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モブな私は自由なはず‥‥うるさいですわよ!ヒロインども!!  作者: おかき


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28話 王妃様とのお茶会

喫茶店でアーネットとケイシーと別れ、街を歩きながら馬車を停めてある広場まで向かう。

「考えてみたら、私って同年代の知り合いはセドしかいないわ⋯⋯。」

エリアナがふと思い出した。


「ではケイシー嬢が初めての知り合いで、初めてのお友達ですね。」

セドリックが優しい声で返事をくれた。

エリアナはその言葉に嬉しくなり、セドリックの手を握る。

二人仲良く手を繋ぎ、会話を楽しみながら馬車へと向かった。


セドリックは気が付いていた。

すれ違う男性の視線が、エリアナに向けられていた事に。

セドリックは牽制の意味も含め、態と仲良い様を見せつけていたのだ。


二人の仲睦まじい姿を見て、目の保養とばかりに見つめる者も沢山いた。

噂ばかりで姿を見れない二人を目にした人は、自慢気に知り合いに話をする。


社交界での話題は常にこの二人の話題で持ちきりになって行く。


噂の的のエリアナだが、マリーと共に下着の作成に取り掛かっていた。

夜会の時の衣装に合わせたかったのだが間に合わず、下着は落ち着いてから取り掛かることにしていた。


美しく妖艶な刺繡を施されたレースの下着は、マリーをはじめ従業員にも好評だった。

ワイヤーを作れない為、編み方を工夫しレースに伸縮性を持たせた。

また、平民向けの下着は実用性を重視しながらも、リボンや小さな刺繡を施し可愛さをアピールする。

平民向けは利益を取らない。

貴族にその分を上乗せするのだ。

(これは、マリーさんとの秘密になる。)


ドレスと同じ生地や刺繍を施してセットにする。

一番に勧めるのは、王妃様となった。


陛下が言われた通り、エリアナにお茶会の招待状が届いた。

招待状には、エリアナの名前と母のエリザの名前が書かれていた。


エリザは顔を青褪め、プルプル震えながら王妃様からの招待状を見ている⋯⋯。

エリザはいきなり招待状を握りしめると、どこかに出かけてしまった。


エリアナも王妃様からの招待状に驚きはしたが、事前に陛下からの話もありエリザよりは落ち着いていた。

セドリックとお茶会の衣装をどうするか話し合っていると、急に邸か騒がしくなった。


セドリックと部屋から出て騒がしい玄関に向かう。

そこにはセリーヌ夫人がエリザといた。


「エリアナちゃん!やったわね!」

エリアナはセリーヌ夫人の言葉に首を傾げる。

理由も分からないまま、リビングでお茶をしながら話を聞く。


「以前、私がエリアナちゃんに言った事を覚えているかしら?

エリアナちゃん次第でお母様のことを嘲笑う人を見返せるって。」

マリーさんのお店でセリーヌ夫人から言われた言葉。

エリアナが母を守る為に社交界で戦うと、覚悟を決めた日だった。


「はい。覚えています。」

エリアナがそう返事をする。


「エリザさんを悪く言う人は確かに減りました。ですが、やはり下位貴族である事から話題の標的になるのよ。

エリアナちゃんは先日の夜会で話題の人になり、エリアナちゃんを悪く言う人は少ないわ。でもエリザさんは違う。

娘のエリアナちゃんが話題になればなるほどに、妬み嫉みををエリザさんに向けてしまう。」


エリアナは自分のせいで母の立場を悪くしたのかと、顔をどんどん悪くする。


「エリアナちゃん!違うからね!この先の話をちゃんと聞いてね。」

セリーヌ夫人がエリアナの手を握りしっかり視線を合わせて言い聞かせる。


「私はいつか王妃様にエリアナちゃんを会わせるつもりだったのよ?商会やマリーの衣装の話題を手土産に、エリアナちゃんを紹介するつもりだったの。

でもそれより先に王妃様から招待をされた。王妃様は馴れ合わない、とても厳しい方なの。お茶会もあまり開かないの。」

エリアナはじっとマリーを見つめる。


「そんな王妃様から招待状を貰った。

大切なのはここからよ!

