

 

 彼が愛した唯一の女性である。

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