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モブな私は自由なはず‥‥うるさいですわよ!ヒロインども!!  作者: おかき


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21話 前世の知識が役に立つ

エリアナとセドリックは、湧いて出てくるモンスターを順調に討伐する。

主にエリアナが⋯⋯。


エリアナが討伐をし、ドロップ品が出ればセドリックが拾う。

自然と役割分担がされた。


ダンジョン入口から暫くは薄暗い通路での討伐となる。

明るい通路は高ランクのモンスターが出現するのだ。


「学園専用だから、高ランクモンスターが出る場所は明るいのよ。一応、討伐の訓練だからトラップも仕掛けられてないし。」

エリアナがポツリとダンジョンの話をした。


「リアはダンジョン内部にも詳しいのですか?」

セドリックが問いかけた。


「前世は冒険やダンジョンに憧れたから、その部分は兎に角読み込んだの。自分がそのダンジョンにいるかの様に、想像していたわね⋯⋯。」

段々と恥ずかしくなり、声が小さくなる。


「そろそろセーフティゾーンがある筈です。そこで休憩と昼食を取りましょう。そして、ダンジョン内部の説明を簡単に聞かせて下さい。」


エリアナは討伐をしながら、セドリックは回収しながら会話をする。


少し狭くなった通路に左に曲がる道がある。

ダンジョンは真っ直ぐ行く仕組みになっている。空間を捻じ曲げているので、各階層はひたすら直進するのだ。


左に曲がると、セーフティゾーンだ。


空間から折りたたみ式の椅子とテーブルを出す。コンロを出して、お湯を沸かす。

昼食は邸から持って来たサンドイッチを頂く。紅茶を淹れ、一息つきながらサンドイッチに手を伸ばす。


「学園専用のダンジョンは四階層になって、Dエリアは石のエリアなの。モンスターもゴーレムが多かったでしょう?