招待状にお母様のエリザさんの名前があった。それは、王妃様がエリザさんとの交流を求めた証なの!社交界で王妃様から交流を求められたエリザさんを悪く言う事は、エンザさんと交流を持った王妃様をも悪く言った事になる。」


エリアナはハッとなり、エリザに視線を向けた。

エリザは泣きそうな顔で、エリアナに微笑んだ。

エリアナが母に微笑み返すとゆっくりと視線をセリーヌに戻した。


「エリアナちゃんの話しを王妃様は聞いていると思うわ。S級冒険者である事や神様のお気に入りである事を。

それらは全て、エリアナちゃんが頑張って生きてきたから手にしたものなのよ?エリアナちゃんが手にした武器で、お母様を守ったのよ!」


セリーヌ夫人の言葉に安堵からか、エリアナの瞳からは涙が溢れて止まらない。


母の過去を知ってからは更に貴族社会に嫌悪し、うんざりしていた。

そんな社交界から母を守りたかった。

娘達を愛してくれる父と母を守りたかったのだ。

号泣するエリアナをセリーヌが抱きしめ慰める。


エリアナの肩を掴むと、しっかりと言い聞かせる。


「王妃様は厳しい方ですが、とても優しい方よ。嘘や建前が嫌いなの。

エリアナちゃんは飾らず、そのままの自分で会いなさい。大丈夫。王妃様はちゃんとエリアナちゃんとエリザさんを見てくれるわ!」


(王妃様からの信頼が厚いセリーヌ夫人が言うのだもの。きっと悪い方ではないはず。)


エリアナはグッと拳を握る。

「ありがとうございます。セリーヌ様。」

エリアナはニッコリ微笑んでお礼を伝えた。

「可愛いわ!!」

セリーヌ夫人がエリアナをぎゅうぎゅうに抱きしめる。

するとエリアナは腕を掴まれ、後ろに引かれた。


「母上。そろそろリアを返して下さい。」

ジト目でセリーヌを睨むセドリックに抱きしめられていた。

エリアナはそのまま部屋から連れ出される。セドリックに抱きかかえられたまま、セドリックの肩越しに見えるセリーヌとエリザに手を振った。


「セドはお留守番ね?」

「その日はエルランドさんに用事があるので、冒険者ギルドに行きます。

謹慎させられていますが、あの一行に出会わないように気をつけて下さいね。」


「私が会いたくないもの。ちゃんと気をつけます。」

エリアナは部屋に戻ると、衣装選びを再開した。


王妃様とのお茶会まで数日しかない。

マリーさんと以前から王妃様に贈る予定であったドレスと、下着を大急ぎで作りあげる。

ようやく仕上がったのは、お茶会の前日だった。

(気に入って下さると良いけど⋯⋯。)

少しだけ不安になるが、マリーさんと頑張ったのだから大丈夫!と自分を鼓舞した。


お茶会当日。

エリアナ達はある事実を知る事になる。


エリアナもエリザも、セリーヌ夫人が一緒に来てくれると思っていたのだ。

しかしお茶会はエリアナとエリザの二人のみと言われていたらしい。


「王妃様のお考えがあっての事よ。いつもの二人でいれば大丈夫だから。」

セリーヌ夫人は朝から子爵家に来て、エリザとエリアナを送り出す為に態々家に来てくれていた。


(態々セリーヌ夫人が来てくれたんですもの。頑張るしかないわ!)

