2.東の楽園
国を失い帝国に連れていかれた民族の部族達は奴隷となった。
民たちは奴隷として帝国の様々な肉体労働、雑務、兵役などを課され離ればなれにされた。
部族の長達は帝国の皇帝の前に連れていかれた。
皇帝は居並び平伏する部族の長達に帝国に彼らの知りえる知識を全て帝国に教えるように命令した。
部族の長達は逆らうことなく平伏し民たちの命を懇願した。
そして彼らは自らの国で培った知識を素直に伝え帝国に仕え支えることになる。
部族の長達には国で培った知識、英知はそれほど重要ではなかった。
一番大事なのは神の残された印。遺物と同じ同胞の命であった。
部族の長達は内密に運び込まれた神の遺物は命がけで守る。それ以外はすべて捧げる盟約をしていた。
しかし、そんな悲壮な覚悟の長達の誓などあまり意味がなかった。
皇帝は最初から部族の信じる神に興味がなかった。
部族の民の命も興味なく。労働力としてしかみていなく知識も帝国に少しでも役に立てばいい程度の考えでしかなかった
それは皇帝はもとより征服した民。下の民族だという蔑む気持ちがもとよりあった。
長達の懇願は叶った。
しかし部族の民は帝国に併合され動向は記されることはなくなり歴史にはここをもって消えることになる。
帝国の奴隷時代、長達は思いのほか自由な生活が保障された。
知識を与え、帝国の為にと更に研究したいと伝えると帝国は資金と時間をくれた。
ある程度実績が認められると自由な行動が許された。
部族から美しい娘が生まれたなら血族を有力な権力者に嫁がせた。
積極的に他民族の血を交配することにした。
それらの動きで表には部族の名前が出てくることはないが帝国内外に力を得ることになる。
そして彼らは力と知識を蓄えていく。
それにより神の遺物は守られた。
そして彼らは国を失い奴隷となるも一つの大きな学びをする。
知識は他者に与えることで尊敬される。
そしてそれを表に出さず支えることに徹する。
血族を有力者に嫁がせることで自分たちを守れる。そして時間をかけて取り込むことができる。
決して表舞台に現れず自分たち部族を様々な敵意から守ることができる。
それにより神の遺物も守れる。
時代が流れ彼らの支配した帝国の興亡は彼ら部族に目的を与える余裕ができた。
今こそ使命を果たすべきだ。そおいう声がおおきくなる。
「東の楽園へ行くべきだ」
「神の印を建てる地を目指そう」
時代の中で国の興亡をみてきた部族の長達は優秀な者たちを選別して旅に出すことにした。