Cエリアは植物ね。モンスターはトレントよ。

Bエリアは水でケルピーとケルプがいるわ。少しだけ、モンスターも強くなるの。

最終のAエリアは、ダンジョンの気分次第だからAエリアだけはモンスターが不明なの!」

サンドイッチをパクパク食べ、飲み込むと話すエリアナは、心底楽しそうだ。


「今日はCエリアまで行きますか?」

エリアナは少し考え、

「急ぎ過ぎても持って来たアイテムを使う回数も減るから、Cエリアで野営にしましょう。」

話が纏まり、早速先に進む。


学園専用のダンジョンは、魔力使用禁止にされてもエリアナやセドリックにとっては簡単なものだった。


通路の先に明るい光が見えた。

「あの先がDエリアの最終地点ね。」

光の広がる空間に入ると、巨大ゴーレムが2体いる。

「リアが一人でやりますか?」

セドリックの声に先を行くエリアナが振り向いた。

「いいの?」

セドリックは笑顔で、

「どうぞ。楽しんで下さい。」

と、セドリックは壁際に行くと、壁を背もたれに座り込んだ。


「ありがとう!」


エリアナは笑顔でレイピアを振り、壁を使いピョンと高く飛ぶとレイピアをゴーレムにあてていく。

一太刀では大き過ぎて斬れないが、何度も同じ場所を打ちゴーレムを破壊する。


ゴーレムの討伐を終える。ゴーレムが消滅すると同事にドロップ品が出た。

七色に輝く石だ。


「虹の石ね⋯⋯。」

エリアナは拾い上げると、光にかざして石を眺める。

「これがアイテムの一つですか?」

エリアナは頷き、セドリックに石を渡した。

セドリックは一通り見ると、興味がないのかマジックバックに放り込んだ。


「このアイテムのせいで意思を曲げられるのかと思うと、綺麗より忌々しい感情しか湧きません。」

嫌そうな顔でエリアナに話す。


Dエリアを攻略したので、部屋の奥にある石板に魔力を流すと下に向かう階段が現れた。

階段を降りると、大きな森が目の前に現れる。

森のモンスターはトレント。

討伐は楽しめない。根っこを狙い次々討伐し呆気なく最終地点に到着する。


一体のトレントだが、大きいだけで呆気なく討伐終了。

「虹の草よ?」

七色に光る花びらの花が一輪落ちている。

セドリックに渡すが、花は確認せずにマジックバックに放り込まれた。


エリアから出ない限り、モンスターはこのエリアには出現しない。

今日はこはこで野営となる。


マジックバックから簡易テントを出して、組み立てる。

前世ソロキャンプしながら薬草採取をしていたのだ。

キャンプはお手の物だった。

テキパキ動くエリアナは楽しそうだ。

前世を思い出しているとは思わないセドリックは、只々嬉しそうなエリアナを眺めた。

エリアナは前世の話は物語以外話さない。セドリックに気を使っていたのだ。


テントも組み立て寝袋も敷いた。

焚き火台はモンスター避けに作ったので、モンスターが出ない今は使わない。


ダンジョンも夜になる。

辺りが薄暗くなったので、ランタンに魔力を流して明かりを灯す。

石板のコンロを出して、料理を始める。

調理器具は邸から持って来ていた。

干し肉を出汁にして、温かい野菜スープを作る。

煮込めば干し肉も柔らかくなる。

お皿に出来上がったスープを入れパンもつけた。

手際の良いエリアナにセドリックは手を出せなかった。


「よし!出来たわ。」

上手く作れた料理をテーブルに並べ、セドリックの前に出した。

「手際が良すぎて、手伝えませんでした。」

少し申し訳なさそうにセドリックが話す。


「料理は好きだから大丈夫。セドに食べて欲しくて頑張ったのよ!」

可愛い笑顔で、可愛い事を言うエリアナを人の目が無い事を良い事に構い倒してしまった。


エリアナに叱られながら、冷めたスープを温め直し二人で遅くなった夕食を食べる。


食器類はセドリックが浄化魔法を使い綺麗にしてくれた。

浄化魔法を使える者は、数日体を流せない冒険者には重宝される。

だが、今回のエリアナは自慢気に個室シャワーを出した。


服を脱ごうとしたが、脱衣場なる場所が無い事に気が付いた。

(パーテーションみたいな物が無いと、女性冒険者には厳しいわね。)