エリアナは気合を入れ、エリザと二人で王宮へと向かった。


王宮に到着すると、馬車降り場に数人の侍女達が待っていた。

エリアナとエリザをお茶会の会場まで案内してくれる。

エリアナ達の後ろには、衣装を持ったマリー夫人も一緒に来ていた。

マリー夫人は別室に案内され、王妃様から声がかかるまで控える事になる。


ドキドキする胸を押さえて、庭園へと案内される。


テーブルには既に王妃様が座って待っていた。

エリアナとエリザは王妃様の近くに寄ると、膝を突き最上級の礼をとる。


王妃様の声がかかるまで、体制をそのままに頭を下げている。


「ようこそ。楽にして下さい。」

王妃様のお言葉に、立ち上がると席へと促された。


「顔を合わせるのは初めてね。私はヴィラよ。」

王妃様の名乗りで、二人も名を名乗った。


「招待をうけてくれて、ありがとう。貴女方とは話がしたいと思っていたのよ?」


ヴィラ様は美しいく聡明さを纏った王妃らしい姿をしている。

エリアナは美しさに暫し見惚れていた⋯⋯。

「王妃様って凄く美人ね⋯⋯。」

エリアナは心の声を漏らしていた。


「ありがとう。褒められるのは嬉しいわね。」


王妃様の言葉に、エリアナは我に返った!

心の声が聞かれた恥ずかしさで赤くなり。王妃様に不敬を働いたと青褪める。


エリザはいつものエリアナを見て、小さく笑った。


「エリアナさん。大丈夫よ。」

王妃様が優しく声をかけてくれた。


「セリーヌから面白い子だとは聞いてはいたけれど、本当ね。」

王妃様は扇子で口を隠すとクスクス笑われた。

エリアナは恥ずかしそうに、身を小さくしていた。


「エリアナさんの事は色々と陛下から伺っております。陛下が私に伝えたのは、他意があった訳ではありません。社交界と言う女の世界でエリアナさんの立ち位置を把握していなければ、後々厄介な事になるかもしれないからです。

そこは理解して下さい。」


王妃様が言う事は最もなので、エリアナは頷いた。

陛下は軽々しく王妃様に話た訳ではないと伝えてくれた。


「そして今日、エリザさんを呼んだのは謝罪の意味もあったからなのです。」

エリザは王妃様から謝罪を受ける意味が解らずにいる。


「当時エリザさんの生家が衰退し立場を追われた時に、私は陛下に進言致しました。ですが、私が手を貸す事に否を言われれば何も出来ずにいました。

エリザさんを社交で見かけた時も、声をかけようか迷いました。

ですが私が私的に声をかける事は、貴族間のバランスを崩してしまう可能性もあります。」


エリザは王妃様の話に納得し、頷いた。


「子爵と仲睦まじくいるのを夜会で見かけ、安心していたのです。

ですが、セリーヌからエリザさんがずっと傷付いていた事を知り後悔をしました⋯⋯。」

王妃様は申し訳なさそうに話しを続ける。


「私を案じて頂いたのは有り難く思いますが、王妃様さまからその様に言って頂く理由が見当たらないのです。」

エリザはそこまで王妃様が気にする理由を探すが、見つけられなかった。


「エリザさんの元婚約者の侯爵子息は、私の幼馴染なのです。私はその頃隣国に留学していました。幼馴染から、婚約者の姉が王太子殿下から処罰されたとだけ聞きました⋯⋯。」


王妃様は一瞬だけ視線を下げた⋯⋯。


「私の安易な意見で、幼馴染は婚約を解消してしまいました。

エリザ様の女としての幸せを壊したも同然なのに、私は国の女性の筆頭となる⋯⋯。私はずっと幼馴染に安易に背中を押した事を後悔していたのです。」


王妃様からの懺悔の言葉から始まった会話を、エリアナとエリザは受け止めている。


エリザは素直に受け止めた。


だが、王妃様の話しを全て聞いたエリアナは小さな怒りを持つ事になる。


この日のお茶会が、乙女ゲームの攻略の一つである事は作者であるキャシーしか知らない。

お茶会が進む中、エリアナの知らないうちに乙女ゲームが早々にスタートしていた⋯⋯。


❀作品を読んで下さり、ありがとうございます❀


インフルエンザに感染して寝込んでしまいました。

頑張って書いていたのですが追いつかず、

ストックも切れてしまいました。


少し日にちを頂く事になります。

申し訳ありません。

金曜日には投稿したいと思います。


お時間ありましたら、覗いて下さい。

まだまだ感染症が流行っています。

皆様も、お気をつけ下さい。


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