エリアナはセドリックにテントに入ってもらい、シャワーを浴びた。

風魔法で濡れた髪を乾かすとシャワーを終えたセドリックが出て来た。


「これは良いですが、緊張感が無くなるのであまりお勧めはしませんね。特にCランクよりしたの冒険者にはね。」

セドリックの言葉に、納得する。

一度緊張感が抜けると中々元に戻れないのだ。


「高ランクの特権にするか、エルランドさんの許可制にするとか制限付きが良いかもね。」

エリアナはセドリックの髪を魔法で乾かしながら提案した。


ランタンは灯したまま、テントで眠りに就いた。


明るくなる前にエリアナは目が覚め、朝食と昼食の準備をする。

朝はお米がこの世界にもあるので、おにぎりを握った。塩味だが以外と美味しい。


「お米をこんな風に食べたのは始めてですが、美味しいですね⋯⋯。」


ただ真っ白なおにぎりを眺め、しみじみと呟いている。

クスクス笑いながら、エリアナも食べ終えた。

出したアイテムを片付けて、石板に魔力を流し同じ様にBエリアに向かう。


水のエリアだけあり一面湖のようだ。

足を入れると、以外と浅い。


とりあえず真っ直ぐ進むと、人影が見えた。だが人がいる訳がないので、ケルピーであると予測する。

エリアナは素早く近付くと一太刀で討伐した。

因みにドロップ品はエリアの特徴が取り入れられており、石のエリアは宝石類。植物のエリアは薬草。水のエリアは、水属性の魔石が出る。

水魔法を使える者には重宝されるが、他の属性の者は買い取りにだす。


学園専用なので、ドロップ品も低ランクの物だ。


ケルプとケルピーを軽々と討伐して、最終地点に到達する。

見た事ない魚のモンスターだった。


「物語のモンスターと違うけど、強そうだから良しね!」

エリアナは嬉々として未知のモンスターに挑むが、あっさり討伐⋯⋯。

エリアナが強いのか、モンスターが弱いのか解らなくなる。

出て来たのは七色に光る魔石だった。


「七色の魔石ですね。」


キラキラ光る魔石を、エリアナは眺める。

セドリックに渡すとバックに放り込む。


「昼食前にAエリアに行ってしまうけど、どうしたらよいかな?」

セドリックにこれからの予定を相談する。


「少し早いですが、昼食をとってAエリアに行ってさっさと終わらせましょう。」

セドリックの提案を受け入れて、昼食を取る。


Aエリアに着くと、目の前にはオークジェネラルがいた。

エリアナは少しだけ遊ぶように剣を振るう。

オークジェネラルは今迄討伐した事がない。初討伐になるからだ。


オークジェネラルの攻撃を受け入れながら、攻撃パターンを頭に入れていた。

セドリックも目でオークを追いながら、同じ様に攻撃パターンを頭に入れた。


エリアナは様子を伺い、一太刀で討伐した。


オークジェネラルを討伐すると、エリアの景色が一変した。

エリアが真っ白な空間になった。


気配を探るが、何も感知しない。


『エリアナ。君はやはり面白いね。』


目の前に少年のような、少女のような子供が浮いて現れた。


『この世界を創り、管理する神だよ。宜しくね。』


可愛いらしい笑顔で挨拶された。

が、警戒心の強いエリアナは黙って見上げる。

セドリックがエリアナの側に行き、守るように少しだけエリアナの前に体を被せた。


『大丈夫。何もしないよ。警戒心むき出しにしないでよ。』

苦笑いしながら話しかけてくる。


『この世界の物語は僕が異世界を参考にして導いた世界だよ。

僕はね、異世界の物語が大好きなんだ。』


神は趣味を語り始めた。


『特に好きなのが、乙女ゲームのお話だよ。異世界には沢山のお話があるから選ぶのが大変なんだ。』


『でね、恋ダンを今回選んだんだけど、恋ダンをとても好きな人間を転生させる事にしたんだ。』

 

調度良いと、エリアナが神に話しかけた。


「転生者を選んだ理由は解りたくないけど、解りました。では何故私が転生したのです?私はあのお話は嫌いですよ?」

エリアナが疑問に思っていた事を聞く。


『恋ダン好きな者を勿論選ぶよ。作者がいればもっと面白くなるかと思ったから転生させたんだ。エリアナが選ばれた理由は、恋ダンが嫌いだからだよ。そんな人物がいたらお話が面白くなる気がしたんだよね。』


コテンと首を傾げる様は普通に見れば可愛いが、今のエリアナには可愛いく見えない。

イラッとしてしまうのだ。


「余計な事をと思いますが、セドに出会えたのでまぁ良いでしょう。

神様は物語が好きなのでしょう?ヒロインはハッピーエンドを迎えませんよ?私が阻止しますから。」

真っ直ぐな瞳で神を見る。


『良いよ。その方が見ていて面白いからね。物語と同じより、違う物語を作る様を見る方が退屈しないからね。』


神の物言いに段々腹が立って来たエリアナは、神とは話したくないと心で決めた。

顔を背け、無視する態度を示した。


『エリアナ?聞いてる?』

『僕は異世界の物語が好きなだけだよ?』

『ねー、聞いてよ!』


黙りで無視するエリアナと、必死でエリアナと会話をしたがる神。

立場が逆転した構図が出来上がった。


セドリックは二人の様子をため息をつきながら、暫く眺める事にした。




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